表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第十二章完結!】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

191/796

ゴーレム製作者の望み3

 ビーカーっぽいものもあればモンスターの素材っぽいものもあるし、なんだか用途の分からない物もある。

 けれど資料っぽいものはない。


 一応部屋の奥まで行ってみたが棚があるだけで他に繋がるドアもなかった。


「ここはハズレだな」


 危険は承知で色々触れてはみたものの資料を探せはクリアにならない。

 この部屋には資料はなかったのだ。


 別の部屋を捜索することにする。

 備品室を出てそのまま正面の部屋、入り口から見ると右の部屋を見てみることにした。


 同じように警戒してドアを開けて外から中を確認する。


「今度は……なんだろう?」


「ベッドと机が見えるな」


「寝室かな?」


 死角となっている場所を警戒して中に入ってみる。


「長らく人は使っていないようだね」


 ベッドの上も先ほどの備品室もそうであったが埃が溜まっている。

 かなりの時間人が使っていないような雰囲気がある。


「なんかあるかな?」


 使ってなさそうなベッドは放っておいて机の方に目を向ける。


「本かな?」


「日記かもな」


 波瑠が机の上に立ててある本を1つ手に取った。

 装丁はシンプルで本のタイトルなどは書いていない。


 それを見てカレンが日記なのではないかと予想する。

 ベッドがある部屋の机の上にタイトルもない本がある。


 確かに日記みたいなものがあってもおかしくない。


「どうだい?」


 適当に本を開いた波瑠は渋い顔をしている。


「……うーん、手書きのようだから日記だろうね。ただ何が書いてあるは分からないねぇ」


 波瑠の顔を見て夜滝も本を覗き込む。

 見た感じ手書きの文字が並んでいて本という感じではなかった。


 なので日記なのだろうと思ったのだけれど書いてある文字が読めなかった。

 夜滝は英語も読むことができる。


 他の外国語も堪能とまでいかないが少しだけ読めるような言語もある。

 けれど夜滝でも読めない。


 それどころかどこの国の言葉なのかすらも分からない文字であった。

 波瑠がペラペラとページをめくってみるが全く分からない。


 圭も覗いて真実の目を使ってみたが真実の目に反応はなく、日記の内容も分からない。

 他の本も日記らしいが同じく見たこともない文字で書いてあって読むことができなかった。


「資料もクリアにならないな。これじゃないのか」


 適当に日記をみたが資料を探せはクリアにならない。

 つまりこれは資料ではない。


「あとはクローゼット……古ぼけた服が入ってるだけか」


 質素な部屋にはものも少ない。

 日記以外に資料といえそうなものもないのでこの部屋もハズレだったみたいである。


「じゃあ最後の部屋だな」


 それなら資料があるのは最後の部屋だろう。

 入り口から正面の部屋に向かう。


「開けるぞ?」


「おう!」


 横に控えた圭が手を伸ばしてドアを開ける。

 カレンが盾を構えて敵襲に備えるが何も飛び出してはこない。


「少し広い部屋のようだね」


 ドア前から見た感じでは前二つの部屋よりも中は広そうに見えた。


「ここは研究室……だろうか?」


「そんな感じの雰囲気はあるな」


 大きなデスクがあって、液体の満ちた瓶の中にゴーレムの核のようなものが入っている不思議なものが置いてある。

 隅には土の山もあったり、木の棚に本が並べられたりしている。


「これ……動かないよな?」


「うーん大丈夫だと思うけど」


 外で見たケモノストーンゴーレムも研究室の中にはあった。

 襲われるんじゃないかと思ったが圭の目で見てもなんの反応もない。


 おそらく核が入っておらず形だけのストーンゴーレムなのだろう。

 この場所でストーンゴーレムの研究や製造を行なっていたのだ。


「なんかこれ可愛いね」


 そんなケモノストーンゴーレムの横にちょこんと置かれたものに波瑠は興味を引かれていた。

 こちらも赤茶けた土で作られているのだが非常に人に近い形をしていた。


 これまでのストーンゴーレムは人型と言っても子供が作ったぐらいの手足があって二足歩行だから人型程度のクオリティのものであった。

 フォルムとしては古い戦隊モノのロボットぐらいにゴツゴツしていて人間っぽさはなかった。


 けれど波瑠が興味を持ったゴーレムは人に近い形をしている。

 ほとんど人。


 等身大のフィギュアみたいに精巧に作られていて体つきから女性を模して作られたものだと分かるぐらいだった。

 なぜなのかメイド服のようなものまで着せられている。


「……ゴーレム製作者の趣味が透けて見えるな」


 メイドゴーレムを見てカレンはきっと作ったのは男だろうなと思った。

 わざわざこんなに精巧なものを作るなんて寂しい人だったのかもしれない。


「うーん、別に女でもいいと思うけどねぇ」


「そうか? まあ偏見はいけないか」


 女性が女性型のゴーレムを作ってメイド服を着せてもおかしいとも言い切れない。

 

「資料見つけてどんな人か分かれば男か女かも分かるかもな」


 そう言って圭は棚に近づく。

 棚には本がいくつか並んでいる。


 これが資料かなと思って手に取って中を見てみる。

 寝室にあった日記のようにみたこともない文字が並んでいる。


 これだけでは何なのか判別できないが資料を探せはクリアにならない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ