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レベルアップ4

「そういえば圭、魔力係数は?」


「魔力係数は……えっと忘れちゃった。


 1桁なのは間違いないけど。


 2……とかだったかな」


 魔力係数とはその人がどれほどの魔力を持っているのかを数値で表したものである。

 これもまたRSIが開発した機械によるもので今現在では魔力係数は強さの基準の1つともなっている。


「正確なところがわからないとなぁ。


 今度の覚醒者等級検査の時に一緒に調べてもらうといい」


「そうするよ」


「ただ低級でも毒の効果が発動させられる可能性があることは分かったねぇ」


 さらに効率を上げれば低級でも十分な戦力になり得るかもしれない。

 夜滝の研究は着実に前に進んでいた。


「一方で魔力を込めていない方は元気そうだね」


「そうだね。


 こっち睨んでるもん」


「ふふ、圭が体調崩したからどうなるかと思ったけど実験も順調で良かったよ


 ……圭?」


 ふと圭はある考えが頭に浮かんで立ち止まった。

 体調を崩したタイミングとビッグラットが死んだタイミングがあまりにも近い。


 もしかしたら同時だったのではないかと思った。

 ビッグラットが死んだから圭が体調を崩した。


 ぼんやりと頭の中で2つの出来事が繋がる。


「ちょ、ちょっとトイレ」


「まだ体調悪いのかい?」


「いや、慌てて出てきたから忘れてたんだよ」


「じゃあ私は先に帰る支度をしてどのお店がいいか考えておくよ」


 晩御飯は台無しになってしまったので外で買っていくことになっていた。

 圭は慌ててトイレに行って手を洗った。


 緊張している自分を落ち着かせようとするために。


「…………真実の目」


 鏡を見つめ、真実の目のスキルを発動させる。


『村雨圭

 レベル2

 総合ランクH

 筋力G(英雄)

 体力G(伝説)

 速度G(英雄)

 魔力G(一般)

 幸運G(神話)

 スキル:真実の目、導く者(未覚醒)

 才能:類い稀な幸運(未覚醒)』


「レベル2!」


 レベルが上がっている!

 確かに前に見た時には1だったレベルが2になっている。


「ビッグラットを倒した……から?」


 レベルが上がっただけで目に見えているステータスには変わりがない。

 でもレベルが上がることは確認できた。


 急な不調、そして体が軽くなったように感じたのはレベルアップが原因かもしれない。

 レベルアップした理由はどう考えてもビッグラットだと圭は思った。


 これまで自力でモンスターを倒したことなど一回もなかった。

 しかし今回は武器を使用して時間をかけて毒でビッグラットを倒した。


 言うなれば圭がビッグラットを倒したのである。


「レベルアップして強くなることができるのか?」


 誰も知らない世界の秘密を圭だけが知っている。

 心臓の音がうるさいほどに聞こえてくる。


 気分を落ち着かせようと水で顔を洗う。


「俺も……強くなれるのか?」


 突然降って湧いた希望。

 圭はどうしても高鳴る鼓動を抑えることができなかった。

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