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【第十二章完結!】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第四章

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使いすぎにもご用心2

 三階へのエントランスを中心にしてストーンゴーレムを探し始める。


「どわっ! 危ねぇ!」


 ただこの階にはストーンゴーレム以外のモンスターも生息している。

 大爆発が起きてカレンが盾で飛んでくる石を防ぐ。


「こん、にゃろ!」


 波瑠が走っていって手のひらほどの大きさの石にナイフを振り下ろす。

 ナイフが突き刺さって石が割れ、中からコロンと魔石が出てきた。


 見た目にはただの石のように見えるがこれも立派なモンスター。

 ボムロックと呼ばれているモンスターで、日本ではとあるゲームに則った名前で呼ばれていることもある。


 最初からこの小さいサイズなのではなくもっと大きな岩の塊である。

 不意にコロコロと転がってきて名前の通りに爆発を起こすモンスターで、いわゆる自爆である。


 けれどそれでボムロックが死ぬわけではない。

 ストーンゴーレムのように核となるような中心の本体部分があって爆発の際にその本体は無事に飛び出して逃げていくのだ。


 また周りの石などを集めて体を作り、そのうちコロコロと転がってきて爆発を繰り返す面倒なモンスターである。

 ただ爆発さえ乗り越えてしまえば本体には戦闘能力はない。


 転がって逃げるのみで見つけ出せれば波瑠のナイフでも簡単に倒すことができる。

 本体は大きな爆発のために結構見逃しやすいのだけれど今回は波瑠が見つけてくれた。


「ったく、あぶねーな」


 気づいたら近くまでボムロックがコロコロと近づいてきていた。

 カレンが慌ててメイスで殴り飛ばして事なきを得たがちょっと危ないところだった。


 森などの環境に比べて視界が開けているから安心などということはない。

 ただ平坦な荒原ではなくて大きな岩などがゴロゴロと転がっている。


 赤茶けた大地は見た目の変化が乏しく警戒しててもいつしか注意が散漫になってしまう。

 視界に入る岩が先ほど警戒した岩なのかも分からなくなる。


 そんな中で岩に擬態したモンスターがいても反応が遅れてしまったりもするのだ。

 結構面倒な環境だなとみんな思っていた。


「真実の目を使ってみてはどうだい? モンスターがいたらそれで分かるんじゃないかな?」


「なるほど、確かにそうかもな」


 真実の目を使えば岩とモンスターの区別もつけられる。

 夜滝の提案を受けて真実の目でモンスターを鑑定することを意識する。


「あっ、そっちの岩はボムロックだ」


 するとパッとみた視界にいくつかボムロックがいることが確認できた。


「あれかい? ほっ!」


 大きな岩の影に丸い岩がある。

 圭の目ではそれはボムロックであった。


 夜滝が水でボムロックを包み込んで空中に持ち上げる。


「あっ、顔あるんだな」


「本当だ」


 持ち上げたボムロックを回してみると顔のようなものがある。

 ただの岩のように見えていたけれどモンスターっぽい特徴もあるのだと感心する。


「なんかプルプルしてねぇ?」


「そう見えるな……」


「爆発しそ……わっ!」


 ボムロックがプルプルと震え出して爆発した。

 少し距離があったので大丈夫だろうと思ってみていた。


 爆発そのものは大丈夫だったけれど水で包み込んでいたので爆発の衝撃で雨のように水が降り注いだ。


「冷たい……」


「さっさと倒すか避けて通る方がよさそうだな」


「失敗だねぇ」


 ボムロックの本体が転がって逃げていくのも見えたけど誰も追いかける気も起きなくてスルーした。

 持ってきていたタオルで髪などを拭いてストーンゴーレム探しを再開する。


 圭がキョロキョロと周りを見回してモンスターをチェックしながら塔の二階を探索する。


「おっ、いたぞ!」


 めんどくさいボムロックは避けてストーンゴーレムを探しているとようやく見つけた。

 大きめな岩山に見えるが確かにストーンゴーレムだと表示されていた。


『ストーンゴーレム


 岩に魔力が宿りある程度の意思を宿したモンスター。

 発生原因は様々であるが精霊にも近い存在である。

 ただし精霊ほどの知恵、知能はなく馬鹿で近づくものに襲いかかる習性がある。

 岩なので食えない。マズイ。邪魔な存在。

 ただ魔石は精霊に近いせいか意外と美味い』


 誰がストーンゴーレムを食べるんだと真実の目で現れた表示を見ながら圭は苦笑いを浮かべた。


「周りには……他にいないな」


 ボムロックがいるとふとした時に危険なことがあるかもしれない。

 しっかり周りにボムロックがいないことを確認する。


「みんな準備はいい?」


「おう!」


「もっちろん!」


「いつでもいけるよ」


 いつもの布陣。

 タンクであるカレンを前にしてその後ろに圭と波瑠、最後尾に夜滝の陣形でストーンゴーレムに近づく。


 地面が揺れてストーンゴーレムが動き始める。

 ただの岩山に見えていたが立ち上がると人にも似た形をしていた。


「ふっ!」


 ストーンゴーレムは先頭に立つカレンに対して腕を振り下ろす。

 カレンがストーンゴーレムの腕を受け止めてニヤリと笑う。


 力はそこそこ強いけれど大王ゴブリンほどには強くない。

 攻撃速度も大王ゴブリンよりも遅いので受けるのもかわすのもそんなに難しくない。


「くらえー!」


 カレンが攻撃を受けている間に側面に回り込んだ波瑠が片手持ちのメイスを振り下ろす。

 ストーンゴーレムの脇腹の表面が砕け落ちる。


 ストーンとは言っているが土を押し固めたのに近いような感じで想像よりも硬くはない。

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