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恒久の巫女   作者: 天哉
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第16話 突然の出会い

 茜色に染まった空の下、庵とチュウギは宿に向かっていた。互いの影が伸びる道を歩いている時だった。庵は仁と会ってから、今までの事を思い出したのか、ずっとどこか浮かない顔をしていた。

「庵。」

「ん?なーに。」

「いきなり、ここに来て不安だっただろうが、まだこの先も何が起こるか分からないが、恐らく厳しいものになると思う。もし何かあれば俺に言え。」

 そして庵に聞こえない声で「総責任は俺にあるから」と言った。

「うん。ありがと。」

 庵はチュウギの気遣いを快く思い、心の重荷が解けたのか、さっきまで浮かべていた表情ではなくなった。


「庵ちゃーん、チュウギーっ!」

 たったっと軽い足取りで向かい側から信乃が駆けてきた。

「あっ信乃ちゃん!」

 庵は信乃に気付き、彼女のもとへ走って行った。

「もーっ、二人とも遅いから宿から出てきちゃった。一緒に帰ろっ!」

「うんっチュウギもはやくー!」

「ああ、そうだな。」


 宿に付き、食事を終えた3人は今日得た情報を共有していた。辺りは紺色に包まれている頃だった。

「ふぅん、小泉仁君か。」

「そうなの。大体高校生位の人だったの。」

「奴がもしそうなら、俺達が声を掛けるか後を付けるかの2択。どう見ても旅をしながら生きてるようだったし、此処にも長居する訳でも無さそうだ、だが問題点として俺達の言う事を信じてくれるか。」

 八方玉計画自体、民間人にはあまり伝われていない。それもそのはず、禍国の存在と動向を危惧して、この計画を極秘裏に進める必要があったからだ。それと民間人全体に伝わってしまえばパニック同然の事態が予想出来る為、従者達が封印していた面もある。

「次は信乃の情報を…と思ったがちょっと部屋の隅に来い。」

「はいはい何だい?」

 そう言われ隅に来た。

「何故俺が庵を気にしてた事を少しアイツが知ってるんだよ。」

 小声で、やや突っ込み気味に問いかけた。

「あーっと庵ちゃんが目覚めた日さ、眠りすぎて眠れないって言うから、ちょっとあの娘が私の事を気にしてた人って誰って聞いてきたからついうっかり……」

「で、俺がいきなりこっちに来て不安じゃないか、大き過ぎる問題と使命を課されて平気なのか、この2つ以外何も喋って無いよな…?」

「喋ってないよー。むしろそのクソデカ感情を直接ぶつけてみたらどうなのよ。」

「うっ…それは……」

 そう突っ込まれてたじろいだ。

「考えておく。しかし…玉が何故かずっと反応してないか?」

 懐から玉を取り出した。昼間仁と会った時と同じような光が漏れ出ていた。

「そうだね、まさか…だけどね、ははっ。」

「仁がここにいるとは限らないぞ。もしかしたら別の適正者かもしれんからな。」

 そう言いながらドアをガチャリと開けた。それと同時に隣の部屋のドアも開いた音がした。

 すると、隣の宿泊客と目があった。

「「うわあああああああ!!!」」

「んなっ!?何故お前がっ!?」

 客も

「コッチの台詞だぁ!」

 と、声を上げた。

 それを見た信乃は、

「えっどっどゆこと!?」

 そう動揺した。すると、三人の騒ぎを聞いたのか、後ろから庵が出てきた。

「どうしたのーって、あれっ、仁さん!!」

 180cmありそうな身の丈、昼間と同じ様に一つに束ねた髪と服装。

「えっ?じゃあこの子が仁君か?」

「あぁ。そうだ、俺が小泉仁だが…」

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