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ここは

作者: 池咲ゆき

 左右は高く聳え立ち、あまり日の当たらないこの場所は冷たい風が吹き抜け、とても寒い。

 見上げれば、ずっと上には日が差しているのが見える。だが、ここまで届くことはない。

 地上だったはずのこの場所は、もはや谷底の様だ。


 そう、谷底の「様」であって、谷でもなく底でもない。ここは都心のビジネス街、ビル群の真ん中を走る大通りだ。


 通りに沿って高層ビルが建ち並び、地上まで日光は降り注がない。日が傾く時か、高層ビルのマジックミラー状の窓に反射した日差しが時折り届く程度だ。

 冷たいビル風が通りに沿って吹き抜け、体温が奪われそうだ。

 ここは地上であって地上でないのかもしれない。ここは人工的な谷底で、高層ビルの日が降り注ぐ屋上あたりがきっと、地上なのだろう。


 ここはきっと地殻変動もなく、掘り下げられることもないまま、底は下げられ、相対的に沈められた場所なのだ。

夏は夏で「涼しい」という事もなく、熱がこもって蒸し暑い。

日の高さのせいか、昼間は日陰もほとんどない…

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