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第四部 第三章 解体

 普通は相手の図体のデカさと強さでビビるもんだろうが、由宇はビビらない。


 いきなり、解体を教えながらやりだす。


 木に鹿のモンスターを非常食さんに吊るさせると首の動脈を切って血抜きを始めた。


 そして、持って来てたじゃばらの折り畳み式のバケツに血を貯めだす。


「これで、血は飲めば良いから」


 由宇が非常食さんに笑った。


 血が大体出たら、そのバケツを非常食さんに渡した。


 非常食さんがゴクゴクと喉を鳴らして血を飲んだ。


 そして、使い捨ての薄いゴム手袋をして、肛門のあたりを丸く切り取ると腸や内臓を傷つけないように肛門を身体から引っ張りだして輪ゴムとビニールで輪留めした。


 内容物が飛び出さないためだ。


 その鹿のモンスターの足元に再度折り畳み式のバケツを置く。


 全部の足首まわりを浅く切りと、左右の後ろ足の切れ目はは肛門除く形でお腹側のお尻側でつながるように切りそして、前足も左右の足の切れ目からつながるように胸側に斬る、そして、肛門のくりぬいたあたりから、正中線にまっすぐに喉当たりまで切った。


 指二本で皮を持ち上げるようにサクサクとナイフで剥いていく。


 そして、皮を頭部だけ残した形にしたら、首を毛皮ごと落とした。


 次に、内臓を傷つけないように、そっとナイフで再度、正中線を切っていく。


 すると、下に置いてある折り畳式のバケツにどさっと内臓が落ちた。


 バケツが小さいので、肝臓とか食べれそうな部位はバケツに入るように誘導して、腸は捨てるつもりらしい。


 ビニールの口は輪ゴムできつく縛っているので、内容物は飛び出さない。


 それから、丁寧に足の部分と胴体の部分に切り分けていく。


 どれだけ猟に参加してるのかは知らんが、相変わらずの腕前である。


 勿論、下にはビニールシートを敷いてある。


「こうやったら肉が臭くならないでしょ」


 由宇が笑った。


「いや、素直に皮をうまい部分だけ爪で抉って中身を食うだけだたから、絶対、こっちのが速いだろ」


 非常食さんが実も蓋もない事を言う。


「いや、絶対、こっちのが美味いって」


「そうかぁ? 」


 非常食さんが懐疑的だ。


「いや、本気でこの後味付けして焼いて食べさせてあげる」


「そのままでも食えるのに」


 由宇と非常食さんの話が平行線である。


 まあ、しょうがないんだけどな。


 そんな話で盛り上がるより、早く食べたい。


 仕方ないので、俺は俺で、塩漬けの肉と野菜でスープとご飯を炊いていた。


 鹿のモンスターをたれ漬けしてから焼くなら、ご飯を炊くのは早かったかもしんないが、腹が減っているので仕方ない。


 それにしても、この鹿のモンスターも金の塊を臓器に持っていた。


 ゴブリンの時とサイズはあまり変わらないようだが、一体これは何なのだろう。

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