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第四部 第一章 プロローグ

 ワームのいる場所からまっすぐ進んで、ここなのだから、恐らくその向こう側に行けば手がかりはあるのでは無いかと言うおおざっぱな計算で俺達は地図を見て進んでいる。


 雄二が持っている先生の方位磁石は全くクルクル回ってるので、地図を信頼するしかない。


 非常食さんに土地勘の事を聞いたが、残念ながら自分のテリトリーの山は分かるけど、それ以外は分かんないらしい。


 とりあえず、火も暮れそうだし、ブルーシートで<バシャ>を作り始めた。


「ああ、これは便利だな。屋根になるのか」


 非常食さんが興味津々だ。


「真ん中をひもで木と木に結ぶだけです」


 雄二が胸を張って説明した。


「では、あの岩の向こうに、この岩を持ってくから、それで両方引っ張って屋根にしたらどうだろう」


 非常食さんが提案しながら、岩を持ち上げて運ぶ。


 一メートル四方ありそうな石だ。


 無茶苦茶力持ちだな。


 石の間に、へし折った二十センチくらいの直径の木を引き抜いて、根を爪で斬り落とすと、石と石の間に乗せた。


「これで、そのシートを上から敷けばよかろう」


 非常食さんが余裕だ。


 すげぇな。


 そう思うとともに、多分、<バシャ>だと自分が入るには狭いと言う事か。


「労働力にもなる非常食……」


 由宇がまた余計な事を非常食さんに聞こえないように囁く。


 お前、聞こえてたらどうすんだよ。


 勘弁しろやぁぁ!


 とりあえず、誤魔化す意味もあって焚き火を始める。


 木が湿っぽいので、ガムテープの着火剤は温存して、マグネシウムの火打ち石を使う事にする。


 マグネシウム棒を削って少し湿った枯れ草に落として、銀色の片面の火打ち石側で火花を散らした。


 非常に高温で燃えるので、湿った枯れ草が一気に燃えあがる。


 それに空気を入れるように隙間を開けながら格子状に小枝を乗せた。


 一気に焚き火が出来た。


「ほう、面白いものを使うんだな」


 しみじみと非常食さんが焚き火を見て楽しそうだ。


 これはいけない。


 つまり、上位クラスのモンスターは焚き火を何とも思わないと言う事だ。


 しかも、非常食さんは手を暖めていらっしゃる。


 つまり、焚き火をすると上位クラスのモンスターが寄ってくる可能性もあると言う事か。


 やべえな。


 とりあえず、非常食さんが居てくれて良かった。


 この事を知らないとモンスター避けで必死に火を焚いたのに、モンスターを大量に呼び寄せてたかも知れない。


 全然、元の世界と違うので、本当に困る。

 

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