第三部 第八章 仲間
「奴は追い返したぞ」
山王が俺達を見て笑った。
「あれ? 何かがっかりしてないか? 」
山王は妙に察しが良いので困る。
「そんな事ナイデスヨー」
由宇が不貞腐れたように棒読みするので困る。
「いやいやいや、ありがとうございます」
「お陰で助かりました」
俺と雄二が必死になって誤魔化した。
「さて、また対決と行くか」
山王が笑った。
「いや、実は、二階堂家と何かの約束があるものが居て、それがこの世界にとって一大事らしいんですよ。それで、少しでも早く元の世界に戻って祖父になんなのか聞こうと思ってるんですが……」
俺がもう対決もしたくないし、こちらの話が大事なので、正直に話した。
「ああ、そう言えば、四代前の山王も同じような事を言っていたな。それで大至急、二階堂が元の世界に帰ったと」
「え? 何かご存じですか? 」
「いや、非常に大事な話だし、親友との約束は勝手には誰にも話さない。山王は仲間を大切にするからな」
「じゃあ、何も知らないんですか? 」
「そう言われると困るが、こちらの世界とあちらの世界にとってとんでもない事だと言ってた」
「じ、じゃあ、何で、そのまま放置に……」
俺がオロオロとして聞いた。
吞気過ぎでは無いかと。
「いや、我々は二階堂を信じているからな。彼ならなんとかしてくれると信じていた」
山王がにこっと笑った。
ほげぇぇぇぇぇぇ!
駄目だよ、こんな一族を信じたら。
大事な話をほったらかしなんていつもなのに。
俺の眩暈が止まりません。
「お前は何か言われて来たのでは無いのか? 」
「いや、いろいろと巻き込まれて来ただけです」
俺が困ったように答えた。
「ふうむ。ならば我々も二階堂との関係で、この問題には関係がある。では、ここは休戦してそれを先に終わらすとするか」
山王が物分かりが良い。
「そうしてくれるとありがたいです。向こうの世界に戻って約束の件を調べて帰ってきますんで」
「分かった。では、命も助けてくれたし、仲間と言う事で再度言うが俺の名前はピポポタマス-クニオコシ-ヤマトノオトコ-ヒムカ-クリオリリネストトギス-トリモリオス-ドラゴネスーオオクマノミコト-ニカイドウ四世だ」
「「「長っ! 」」」
「いや、そう言われてもわしの名前だしな」
「山王さんで良いのでは無いですか? 」
「いや、それ称号だし」
称号で呼ばれるのは嫌らしい。
山王さんはもっとフレンドリーが良いようだ。
どうするか非常に悩む。




