第二部 第七章 巣へ
結局、クニハタさんとヨシクニ君が一緒について来ることになった。
クニハタさんの説明だと、ゴブリンにも種類があって、俺達が倒したのは普通のゴブリンだが、今回奥さんを連れて行ったのはハンサムムゴブリンと言われる特殊種らしい。
何故、ハンサムなのかは行けば分かると言われた。
「とりあえず、また、金をゲットだな」
「うふふふふ」
背後で囁き合う、雄二と由宇が恐ろしい。
「ええと、強いんですか? 」
とりあえず、聞いてみた。
「いえ、えぐいんです」
クニハタさんが悲しそうな顔をした。
話を聞く限りではあまり、良い話で無さそうだな。
まあ、ゴブリンと言うのは、女がいなくて、女を攫って腹袋として子供を増やすのに使い、強姦、略奪、残忍で屑だと言うのはファンタジー世界では当たり前のように言われている。
容姿は醜く、肌の色は緑色で、非力ながら醜悪なモンスターのはず。
それがハンサム?
どういう事なのだろうか。
やがて、俺達は山の山腹で洞穴みたいな所の前の叢についた。
「隠れてください。昨日の祝勝会をやってるみたいだ」
クニハタさんが警告のように囁いた。
「え? 」
「は? 」
「何ですと? 」
ハンサムだ。
本当にハンサムだ。
少し、緑色っぽい肌はしているが、そんなのは問題にしない容姿。
まるでエルフの美男子のような容姿で、綺麗な金の装飾を身体につけて、美しい絹の腰巻を巻いている。
何も着ていない上半身は鍛えられたような、美しい肉体である事が分かる。
しかも、庭でテーブルにテーブルクロスをつけて、皆でティーパーティーをしている。
彼らは、まさに俺達の世界で言う貴族のようなお洒落を体現していた。
「ゴブリンなの? 」
「ゴブリンです」
俺の問いにクニハタさんが答える。
「あ、母ちゃんだ」
そのテーブルの真ん中で、美しいレースのドレスを着て、金の装飾を身に着けた、美しく化粧をした女性がいた。
まわりのハンサムゴブリンにちやほやされている。
「母ちゃん! 母ちゃん! 」
ヨシクニ君が必死になって叢から飛び出た。
しまった。
まずい。
俺達も続く。
ヨシクニ君が殺されてしまう。
だが、現実は全然違った。
ハンサムゴブリンがヨシクニ君に頭を下げたのだ。
すまないと。
俺達は飛び出したものの固まっている。
何だ、この展開。
何がしたかったんだ?




