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第一部 第十四章 エピローグ

 やっと朝が来た。


 入らずの山から出ないと。


 まずは目の前にある山に登ることにした。


 道に迷ったら、まずは高い所に登って自分の位置の確認か、川を下って海に出るかだ。


 とりあえず、周りに川なんか無いから、山に登るしかない。


 まあ、山と言っても三百メートルくらいの山だから、俺達なら数時間くらいで登れるのでは無いかと思う。


 雄二は寝ぼけ眼で、由宇は寝てないので目をこすりながら、再度、獣道を鉈で切り分けて登っていく。


「これ、十メートル以上ある感じの足跡なんだけど」

 

 途中で足跡を見て、由宇が推定するだけで、眩暈がする。


 つまり、俺達を一飲みにするようなモンスターがまだいると言う事だ。


「とりあえず、人の足跡とか無い? 」


「わかんない。靴を履いてる足跡は無いから、人間はいなさそうだけど」


 そうですか。


 聞けば聞くほどやばい山だ。


 何で日本にこんな山があるのか理解できない。


「あの三柱鳥居がモンスターが出るのを防いでるって事か? 」


「いや、あの三柱鳥居の下でドラゴンの子供が罠にかかってるし」


 雄二の推論を由宇があっさり論破した。


「じゃあ、何で俺達の街にあのモンスターが出てこないんだ? 」


「そんなの分かんないよ」


 由宇が首を振る。


 だが、俺は山を登りつつ、もっと恐ろしい事に気が付き出した。


 おかしい……。


 入らずの山の向こうにこんな山あったっけ?


 山の中腹から見える向かいの千メートル級の山が、どう見てもあるはずのない山だったからだ。


 物凄く嫌な結論になりそうで、うんざりしている。


「やっぱり、あんな大きな山はあり得ないよね」


 由宇が俺の顔つきから察したのか、図星をついてきた。


「やっぱり、そう思う? 」


 俺ももうやけくそ。


「やっぱりなぁ。祖父が修行の時に使った年代物の磁石がクルクル回って北を差さないんだわ」


 雄二がさらに決定的な話をした。


 つまり、まともな場所では無いと言う事だ。


「ああああああ、やっぱり、どうしょうか? 」


 俺がその場に立ち止まった。


「山に登っても意味無いよね。この様子だと」


 由宇までがあっさりとそう結論付けた。


「戻るか? 一か八かで木とかに傷をつけながらワームから逃げたから、ゴブリンが居た当たりまでは戻れるかもしれんけど……」


 雄二がアホな事を言った。


「いや、言えよっ! 」


「完全に無駄足じゃん! 」


 俺と由宇が突っ込んだ。


「いや、そうなんだけどな。一番近くにつけたはずの傷が朝にちょっと見に行ったら消えてたんだよ」


 雄二が困ったような顔をした。


「マジか……」


「やばすぎるよね」


 俺と由宇が愚痴る。

 

 恐らく、昨晩の話は相当まずい話のはずだ。


 だから、祖父と相談しないといけない。


 でも、全然帰れそうになかった。

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