第一部 第十二章 竹林
「地下から掘り進んでくるんだったら木の上で暮らすしか無いのか? 」
雄二が愚痴る。
「いや、待て。あそこに竹林がある。竹林なら大丈夫だ」
俺が竹林を指差した。
竹林は地下茎が張り巡らされているから、あのワームのサイズだと土の中から出て来るのは無理だろう。
慌てて、皆で竹林に行く。
そして、全員でへたり込んだ。
本当に最悪な夜になった。
「喉が渇いたね」
「水が水筒にあまり残ってない。どこかで水を探さないと」
「竹の節ををどれか叩いてみろよ。水が入ってたら飲めるよ。無菌だし」
俺が雄二に答えた。
慌てて、雄二と由宇が刀と鉈を出す。
「待て待て! それゴブリン斬って洗って無いだろ? 」
俺が叫ぶと、あって顔をした。
「俺の鉈を使えよ。それと、水が出たら水筒にも水を入れよう」
俺が鉈の刃を雄二達に向けないように渡した。
湿気も強かったし、予想した通りに竹の節に水があった、それを皆で飲んだ後に、水筒に水を詰めた。
「ここで、暮らすにしてもゴブリンの襲撃がなぁ」
雄二があたりを見回した。
「とりあえず、岩場も大丈夫だから、岩場に移るか、木の上にツリーハウスでも作るかだな。ただ、ツリーハウスだといざと言う時に逃げれないけどな」
俺が仕方ない感じで答えた。
「どうするよ? 」
「とりあえず、交互に見張りをしながら、竹に寄りかかって座って寝て、明日に動くしか無いな」
俺が答えた。
「「じゃあ、先に寝るね」」
雄二と由宇が答えた。
「朝になって俺がいなくても文句言わないでね」
俺がニッコリと笑った。
「仕方ない、俺から見張りをするよ」
雄二がぶすっと言う。
「その次は私で良いや。誰かさんは本気でいなくなりそうだし」
由宇も愚痴る。
「いやいや、夢の俺のソロキャンプを潰しといて、それは無かろうよ。こういうのは公平にジャンケンとか普通に言わないか? 」
俺も不貞腐れる。
「いや、マジで俺で良いや」
雄二が竹林の向こう側を見て答えた。
「何かいるのか? 」
俺が聞いた。
「多分。こちらを襲う気がどうかは分かんないけど。こっちの様子を伺っている。今気が付いた」
雄二がじっと向こう側を見てる。
「コ、コーヒーでも作ろうか? 皆で起きてた方が良いんじゃない? 」
由宇がガサガサとインスタントコーヒーを出して来た。
「インスタントかよ」
「だって、水でも溶かせば飲めるし」
「なるほどな」
結局、向こう側に居るとか言うのが良く分かんなくて、皆で起きてた。
本当に碌なもんじゃない。




