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第一部 第十一章 ゴブリン

 ゴブリン達は俺達を見ると嬉しそうに笑った。


 獲物が来たと喜んでいるんだろう。


 だが、俺の隣りに喜んでいる奴がいた。


「うほっ、良い獲物っ! 」


 どっかで聞いたようなキャッチフレーズで竿袋から刀を出した。


「って、えええええええええええ? 」


「それ、刀でしょ! 銃刀法違反じゃない! 」


 俺も驚いたが由宇も驚いた。


 でも、禁猟期にキジバトと罠猟やる奴にそれを言えるかどうかは知らんが。


「人が斬れる。人が斬れる。人が斬れるぞ。人が斬れる斬れるぞ。人が斬れるぞ」


 日本全国〇飲み音頭のノリで雄二が刀を抜いた。


「人では無いよね」


 由宇がどうでも良い突っ込みをした。


 だが、流石雄二だ。


 刀を一閃した。


 一瞬にして袈裟切りを二回してゴブリンが二体とも肩口から真っ二つになった。


「「「おぇぇぇぇえええぇぇぇぇ! 」」」


 結果として全員が蹲って吐きそうになる。


 凄く獣臭い内臓がどろりと出て、目の前に転がったからだ。


「吐きそうになるなら斬るなや! 」


 俺が雄二に突っ込んだ。


「だって、斬って見たかったんだもの」


 吐きそうな顔で雄二が答える。


「ちょっと、動物って言うより人間に近いゴブリンだから生々しいよね」


 すでに、由宇は吐き気から立ち直っていた。


「すげぇな」


「そりゃ、猟師の孫だもの」


「全然関係無いと思うぞ」


 俺の突っ込みは由宇に無視された。


「どうする? 解体する? 」


 由宇が俺達を見た。


「え? 食べるの? 」


 雄二が凄い顔をした。


「……まさか? 」


 何だよ、今の一瞬の間は……。


 だから、怖がられるんだよと心で思いつつも言わないでおこう。


「とりあえず、ちょっと捌いてみる? 」


「何の意味があるの? 」


 由宇に雄二が突っ込んだ。


「いや、何を食べてるか分かるでしょ」


 由宇がこともなげに言う。


 早速、薄手の使い捨てのゴム手袋をしてサクサクと捌き始めた。


「肉とか取らなくて良いからな」


 一応、用心に言って置く。


 やりかねないからだ。


「大丈夫だよ」


 と言いながらも、腿とか捌こうとしてたんで、油断がならない。


「何で、平気なんだ? 」


 雄二がドン引いている。


「いや、斬ったお前が言うなよ」


 俺が雄二にも突っ込んだ。


 いろいろ問題がありすぎだろ。


「あれ? 」


 由宇が内臓をさぐりながら、驚いた顔をしている。


「どうした? 」


「何か、硬いものがあるよ? 」


 由宇が答える。


 なるほど、ファンタジーで良くある魔石とやらか?


 と思ったら違うようだ。


「ちょっと水をかけてくれる? 」


 由宇が何か二センチくらいの塊を出した。


 俺が水筒の水をかけてみた。

 

 金色だ。


 と言うか、多分、間違いないと思うが……。


「金だ……」


 俺があまりの事に驚いて答えた。


 何で、こんなものがあるんだ?



 






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