第一部 第一章 プロローグ
新作でございます。m(_ _)m
ギャグでございます。m(_ _)m
どうかどうか、読んでくださいませ。m(_ _)m
大学デビュー。
そう、幼馴染だった俺達三人はそれにかけていた。
俺の名前は二階堂達也。
顔もまあまあ良いし、屁理屈をこねる所とやられたらやり返しをする以外はナイスガイのはずなのに、高校まで二人の幼馴染を除いて全く友達が出来なかった。
別にヤクザやハングレでも無いのに地元では皆に怖がられていた。
そして、幼馴染の御剣雄二も相当な美男子だったが同じだった。
ただ、こいつはしょうがないと思う。
有名な剣術家の家に産まれて、代々の武術を叩きこまれて、言動が危ない。
中学校の時は学校の暴力教師に柔道部に呼ばれて練習と言う名目の体罰目的の試合を暴力教師とやらされて、あっさり暴力教師の腕を決めて、折って良いですか。俺、折ってみたいんです。などと涙ながらに暴力教師にお願いしたばかりに誰もが目を逸らすナイスガイになっていたからだ。
そして、幼馴染の三島由宇。
彼女は猟師の祖父を持ち、子供の頃から獲物の解体をやっていたせいか動物を何でも捌けるのを自慢にしてた。
家族が誰も教えなかったんだろうが、魚が捌けるのとちょっと方向性が違うと思う。
家庭科の授業で親子丼を作る事になり、鶏肉を持ってくるはずが、生きているかご入りの実家の農家で飼育している鶏を持ってきて、目の前で首をこきりと締めて捌き始めたので、学校中がドン引き。
これを中学と高校の両方の家庭科でやった。
さらに間の悪い事に関節とか構造的なものに興味を持って。幼馴染の御剣雄二に巻き込まれた俺とともに古武術を習い、特に人体の構造と関節技に異様な興味を持つ変な性格になった為に、友達がいなかった。
結構な美少女なのもまずいのだろう。
誰だって、美少女が血まみれの包丁でニコニコと鶏の血を飛び散らせながら捌いている姿を見れば、それはホラーでしかない。
俺達にとって幼馴染以外の友達や彼女を作ることは本当に心からの願いだった。
だからこそ、だからこそ三人で話し合って、大学は別の大学に行った。
勿論、今までの雰囲気を消して、お互いに、こんなふうに相手に言ったら駄目だとか互いに春休みの間に特訓した。
そして、それぞれの大学に合格して別れるときに、もう夏休みには帰ってこないからお互い会うことは無いよなどと、ふざけて言いあっていたのだが……。
どうしてこうなった。
俺達は結局、向こうで友達も彼女も出来ずに夏休みに地元のファミレスで再会することになった。
「何が悪かったんだろう」
俺がドリンクバーのコーラを飲みながら愚痴る。
髪型だって、オシャレなツーブロックにして少し顎髭を伸ばしてちょい悪風のナイスガイにしたのが悪かったのか?
俺は地元の学生が半分以上を占める地方の元帝国大学に行ったのだが、その学部で地元からあがって来た生徒で地元の友達が多い奴とちょっとした揉め事になった。
そいつは当然、学部にも友達が多かったので、しょうもない事で揉めたら、皆がそいつに味方して面倒くさい事になった。
言いあいになってカッとなって、そいつを押したら押したの押さないの子供みたいな話になったので、先に押した俺が悪いから一発押すか殴ってくれって言ったら、顔面を一発殴られた。
全然たいしたことなかったのだが、いつものやり返す性格が出て無意識にフルスイングで殴り返してしまったので、そいつは鼻血を飛び散らせて倒れてしまった。
まあ、押すんじゃなくて向こうも殴って来たので、学校側に言われなかったのは良かったが、やばい奴と言うのが定着してしまった。
そういう訳で、俺はぼっちになってしまった。
御剣雄二は悲惨だった。
知り合いが誰もいない東京の有名な私立の大学に入ったが、本人も武道が好きだったので、そう言う部門でもそこそこ有名なとこに入ったのがまずかった。
数々の大会で優勝したりしてたので、すぐに誰かばれた。
剣道部の顧問がまた警察関連出身の方で、本人のいろんな噂を知ってて、それを皆に話したので、皆がドン引き。
本人はスポーツ刈りをノーブルにして爽やかなイメージで頑張ったのに台無しになった。
そして、三島由宇。
捌くのに邪魔だとか武道で邪魔だとか髪形をボーイッシュにしてたのをミディアムにして少女っぽくして、これまた東京の有名私大に入ったところ、早速、告白された。
初めての告白で嬉しかったらしい。
そりゃ、そうだ。
地元じゃ対象外扱いだし。
ただ、告白してきた奴がチャラ系なのが悪かった。
いきなり、皆の前で告白と同時に抱きしめて来たんで、反射的に関節技をかけてそいつの肩の関節を外してしまった。
その後、泣き叫ぶチャラ系の彼の肩をごめんねと言いながら、あっさりはめて戻したのも悪かったらしい。
次の日から誰もが姉御と呼ぶようになったようだ。
「酷くない? いきなりとびかかって来たら、反射的に関節技くらいかけるし、外れてたら関節を戻すなんて簡単じゃない」
由宇がテーブルにグダる。
「あーあー、祖父の門下生が部の顧問やってるとか、良く調べりゃよかったよ」
雄二が愚痴った。
「反射的に殴られたら。誰でも殴り返すよね」
俺も同じように愚痴った。
「結局、いつものこの面子じゃない」
由宇が吐き捨てるように呟いた。
そりゃ、俺も同意だよ。
「で、夏休みはバイトでもすんの? 」
雄二が聞いてきた。
「いや、実はキャンプ用品を叔父から貰ったからさ、ソロキャンプに行ってみようかと思ってんだ」
俺が笑った。
テレビとかでいろいろやってるし、まあ、傷心の俺にはちょうど良いかと思ったのだ。
「面白そうだな」
「本当」
雄二と由宇が興味津々だ。
後で言うんじゃ無かったと凄く後悔することになったのだが、かくして、全てが始まった。
最初は一日一本から二本投稿します。
慣れたら、一日三本投稿にする予定です。