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さるお方が四十日以上、毎日6000字も投稿し続けているようです。なんだかんだ書き続けるのって難しいですよね。書くこと自体は楽しいんですが、けっこう大変です。わたしはだいたい3週間くらいもたないかもしれません。そう思うと他の投稿者様の努力って本当にすごいもので、憧れちゃうな、って思うんです。
あ、今回で1は終わりです。次の話では聖都に到着します。
「それでいい。」
鳥は地面に叩き落とされる。衝突間際に、戦斧のような刃が牙を剥いた。小さな人の肉を切り裂き握り潰さんとするその足を少年は翻って躱し、胸元を蹴り飛ばした。隆々とした身体が、いとも簡単に吹き飛んでいく。
コイツは空を飛ぶために、重さ自体は軽いのである。
少年は二歩、山肌に近づくと、一瞬の迷いもなく鳥の翼を刈り取った。
はじめの女性のような声とは全くもって異なった機械を叩き壊すような耳障りな悲鳴が彼の腕を緩めた。
「ん......!!」
蹴爪が少年の身体に伸びる。落ちるように身体を落とした後、彼は消えた。鳥人の渾身の一撃は首筋も、肩口も裂くに至らず、彼は懐に入り込んでいた。
血が舞い、暴れる怪物の上にのしかかり、頭上から大振りに振りかぶった剣を、その胸に突き刺した。
骨を割る音が、スーツケースを破るように聞こえた。
逃れようと鳥人はもがくものの、その胸の上で少年は肉を捌く時さながらに首筋に剣をねじ込んだ。
噴水みたいに血が吹き出して、若干身体を浮かせるように背中を反って痙攣したのち、鳥魔はぴたりと動きを止め、どっと地面に崩れた。少年はゆっくりと刃を抜いた。
彼はそのまま頭を切り払うと、塵を掃いたように死体は消えていった。剣にこびりついた血を、その場で振って落とすと、これも煙みたいになって消えていく。
「よしっ、これで大丈夫か。」
顎の下を濡らす汗を拭きながら、彼ははっきりした声で言った。御者は這い出すように立ち上がり、少年に乗るように促した。
「ごめんなさい。この車壊しちゃって。俺がもう少し早く気づいていれば、こうはさせなかったんだけど。」
「だ、大丈夫ですよ。
あまりにも記憶に残る強い戦いの匂い。かつて徴兵されたときぶりに御者はそれを感じて、何かが這い上がるような感覚を覚えた。
「あんたは......?」
「エイル。エイル・ヴェンスティル。これから聖王軍団長になる男だ。たしか、前金と一緒に書面に書いたはずなんだけど。」
なんとなく皮肉っぽい表情で、エイルは剣を腰に納める。すまなそうに顔をうつむける旅代をきにすることなく、彼は馬車に乗り込んだ。
「まあいいや、早く行こう。宿が取れなくなってしまう。」
「へ、へい!かしこまりました!」
木の輪が、ゆっくりと音をたてて進み出した。規則的に岩場を打つ蹄の音と、金具の高く短い音だけが渓谷にこだました。