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STAR SKY GUARDIANS  作者: 花海
第二章 幽閉心壊都市パチェリシカ 前編~暗夜に煌く雷閃~
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第2章29 死の宣告 残り5日 VS北十字の白鳥 ギルドリーダー 彩花

新年明けましておめでとうございます。

今年はもっと投稿できるように頑張ります!!

抜刀術は基本「受け」が主体となる防御の構えだ。

故に、普段なら相手の動き、武器の動きを鑑みて、それらをしのぎ隙間を縫うように攻撃をしていく。

頭義流にも一部これに該当しない技もあるが、そのほとんどが技の後に連携して出せるように組み合わされたものだ。

だから……目の前の女性のように相手から距離を詰めて、無理矢理相手を間合いの中に入れ、その斬撃の餌食にする無茶苦茶な戦い方に、俺は翻弄されていた。

一撃一撃が、訳の分からないところから飛んでくるが、相手の刀を捌くことはできる。

問題はその刀ではない。

相手が抜刀したと同時に、おそらくだが衝撃波のようなものが放たれている。

そのせいもあって、攻撃に転じることが出来ない。


「なんだ!?何事だ!?」


「アルビレオの彩花と客人での一試合だってよ!」


「あの彩花が!?大人しい彼女をあそこ迄焚きつけるなんて……よほどのことを口にしたんだろう」


外野は今の状況を俺が何かしでかしたからこうなっているんだろうとしか思っていないようで、外野からはさっそくヤジやらなんやらが飛び交っている。

正直、早く彼女を止めてほしい。

キンッ!!と何度も何度も刀同士がぶつかり合い、火花を散らす。

だが、刀を受け止めてもすぐに謎の衝撃波が飛んでくるせいで、受け止めてもすぐに回避に専念しなければならない。

この防戦一方な状況を打開しないと、話すら聞いてもらえない。

活路を見出すためにも……まずは、変化球で仕掛けるっ!!

接近してきたタイミングで刀を抜くと見せかけて、ウォーターボールを唱え目の前で弾けさせる。

相手は咄嗟の出来事に鞘で防御の姿勢を取った。

一瞬だけ、俺が相手の視界から外れる。

その隙を逃すことなく、サマーソルトで相手の刀を思いっきり蹴り上げる。

目論見通り刀を落とすとまでは行かなかったが、大きく相手の姿勢は崩れた。

攻めに転じるのであれば、今、ここしかない!!


「頭義流抜刀術!相状破斬!!」


サマーソルトで体勢の崩れた無防備な相手に、一番効果の高い一撃を叩き込むべく、着地と同時に刀を振りかぶる。

完全に一本取ったと確信していたが……またどこからか飛んできた斬撃に刀を弾かれた。

くそっ!!この斬撃は一体どこから飛んできてるんだよ!?

ここまで原理が読めないとなると、魔法の類ではなく個性だと考えた方がいい。

……だとしたら、余計に対応の仕方がわからないから、どうしようもなくなるんだけどな!!

次の一手をどうするべきか相手の様子を伺っていると、何故か先ほど以上に怒りを露わにしていた。


「……なんだ、その一撃は!!」


「……え?」


「抜刀術と名乗るにふさわしくないその一撃はなんだと言っている!!10年前、貴様が私に見せた剣技には美しさがあった!!なのに今のはなんだ!!刀を力一杯振り下ろすだけの陳腐な一振りは!!」


そう言いながら、相手は刀の柄を握る。

それと同時に斬撃が複数形成され、雨のように降り注ぐ。

無茶苦茶な斬撃を、すんでのところで何度も回避しながら走るしかなかった。

その間考えるのは、相手を諌める言葉とその怒りの起源だった。

なぜこの人は怒っているんだろうか。

発言からして面識があるような感じだけど、俺の方はこの時代に来て限られたら人としか接していないから、この人と接点があるはずがない。

だけど……、似たような事象には遭遇している。

この時代に来る前に、謎の人物から襲撃された時『ラウル』と呼ばれたこと。

もし、そのラウル……、おそらく英雄ラウルのことだろうが、彼が俺と見た目がそっくりなのであれば、この発言にも納得がいく。

だが、その怒りはきちんと本人に向けて発して欲しいものだ。

何度も雨のように降り注ぐ斬撃は止むことを知らず、キレを増している。

何度も肌をかすめ、もう避けようがないほどまでにその斬撃は加速していた。


「……っ!風華!!」


これ以上は避けられないと判断し、神器の風華を呼び出して握っていない左手で掴む。

迫り来る斬撃が突如として遅くなり、ゆっくりとした時の中、攻めるためのルートを構築する。

だが、目に見える範囲で高密度の斬撃が押し寄せてきているということもあり、簡単に近寄ることができなくなっていた。

ただでさえ、風華の力には一度で避けれる上限が設けられている。

それに加えて、水蓮は呼び出すことができない状況だ。

……どうする!?

この状況を打開するには、手札があまりにも足りない。

斬撃を弾くことができるとはいえ、無数の斬撃を凌ぎ切れるかといえば、なんとも言い難い。

だが、それでもいくしかない。

比較的斬撃が集中していない道をなんとか見つけ出し、風華で回避することができる数回で、斬撃の位置を覚えながら走り出す。

斬撃を3回ほど避けたところで、ゆっくりと流れていた時が普段通りの速さで流れ始め、それに伴って斬撃も加速していく。

降り注ぐ斬撃は雨のように降り注ぎ、記憶していただけの斬撃もすでに意味を無くしてしまった。

……今だけでいい。

この一瞬、この意味のない戦いを終わらせるために、相手に近づくための力が欲しい。

願う、願う。

今この瞬間、勝つことではなく、近づくことにのみ集中する。

そうしたら、風華の力が働いていないにも関わらず、斬撃がどう飛んでくるのか見えるようになった。

代わりに、信じられないほどの痛みが眼球を襲った。


「……っ!!」


痛みのあまり、足が止まりかける。

だが、止まれば無数の斬撃が降り注ぐことを考えると、痛みの中でも足は自然と前に出ていた。

ただ、前へ。

斬撃を放つ、相手の場所へ。

相手は驚愕の表情を見せるも、間合に入ったら斬り捨てると言わんばかりに殺気をはなっている。

だが、さっきよりも怖くなかった。

相手がどれだけの一撃を用意してようとも、次の一撃は避けられると、そんな理由のない確信があった。

だから、全ての斬撃を回避しきって、躊躇いなく相手の間合へ足を踏み入れた。

首へ鋭い一太刀が迫る。

だが、この一太刀の軌道も見えている。


「頭義流抜刀術!剛破斬!!」


風華を収納すると同時に、刀を構え鞘で斬撃を受け止めたあと、体の勢いを殺すことなく納刀されていた刀を引き抜き、その胴体をめがけて一太刀を叩き込んだ。

そこで、眼球の痛みがピークに達した。

体の勢いを殺し切ることができないまま、地面を転がり痛みで顔を抑える。

その痛みは引くことを知らず、体が危険信号を発するがままに……俺の意識は途絶えた。

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