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STAR SKY GUARDIANS  作者: 花海
第二章 幽閉心壊都市パチェリシカ 前編~暗夜に煌く雷閃~
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第二章24 死の宣告 残り5日 森を駆け抜けて 

お待たせしました!

作者が忙しく更新がまちまちですが、必ず続けていきますので、今後ともよろしくお願いします!

「少しずつ距離が詰めれてるっピ!このまま走るっピよ!!」


「そう簡単に!言ってくれるけどなぁ!後ろの状況見てから!言ってくれないか!!」


セリナが何者かにさらわれ、その背中を追う最中大量の魔物と接触し、追い回される始末。

中にはキマイラもいるから、距離を詰められてしまうと太刀打ちしようがない。

それに体力も昨日の今日であまり回復したわけではない。

長い時間逃げ続けるのは不可能だ。

であるならば。


「ペピー!セリナまでの距離はあとどれくらいだ!?」


「もうすぐっピよ!!」


「分かった!なら……この魔物たちを利用するぞ!!」





この森の事だ。

彼からは、ある程度距離も取れただろう。

もしくは、魔物の養分として……。

……いや、それはない。

フリーテでの豪運を目の前で見ていたのだ。

この程度で彼がくたばるとは到底思えない。


「リオンさん。念のために索敵をお願いできますか?」


何かがあってからでは遅い。

連れ人に、索敵を行うように指示を出した。


「……嫌だといたら?」


だが、連れ人は私の指示が聞きたくないようだ。

ならば、こちらのやり方で指示に従ってもらうしかない。


「ルミさんやルナさんの身の安全の保障が出来なくなります」


「裁定者と名乗る割に、あなた達は自分勝手なルールを敷くんですね」


「何事もそうですが、勝者こそが正義です。私達は常に勝者であった。ただ、それだけです。従わないのであれば、私はここであなたを殺します。それが行方不明のルルさんやルミさん方が望まれる選択肢かどうか……。貴方なら、理解できると思いますが」


「……ちっ」


連れ人は小さく舌打ちし、従える犬型の召喚獣を呼び出す。

普段なら召喚したばかりは連れ人に甘えるようにすり寄っていた召喚獣だが、今回は違った。

私たちが先ほど抜けて来たばかりのけもの道に向けて、警戒心をむき出しにしながら小さく唸る。

何かがあることは明確だった。


「警戒態勢を厳に。現状把握と敵対反応を確認してください。確認次第、即刻排除を」


「簡単に言ってくれる!!」


連れ人は背負っていた大弓を構え、弓を引く。

引いた矢は次第に赤赤しく光り輝き、周囲の景色がゆがんでしまうほど熱を発していた。


「前方より生命反応確認。数……800」


敵個体数を発言すると同時に、連れ人は矢を放っていた。

その矢は信じられないほどの熱を持ち、赤い流星のように来た道と森を焼き尽くす。

話には聞いていたが、連れ人の実力が間違いないことだけは確かなようだ。

性格に難ありなところは眼を瞑ろう。

私も人のことは言えないのだから。


「流石……第5席直属の部隊長であっただけはありますね」


「そんなこと言ってる場合じゃない!1人取り逃がした!」


弓を引いた直後で動けない連れ人が、声で私に警告する。

そして、予想通りというべきか。

彼は……洋一は、見事私たちに追いついて見せた。





正面から訳のわからない速度で炎が迫ってきたときはヒヤリとしたが、何とか空中に回避したことで危機は脱することができた。

だが、何も考えていない上での空中ジャンプのせいで隙をさらしてしまっている。

早く着地するためにも、そして何よりもセリナを救い出すためにも。

出し惜しみをしている場合ではない!!


「風華!!水連!!」


神器を呼び出すために、彼女たちの名を呼ぶ。

しかし、俺の目の前に現れたのは風華だけだった。


「なっ!?」


何で!?と心の叫びが出かけた時に、昨日のセリナの言葉を思い出した。

『私の倍加魔法には反動があって、次に同じ魔法を使用すると威力が半減します』

倍加魔法をかけられたのは1回。

たが、その後ノマスさんとの戦いで無理に呼び出したこともある。

呼び出すのは、難しいか……!!


「風華!!着地もろもろ任せた!!ペピー!!しっかり掴まれよ!!」


「呼び出したと思ったら、無茶苦茶いうんじゃないわよ!!このくそ主!!」


悪態をつきながらも風華は風の刃を周囲にばらまき、安全に着地できるよう計らってくれた。

なんだかんだ言いながら仕事はこなしてくれるので、案外根はいい奴なのかもしれない。

相手の攻撃を受けることなく無事に着地した俺は、改めて敵と相対した。

太陽もすでに昇り、暗くてよく分からなかった相手の姿もはっきりと認識できる。

敵2人の胸元には天秤のようなマークがあり、天秤の片側には骸骨の頭がのって傾いていた。

……どこかで似たようなマークを見た気がする。


「ここまで追ってくるなんて、命知らずですね」


セリナを腋で抱える相手は静かに、それでいて緊張を緩めることなく足先を外側へ向ける。

相手としても、戦闘は出来るだけ避けたいらしい。

ならしかけてくるのであれば!!

背後から迫りくる殺気。

背中から首筋を噛み砕かんと大きく口を開いた犬型の魔物がすぐそばまで迫っていた。

その背後では、もう1人のフードを被った相手が大弓を引いていつでも打てるように構えている。

普通ならば両方とも対処するのは難しいだろう。

だが、今は風華の力を借りることが出来ている。

魔物がまさに嚙みつこうとしたその瞬間に、世界の時間の流れが信じられないほどに遅くなる。

ゆっくり、ゆっくりと近づくその牙をから距離を取り、矢を躱せる位置まで横に飛ぶと、世界が再び動き出した。

魔物の牙と矢は空を切り、瞬時にして視界から消えた俺に対応出来ず、面食らっている。

これを好機と見るや、姿勢を正してすぐさま魔物の胴を叩き切る。

キャンと高い声を上げて、魔物はその場に崩れ落ちた。


「クーシー!」


魔物をそう呼んだのは、弓を構えていたフードを被っていた人物。

聞き慣れない魔物の名前だが、あの反応からして恐らく弓使いの召喚獣なのだろう。

魔物へ攻撃されたことを境に、矢での攻撃に鋭さが増す。

距離を詰めようにも、ある一定の距離から近づくのが難しくなる。

他にも種があると考えた方がいい。

となると……もう1人が何かしているんだろう。

こちらの目標はセリナの奪還だけだ。

できるだけ戦闘は避けていきたい。

かと言って、セリナに手が届くかと言われればそうでは無い。

セリナが目覚めてくれたり、相手方に隙が生まれる何かが起こればいいんだが……。

魔物を使っての誘導はもうできないだろう。

逃げる隙を与えず、かつ切り込むには……。

相手が戦闘中に取らないと思う行動を取ればいい。

懐からノマスさんから渡された荷物の中のクオーツをひとつ掴み、セリナを抱えている何者かに投げつける。

予想通りそのクオーツは相手にたどり着くことなく目の前で突然止まり、地面に落ちた。

その瞬間、クオーツから光が漏れだし、視界を白で埋め尽くす。

そうして相手の動きが鈍ったと供に、セリナへと手を伸ばしその手を掴むと、相手を蹴飛ばしながらセリナを奪還した。


「セリナ!無事か!?」


抱えたセリナの背中を叩く。

すると、ん……と小さく唸った。


「……?あれ?ここどこ?」


「セリナ!話は後だ!!身構えろ!!」


抱えていたセリナを、寝起きのながらに無理やり立たせる。

セリナはわっとっと、と足元をふらつかせながらも何とか両足で踏ん張り前を見据え、クーと呼ばれている魔物を呼び出したものの、まだ状況を理解出来ていないようで、混乱していた。

その間、ペピーはセリナの頭の上に移り直し、セリナの頭にしがみついていた。

何してるんだこいつは。


「これはどういう状況なんですか!?」


「こっちが聞きたい!!」


既に視界が開けたのか、煌めきのクオーツで動きを止めていた何者かは、目にも止まらぬ早さでこちらに接近してきている。

戦闘は避けられないだろう。

接触まで残り僅か。

何とか迎え討つしかない。


「とにかく凌ぐぞ!」


風華を構え直し、迫り来る拳を俺は剣で受け止めた。

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