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STAR SKY GUARDIANS  作者: 花海
第二章 幽閉心壊都市パチェリシカ 前編~暗夜に煌く雷閃~
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第二章9 旅路での出会い

お待たせしました!!

そして、1万PV達成しました!!

プロトの方は達成まで3年かかったのに対し、こちらは1年での達成となり作者としても喜ばしい限りです。

今後とも頑張って書いて行こうと思いますのでよろしくお願いします。

さらに、1万PV突破を記念して、SSG外伝短編”自殺”を投稿しようと思っております。

楽しみに待っていただければと、そしてそのご期待に沿えるよう頑張ります!!

何はともあれ今後ともよろしくです!!

そうしてなんやかんやあり、昨日今日と心身ともにストレスがたまっている中、それでも動かなければどうにもならないという事で話がまとまり、葵とリナちゃんを馬鹿面鳥に乗せ、俺と春香が牽引する形でパチェリシカへと向かうことになった。

向かうことになったのは良いのだが……、正直道が分からない。

ノードラーを抜けてまっすぐ走ってきたと信じたいけれども、周囲はどこを見回しても草原が広がるばかり。

所々に木々はあれども、森に続いているようなものでもなければ、人の生活痕のようなものも見当たらない。

こんなことになるのであれば、せめてあの時友恵にどの方角に行けばよいのかを尋ねればよかった。

だが過ぎ去ったことを今更後悔してももう遅い。

方角を把握するなら、夜になるまで待たなくてはならないし、そんなことで足止めを喰らっているようならそれこそ本当に何があるか分からない。

とりあえず来た道を戻らないように気を付けて進んで行くしかない。

そうして気を張りながら進んで行っていたのだが………………。


「バーーーーカ!バーーーーカ!バーーーーカ!」


「………………」


「バーーーーカ!バーーーーカ!バーーーーカ!」


「………………」


「バーーーーカ!バーーーーカ!バーーーーカ!」


「………………ぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!!!うるさい!!」


馬鹿面鳥の鳴き声、昨日から聞いているけれど人の感情を逆なでするような間抜けでどこか気が抜けており、それでいて腹が立つような声。

ただでさえ気が立っている中でのこれは……まぁ、うん。

苛立つよねぇ。


「なによっ!さっきからっ!バカバカバカバカバカ!!うるさいのよこの馬鹿鳥!!」


春香が馬鹿面鳥の手綱を引っ張り、その顔にこぶしを決めようとする。

だが、獣とてそう馬鹿ではない。

一度春香に殴られそうになっていることからも警戒はしているだろう。

だからまぁ、背中に乗ってる葵たちの方にも衝撃はいくかもしれないが、暴れて逃げようとするんじゃないかな。

そんなことを考えながらポケーッとその光景を眺めていると……、


「グエッ!」


突然手綱を引っ張られた馬鹿面鳥。

引っ張られた時に息でも詰まったのかと言わんばかりの声を吐き出しながら、馬鹿面鳥の頭が運の悪いことに春香の頭に一直線に落ちていく。

そして、春香の握りしめていた拳が馬鹿面鳥の頭に直撃する前に、馬鹿面鳥の頭、もといくちばしが春香の頭上に刺さった。


「うわ……」


口から出たのは驚愕ではなく、憐れみと悲しみの言葉。

自分の苛立ちが招いた、自業自得としか言いようのない惨劇。

怒りに身を任せて引っ張ったせいもあり、勢いよくくちばしが頭に直撃した春香は


「キュー…………」


ポテッ。

…………そのまま意識を失って地面に背中から倒れた。


「……クエッ?」


何が起きたのかよくわかっていない馬鹿面鳥は、不思議そうな声をあげながら再び頭をあげる。

そして目の前に手綱を握った春香があおむけに倒れているのを見て……


「バアアアアアアアアアアアアアアアアカ!!!!」


まるで春香をあざ笑うかのような大きな鳴き声が、あたり一面に響き渡った。



そうして倒れてしまった春香が起き上がることなく、夜が訪れてしまった。

あの後、春香の頭にできたこぶを簡単に治療して馬鹿面鳥に運んでもらおうとしたが、重量オーバーなのか、それとも春香の事が嫌いだから動いてくれないのか。

どちらなのかはわからないけれど、春香をのせようとして膝を曲げてもらったらそこから起き上がらなくなってしまった。

こうなってしまってはどうしようもなかったのでとりあえず春香を背負い、魔物が現れても対処できるような位置まで何とか移動したところで日が暮れて、焚火を焚きながら夜食を食べ、見張り当番として現在に至る。



……昨日の今日で、こんなにも気が抜けたようなことばかり起こると、ドールナーでの出来事が嘘のように思えてきてしまう。

だが、実際にこれと言って何か異常な出来事が起こったりはしていない。

魔物との戦闘も多少なり強いと感じはしたが、生態系バランスが崩れるような、生命として破綻しているような魔物と遭遇することもなく、夜さんに似た謎の人物が追ってくることもなく、ただここはにありふれた旅だけがある。

ここまで忙しかったことに対するご褒美なのか。

はたまた…………。

これから起こりうる何かに備えるための静寂なのか。

後者は考え過ぎと言えば考え過ぎだが、この世界何があってもおかしくはない。

現に理解できない事ばかりが目の前で繰り広げられている。

手元にあるものを何とか守るのだけで精いっぱいだ。

……とてもじゃないが、魔女の森のお婆さんが言っていた”時空を超えし者”のような、そんなたいそう重要な役割を背負えるような力量も知識もない。


「はぁ…………」


先の見えない行動をとることになるのは四島の時以来だ。

あの時はまだ指針を指してくれる大人がいたからこそ、行動出来た。

だが今は違う。

友恵のように、それぞれが選択し道を切り開いていかなければならない。

ただまっすぐに歩く。

そんな簡単なことが、今の俺には難しい。


「はぁ…………」


考えれば考えるほどため息が止まらない。

誰かに相談したいところではあるが、葵はリナちゃんと共にすでに仮眠をとっているので、起こすわけにはいかない。

春香は春香で変わらず気を失ったまま。

春香に至っては仮に起きたとしても、寝起きは機嫌が悪いので正直なところ起こしたくない。

静かにしておくというのが一番なのだ。

だから………………


「…………静かに過ぎ去ってくれれば、何も文句はなかったんだけど…………」


膝元に置いていた刀の鞘を握り立ち上がる。

近くから聞こえるいくつかの足音とささやき声。

人であるのは間違いないだろうが、山賊の類だったらたちが悪すぎる。

魔力探知をしてもいいが、想像を超える人数に囲まれていた場合魔力の回復が出来ていない現状も踏まえ、少しでも魔力の消費を抑えて置かなければ、後々魔力切れを起こして動けなくなる。

そう言った事態だけは避けたい。

葵を起こし移動する準備を整えるのがこの場の最善だと俺は判断し、横になっている葵に声を掛けようとする。

が、先にアクションを起こしたのは近寄ってきた足音だった。

すぐに柄を握りしめ刀を抜刀しようと構える。

寄ってきたのは4人の人影。

夜で顔こそよく見えないものの、武装している事だけは確認できた。

さぁ、どうでる。

そう相手の動きを窺っていると、


「……すみません。食料を…………分けてください……」


力尽きるような形で、焚火の近くに4人組全員が倒れこんだ。


「…………えぇ…………」


張り詰めていた緊張の糸がプッツンと切れる。

俺の今までの緊張を返せと声を大にして叫びたいくらいだ。

……とりあえず、どうしよう、この人達。

そんなことを考えながら、目の前に倒れこんだ4人組の介抱を始めるのであった。

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