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STAR SKY GUARDIANS  作者: 花海
第一章 残酷な世界 その世界へ一歩を踏み出して
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第一章34 フリーテ編 VSハルトマン

大変お待たせしましたああああああ!!!

どんな行動をしてくるのかわからない相手だが、かといって様子を見ながら戦っている暇などない。


「水連!さっきの蒼色の布は後何回だせる!?」


「一回ね。それ以上は私が持たないわ」


…なら尚更、短期決戦で挑まなければいけない。

とりあえず回避は風華に頼りながら突っ込むほかない。

あれほどの斬撃だ。それ相応の魔力や時間が必要だろう。

だからもう一度、あの一撃を打たれる前に攻め落とす。

地面を蹴り相手との距離を一気に詰め、真っ二つに斬られた死体を超え左手に持った風華で斬りかかる。

初撃はいともたやすく防がれたがそのまま止まるほど俺も馬鹿ではない。

すぐに相手の剣を軸にして、今度は時計回りに回りながら水連で横から斬りかかった。

だがそれでも、そう来るのが分かっていたとでもいうように相手は俺が軸にしている風華を弾き、水連をもはじき返した。

軸にしていた風華が弾かれバランスが崩れたところに水連をも弾かれて、右腕が頭より上に上がり肩に激痛が走る。

痛みで歪みそうになる顔を歯を食いしばって踏ん張り、すぐに右腕を下の方へ下ろす。幸い肩が動かなくなるほどのダメージではないようで、まだ動かすことは出来そうだ。

でもしびれるような痛みが肩に残ってしまった。繊細な動きは右腕では出来ないだろう。

初手でここまでやられたことは大きな痛手だが、まだやれることはたくさんある。

まずは出来ること、小さなことでも積み重ねて必ず目の前の人を止めて見せる。

一呼吸を置いてすぐに相手へ向かって走り出す。

初めの一撃から見るにおそらく相手はそれ相応の戦場をくぐっていると思う。

それを知っているからなのかは知らないが、リナが目の前の父親を庇う気持ちはそれを知らない人たちにも知ってほしいという願いがあるんじゃないだろうか。

なら……娘がこんなにも父親の事を思っているのに、どうしてここまで堕落できるんだ?

この人に何があったんだ?

剣と剣が再び激しくぶつかり合い火花が散る。

水連、風華そのどちらともを左下から振りかぶったこともあってか、相手の動きが一瞬だけ止まった。

剣越しに相手と顔が接近する。

その瞳には何も感情がなかった。まるで人形のように、それはかつて対峙した鬼のように、そしてあの時斬り殺すしかなかった恩師の目のようにうつろだった。

その時だった。


「……た……す……」


相手が呻くように、それでいて今まで発した言葉の中でも一番感情がこもった声が俺の耳に届いた。

声とその目を聞いて、かつての四島での嫌な記憶がフラッシュバックし力が一瞬だけ緩んだ。

その隙をつくように、俺の神器を2本とも相手は俺の手から弾き落とした。

神器を2本とも手からはがされ、俺は力に圧されて尻餅をついた。

そんな姿勢の崩れた俺の首元に、相手の剣が当てられる。

下から見上げた相手の顔は、空虚そのものだった。

周囲の人々を覆っていた蒼いベールが消える。

神器を現界させるための魔力を全て使い切ってしまったらしい。

神器が魔力消耗が激しいということを改めて思い知る。

敵を知る以前に自分を知れていなかったことを悔やみながらも、まだ何かできないか頭で考えていた。

ギアで飛び回るべきか?いや、それをすれば後ろにいる葵たちに被害がいく。

魔法はおそらく今はまともには使えないだろう。

刀で戦うか?いや、この体勢からでは先に殺される。

何かないかと考えれば考えるほど、現状を打破するための一手は見つからなかった。


……詰み……


その言葉が頭をよぎりかけた時だった。


「そこまでですよ。ハルトマン」


負の感情のたまり場となりかけていたこの場所で、とても落ち着いた男性の声が響く。

発せられた声のする方へ視線が集中する。

そこには背丈が高くヒョロヒョロとしてはいるが、しっかりとした服装を見にまとい背後には数人の兵士を連れた男性が立っていた。

その男性はまだ剣を抜いているハルトマンにゆっくりと近づくと、優しい声で


「…その剣をしまいなさい。ハルトマン」


微笑みを浮かべながらそう言い放つと、先程まで暴れていた人間とは思えないほど急に大人しくなり、俺の首元に当てていた剣を鞘にしまった。


「…そうです。それでよいのです。…すまないね少年。これを止めようとしてくれたんだろう?」


いともたやすく場を沈めてしまった男性は、変わらず優しい口調で俺に話しかけながら俺に手を差し伸べた。

この人が来てくれて助かった……そういった安堵感から、俺も手を伸ばしてその手を取ろうとする。

だがその手を俺が掴むことはなかった。


「ごめんなさい。……この人私のなんです」


俺の手を奪うように腕をつかんできたのは、俺たちの先を進んでいたサーシャだった。

ジャルが探しに行ったはずだが、騒ぎを聞きつけて一人だけ戻ってきたのだろうか。

いやそれにしてもまずこの発言と行動はなんだ!?

先程までの空気から一変して周りの視線が嫌に刺さるんだが!?


「……これはこれは……」


突然横から出てきたサーシャに、目の前の男性は驚いた視線を向けると俺の方に伸ばしていた手を引っ込めて「失礼、お嬢さん」と穏やかな視線を向けながら、変わらず落ち着いた声のままサーシャに対応していた。


「お、おい、サーシャ、この対応は……」


サーシャの対応があまりにもこの人に対して失礼だったので、何とかして腕を取っ払い何かしら文句でも言ってやろうかと思ってサーシャの抱き着きから逃れようと力を入れてみたが、サーシャは俺の腕を離そうとはしなかった。

それどころか、なぜか顔色が悪かった。


「……サーシャ?」


そんな体調の優れなさそうなサーシャを見てなのかそれはよくわからないが


「……乙女の恋路を邪魔してはいけませんね。それに……体調も悪そうだ。我々は身を引くとしましょう」


その男性はサッと左手をあげると、その男性の後ろにいた兵士たちがすぐにハルトマンを捕らえるような形で連行していった。

そして残った何人かの兵士がすぐにその男性の元まで近寄ると、男性は先に連れていかれたハルトマンを追うようにその場を後にしようとした。


「ま、待って!!」


それに待ったをかけたのは気を失ったリナを抱えた葵だった。


「この子、さっき連れていかれた人の子供みたいなの!この子も一緒に……」


「……戦いに”足枷”はいらない。”駒”として動く兵士に……そんな感情は必要はない……そうは思いませんか?」


葵の言葉を遮るような形で発せられたその言葉は、あまりにもおかしくて、無茶苦茶なものだった。

それなのに、その男性の顔色は何も変わっていなかった。

先程と変わらず、穏やかな笑顔で、優しい口調で、変わらずそこに立っていた。


「……何か思うことがあるのなら貴女方が世話をすればいい。……私は……”出来損ない”はいらないですからねぇ……」


その言葉だけを残し、その男性は兵士たちと共にその場を後にした。

その後を追う気になれなかった。

子どもを置いていくなんてありえない、そう言えるはずだ。

それなのに、あの男性の変わらぬ空気。それがあまりにも奇妙で気持ち悪かった。

傍には顔が青ざめたまま震えるサーシャ、後ろにはリナを抱えたまま唖然とする葵。

そして……


「騒ぎを聞きつけて来てみれば……”これ”は何かなぁ…?ひろ……?」


いつの間に来ていたのか怒りを通り越した笑みでこちらを凝視する春香が、拳を握りしめて迫ってきていた。

そして俺はそのまま何の弁明もすることが出来ないまま、春香から顔面に強烈な一撃をもらうことになった。

Qキャラクターを作る時に参考にしているものは?

A音楽

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