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STAR SKY GUARDIANS  作者: 花海
第一章 残酷な世界 その世界へ一歩を踏み出して
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第一章26 フリーテ編 キーちゃん救出作戦

お待たせしました。戦闘シーンは書く時間がなさそうだったので次回に書きます

「ここがひろが教えてもらった路地裏ね」


そこは人通りもかなり多く混雑している大通りのうちの一つだった。普通ならこの路地裏に人が入っていくことなんて気が付かないだろうし、そもそも目にもつかないだろう。だからこそ、道を教えてくれたあの子たちは怪しい。何かを握っている可能性は十二分にあるだろう。


「早く行きましょう」


「友恵、急いでも今の状況は変わらないわよ」


「でも……」


「まずは落ち着きなさい。大丈夫だから」


友恵はキーちゃんがいなくなったことから今にも1人で突っ込んでいきそうなほど焦っていて、落ち着きがなかった。それを、春香が少し厳しく、それでいて優しい声で諭していた。


「それでどうするの?むやみやたらに探してる時間なんてないわよ」


「……問題はそこなんだよな」


よく知っている人間であれば、その人がどんな魔力を帯びているのか覚えているから、その魔力を追跡することが出来る。だが、俺や葵はキーちゃんとはあまりにも接点がなさすぎる。あの時起こされた以来会っていないから、どんな魔力を帯びていたかも覚えていない。なら、頼れるのは春香か友恵だが……この感じだと、2人とも無理だろうな。現に春香が俺を頼ってきたということがそう言う事なんだろう。

春香は魔法をうまくコントロールすることが出来ない。だから、俺や葵みたいに相手の気配を探るなんてこともできない。それは、俺たちと離れている間に成長しても変わらなかったみたいだ。

でもどうする?実際、キーちゃんを探す手立ては何もない。あるのはこの裏路地に入っていったという情報だけ。何か手掛かりになるようなことはないだろうか。何か……。

その時、路地裏の奥の方で何かしらの物音がかすかに聞こえた。その音に全員が反応して音のした方へと視線を移した。そこには、先程俺に情報を教えてくれた少女が立っていた。そしてこちらの存在に気が付くと、走って奥の方へと消えてしまった。


「追うぞ!!」


「あの子が情報教えてくれた子!?」


「そうだ!!」


俺のその声と共に、全員がその少女の後を追って走り出した。だが裏路地ということもあって道は狭く、ところどころ物が散乱していて、何度もこけそうになった。そのため、簡単にその少女の追いつくことはできなかった。そして最後にはその少女を見失ってしまった。息が切れるほど全員で走って少女を見失った場所、それは住宅が密集するこの街では珍しい裏路地にできた小さなスペースだった。

だがそこにいたのは少女ではなく、フードをかぶった何者かと、気を失ったキーちゃんだった。

フードをかぶった何者かは足音で気が付いていたのか、俺たちがその空間に入るころにはこちらの方を向き、武器を構えていた。


「だ、誰だ!!」


俺たちが入ってきて間もなく、フードをかぶった何者かは俺たちに向かって叫んだ。その声はなぜかひどくおびえていた。


「……あんたがキーを……」


怒りのこもった声で友恵がつぶやく。そんな今にも動き出しそうな友恵を、春香が何とか抑え込んでいた。そんな中、おびえ続ける相手は体を震わせながら口を開いた。


「違う!!俺は違う!!俺は何も知らない!!ただ頼まれただけだ!!こうすれば俺は殺さないって!!俺だけは殺さないでやるって言われたんだ!!」


……!?頼まれた!?


「死にたくない!!死にたくない!!だから……どっか行けよおおおおおお!!!!!!!!!」


フードをかぶった何者かがそう吠えたと同時に目の前に大きな魔法陣が展開された。慌てて全員が距離を取る。そこから出現したのは……

獣の頭を持ち、頭とは不釣り合いな色の身体を持ち、その尾はまるでもう一つの意思を持つかのように顔を持ち動いていた。


「キマイラ!?」


サーシャがその魔物を見て真っ先に反応した。そしておそらくこの反応、嫌な予感しかしない。それにキマイラと言えば、おとぎ話に出てくるような化物じゃ……。


「殺せ!殺してしまえ!!死んでしまえ!!俺が!!俺さえ生き残れればいいんだ!!」


化物を呼び出したフードを被った人物は、いまだ訳の分からないことを叫んでいた。

死にたくないとはどういうことなのか、俺たちを突然殺そうとする理由は何なのか。こいつに聞きたいことはたくさんある。それに俺たちをここまで導いた少女が何者なのかも知りたい。だけど……。

刀を構える。敵をまっすぐ見据える。

…………やれるべきことからやろう。

まずはこの状況を打破する。


「サーシャ!!情報知ってるならサポートよろしく!!俺は前に突っ込む!!葵!援護!!」


刀を納刀した状態で前に走りだす。サーシャが何か言っていたようにも聞こえたが俺に耳では何と言ったのかよく聞き取れなかった。危険な魔物であるということは百も承知。だがここで抑えなければそれ以上に被害が広がっていってしまう。それだけは止めなくてもいけない。仮にも、軍人としての責務を負っていたものとして。

此処だけは何としてもしのぎ切らなければならない。そして、キーちゃんを救出しなければならない。

魔物は図体がでかいせいもあって、呼び出されたこの裏路地のスペースではうまく身動きが取れないでいるようだった。だがあの体の大きさだ。いつ建物が壊されてもおかしくはない。その前に何とか倒してみせる。

魔物の足元まで踏み込むと同時に刀を抜き放ち、走ってくるまでに納刀していた刀にためていた力を放出する。頭義流抜刀術基礎の型にして一撃必殺の刃。一の型、状相破斬。ここ一週間銀狼に鍛えてもらったこともあって、その鋭さは何倍にも膨れ上がっていた。鋭くその足を狙って斬りつけた斬撃は肉を簡単に切り裂いた。すれ違いざまの一瞬の出来事に魔物も混乱を隠せないようで半分切れてしまった前片足をばたつかせながらこちらの方に襲い掛かってきた。そこにすかさず葵の光魔法と、サーシャのクオーツが投げ込まれる。魔法攻撃と爆発により動きが怯んだうちに俺は魔物から一度距離を取った。今の俺たちの実力で倒せない相手ではない。それが分かっただけでも大きな収穫だ。だが戻って早々サーシャと春香にぶん殴られた。


「馬鹿なんですか!?アホなんですか!?死にたいんですか!?」


「あんたよく何も考えずに突っ込んで行けるわよね」


春香にだけは言われたくないと思いながらも、勝手に突っ込んだことに対して謝罪した。その態度に不服そうな表情をサーシャはしていたが、今はそれどころではないのでそれ以上は何も言ってこなかったが目の前の魔物の危険性についてはおさえることが出来なかったのか、早口で


「いいですか?キマイラっていうのは、この大陸よりも北にある大陸にある死の森にしか生息していない凶悪な魔物なんです!しかも、死の森は入ったら出れないと言われている人の寄り付かない森!だから、キマイラの情報はほとんどないんです!もっと慎重に行動してください!!」


「まぁとにかく情報が何もないんだな」


「そうです!さっきからそう言ってるじゃないですか!!」


「なら尚更!突っ込んで情報集めるぞ!春香!行くぞ!」


「ちょっと!指図しないでくれる!?あんたに言われなくても行くわよ!友恵!一緒に行くわよ!」


「はい!」


「ちょっと!?話聞いてたの!?」


俺がサーシャの静止の言葉も聞かずに前に出ると、俺の後から春香と友恵が続いた。


「あぁ!!もぅ!!どうしてあいつは出会った時から話を聞かないんですか!!」


「あはは…心労お察しするよサーシャさん」


「あなたもです!葵!旧知の中なら尚更何か言ってくださいよ!!」


「まぁそう怒るよりは、ひろ君をサポートしたほうが手っ取り早いんだよ。無茶苦茶な作戦を立てるけど、必ず成功させるのがひろ君だから。…私はそれをわかりやすい形にして皆に伝達するだけ。だから、サーシャさん。ジャルさん。…お願いできますか?」


「……あの馬鹿に協力しろって事!?」


「はい!だって……やれることはやったほうが良いじゃないですか!!」


そうして、葵は先行して戦っている洋一たちを見ながら自身も武器を構えた。


「それじゃぁいきます!!」


「…っ!あぁもう!馬鹿ばっかりじゃない!!ほら!アンポンタン!あんたもやるわよ!!」


「えっ!?ぼ、僕もですか!!?」


「当たり前でしょ!ほら!くるわよ!!」

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