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STAR SKY GUARDIANS  作者: 花海
第一章 残酷な世界 その世界へ一歩を踏み出して
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第一章9 再会 (添削済み)

初め、そのおばあさんがどういった意味で何についての事を言ったのか。

それが全く理解できなかった。

だがすぐに、それが風華と水連のことをさしているのだとわかった。


「もしかして、この黒い剣のことですか?」


風華と水連を呼び出し、その姿をおばあさんにも見えるように提示する。

そんな風華と水連を見て、今にも崩れてしまいそうな足で剣に近づきまじまじと眺めると……。


「……どうやら、偽物ではないようじゃの」


そう言って、その足で先程まで座っていた椅子へ戻り、よっこらせと言いながら椅子を腰に下ろした。

……俺がそちらの方へ行けばお婆さんの負担を減らせたのでは?

自身の行動を反省しながら、改めて風華と水連に目をやった。


「これが神器って……」


神器。

それは、伝説にも出てくるようなもので、世界のバランスが傾いた時に人の前に現れ、そのバランスを整えようとするもの。

その絶対的な力に、多くのものが恐れ、信仰したという。

……この2つの剣が、そんな武器だというのだ。

正直実感がわかない。

というか、無いとすら思っている。

仮にも剣を使っている俺を蔑み、ののしってくるような奴らだぞ?

……ないない。

だが、確かに風華と水連が武器を護っていたし、事実試練的なものも受けさせられた。

本当はそう言った伝説上に出てくる凄いものなのかもしれない。

……知らんけど。


「やっぱりね。……私の目に狂いはなかった」


ほえーと俺が改めて風華と水連を眺めながら考えこんでいると、おばあさんの近くにいるサーシャが俺に向かって少し安堵したような、それでいてようやく見つけたと言わんばかりに強いまなざしを向けていた。


「……この武器が何なのか気づいていたのか?」


「そうじゃないかしらってくらいね。だから、神器を実際に見たことのある人に見てもらった方が真偽の判別は性格だと思ったわけ」


「んで、この場所へ寄ったって事か……」


「そういうこと。ただ、霧が出ているのだけは予想外だったけど」


だからあの時、場所が把握できていなくてジャルに場所を尋ねていたのか。

……あれ?そう言えば……。

風華と水連のことで話が進んでいたが改めて周囲を見渡した時、そこにジャルの姿がないことに気が付いた。

さっきまで俺と一緒に居たはずなんだけど……。

まさか、ここに来る前にはぐれた?

記憶ではここに来る前まで一緒に行動していたような気がするんだが……。


「なに?荷物持ちの心配をしてるの?あいつなら貴方を案内してきた人がそのまま別室に案内してたわよ」


辺りをきょろきょろと見渡していることもあってか、サーシャは俺が何を考えているのかすぐに分かったようで、俺が欲していた答えを口にしてくれた。

なら少なくとも、この場所のどこかにはいるみたいだ。

……よかった。

気が付かないうちに、どこかではぐれてしまったのかと思った。

心の中で安堵しながら、改めて神器の話へと話題を戻す。


「それで……この神器についてなんですけど……」


だが神器の話題に戻ったところで、サーシャが思わぬ行動に出た。


「ん、その話をするのなら私は一度席を外れたほうが良いわね」


なんとそう言い残すとサーシャは部屋から出ていってしまったのだ。

なんで!?

なんで知らない場所、知らない人の前で一人にするの!?

やめてよ!!会話が続かなくなるだろ!!

だが、そんな心の声は届く事無く、サーシャは部屋の扉を閉じてどこかへ行ってしまった。


「……まぁ、座りなさい」


そう言ってお婆さんは指を鳴らすと、どこからともなくテーブルと椅子が現れた。

空間転移!?

俺たちの時代ではすでに失われた魔術だ。

それが使えるというのだから、おそらく凄い魔術師なのだろう。

……変な態度はとれないな。

だがここに突っ立っていても何も話は進まない。

何かされないか少し警戒しながらも、俺はその椅子にゆっくりと腰を下ろした。

そんな俺の反応を見てから、お婆さんは話を進め始めた。


「さてと……。君は、どこでそれを手に入れたのかの?」


「変な湖の中にあった遺跡の中です」


そう言うと、お婆さんは「ふむ……」と腕を組んでから


「儂が聞いたことのある話とは違うみたいじゃの……」


そうつぶやいた。

……ということは、神器の入手法は人それぞれ違うのか?

神が人に与えるものだから、てっきりすべて試練的なものが必要だと思ったのだが……。

お婆さんの反応を見る限り、どうやらそうではないらしい。

なら、どうやって俺の武器が神器であると判断したんだ?


「お婆さん。今更だけど、どうしてこの2本の剣が神器だと分かったんですか?」


「……魔力の違いじゃよ」


「……魔力の違い…………?」


「うむ。神器には我々が日ごろ使っている魔力とは異なる別の魔力が流れておる。わずかな差じゃが、それを見て判別したんじゃよ」


俺たちが普段使用している魔力とは異なる、別の魔力、か。

だがこの話し方、おそらくその魔力源が何かまではわかっていないようだった。


「……だがまぁ、それを置いたとしても……神器の取得方が何者からか授かる以外にもあるということが知れたのは、良い収穫じゃったな」


はて、他にはどのような取得方があるのじゃろうか?

そう言うと、お婆さんはさらに深く考えだした。

そして…


「すまぬ。もしよければ……その神器を貸してもらえないじゃろうか?もっと近くで見ることが出来れば……ほかに何かわかるやもしれぬ」


俺にそう提案してきた。

……確かにこの武器の事について詳しくは知りたい。

だが出会ってまだすぐのこの人に、そう簡単に渡していいのか?

過去に一度、そうやって渡して武器を取られ利用されたこともある。

……下手な選択は出来ない。

そう考えていると、きっと顔に出ていたんだろう。

すぐに訂正が入った。


「……無理を言って悪かった。気が変わったら言っておくれ」


少し残念そうな顔をしながらも、お婆さんは優しい声でそう言うと


「疲れたじゃろう。部屋へ案内をさせるから、今日はゆっくりと休んで行きなさい」


と言って手を叩いて誰かを呼んだ。

そしてお婆さんに呼ばれた人が、「失礼します」と挨拶をして部屋の中に入ってきた。

その姿を見て、俺は何かしら既視感を覚えた。

髪は少し茶色っぽくて、背は俺よりも低く、それでいてどこかで見たことがあるようなそんな人……。

その人と目が合った時、相手が誰なのかすぐに理解した。


「葵っ!?」


そして俺の言葉を受けて、すぐにその人物も……葵もパッと顔をあげた。


「ひろ君!?」


驚きと困惑と喜びの混じった声が、室内に響き渡る。

そこには確かに、あの浜辺から行方の分からなくなっていた葵の姿があった。

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