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STAR SKY GUARDIANS  作者: 花海
第一章 残酷な世界 その世界へ一歩を踏み出して
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第一章8 魔女の集落へ向かって(添削済み)

お待たせしました!!

ライやラフィナたちと別れてから数時間後、俺たちは致命的な状況にあった。

何があったのかというと……


「………どこだ。ここ」


「……知りませんよ。荷物持ち、貴方ここら辺地元じゃないんですか?場所くらい知ってるでしょう?」


「ししし、知りませんよ!!」


「はぁ!?なんで知らないんですか!?馬鹿なんですか!?」


切れ気味で声を少し荒げ荷物持ちを蹴るサーシャを見ながら、サーシャの持っていた地図を見ながら辺りを見回した。

あたりは霧で覆われていて何も見えない。

おまけに森の中に入ったらしく、今自分たちがどこへ向かっているのかもわからない。

地図が面白いくらい使い物にならないので、ため息をつきながら地図をたたんだ。

さて、下手に動いてもさらに迷子になるだけだろうし、かといって動かなかったら動かなかったで何も解決しない。

まぁそれ以前の問題もあるけれども……。

横を見ればギャーギャーと文句を言い続けるサーシャ。

かたやもう一人の荷物持ち君はおどおどとしてたり発言しないことが多いため、後になって大切なことを言い周囲を困らせてしまっている。

現状なんかがまさにそうだ。さて、どうしたものかねぇ……。

今はまだ明るいからいいものを、これが暗くなったらどうなるか想像したくない。

はぁ……とため息をつきながら、横で口喧嘩をする2人をただただ座って眺めていた。

結局、そのまま日が暮れるまでサーシャと荷物持ち君は口喧嘩を続け、動くことが出来なくなったので、近くの木を切って焚火を作り、それを3人で囲むようにして座った。

………き、きまずい………。

誰も何も言葉を発しない。

ただ火が燃える音と、時折パチパチと木が弾ける音が聞こえるだけだ。


「な、なぁ。自己紹介しないか?お互いがお互いの事をまだ知らないし……」


今の所同じ方向に行くからということだけで結成されたこのパーティ。

正直サーシャに至っては名前しか知らないし、荷物持ち君に至ってはなんで俺たちとともに行くのか、どこへ向かっているのかそれすらも知らない。

だからこそ、ここで互いの事を知る必要がある。

そう思ったから、自己紹介を提案してみたのだが……


「…貴方にはしたじゃないですか」


サーシャから冷たい言葉で一蹴され、彼女はそのまま焚火の近くで横になって寝てしまった。

……マジかよ。

よくこの状況で寝れるな…。


「あ、あの……」


サーシャが寝てしまったことに対して色々と思うところがあり頭を抱えていたところ、おずおずと荷物持ち君が話しかけてきてくれた。


「僕……ジャルっていいます。……あなたは?」


「俺は洋一。ひろでかまわないよ。よろしくな!」


そう言って俺は手を差し出すと、少しびくっとしながらもジャルと名乗った兵士の少年は俺の手を握った。

それから軽く自分たちの話で盛り上がった。

どうやらジャルは実家を追い出されるような形で軍に入れられたらしく、そこでも雑な扱いしか受けていなかったようで、ろくに戦闘も行わせてくれなかったそうだ。

そして、この村の男性たちからの依頼を受けてこの村に寄ったということらしかった。

本当は、反対側からも別の軍隊が来る予定だったらしく、そこと連携して謎を解決しようとしていたらしい。

その結果が今回の悲惨な結果につながってしまったわけだけど。

……でも、だからこそ、ジャルは今回の戦いで唯一兵士の中で生き残れた。

サーシャとはどうやらここに向かう途中でジャルの所属していた軍と合流し、行動をともにし始めたらしかった。

ということは、ジャルもサーシャについて詳しくは知らないのか……。

一応ギルドのどうのこうの言っていたから、何かに属してはいると思うのだけれども……。まぁ後で本人に聞けばいいか。

とりあえず、俺たちも体を休めよう。

特にジャルはサーシャから変な荷物を持たされていたから、俺よりも疲れているはずだ。


「今日はもう寝なよ。俺が起きとくから」


「いいんですか?」


「荷物持ち疲れたろ?」


「…では、お言葉に甘えます。おやすみなさい」


そう言うとジャルも焚火の近くで横になってすぐに寝息を立てて寝てしまった。

それを確認してから……


「……起きてんだろ、サーシャ」


さっきから息が浅いサーシャに向かって声をかけた。


「……意外ですね。気づくなんて」


そう言いながら、サーシャはすぐに体を起こした。


「昔馬鹿みたいに野宿してたからな。ちゃんと眠れているかどうかの判別くらいはできる」


「……貴方どんな環境で育ったんですか」


変に顔をしかめながら聞いてきたサーシャに俺は素直に答えた。


「戦場だよ。3歳。正確に言えばそれよりも前だけどそれから13になる前までずっと俺は戦場にいた」


「……今あなたいくつですか?」


「?15だけど……何か関係あるか?」


「……いえ、そんなに長く続いている戦争といったら、王族と貴族との争いしかないので……それにその戦争に子供が参加していたという話は聞いていません」


「まぁそっちの戦争については知らんが……それよりも聞きたいことがあるんだ」


そう言いながら、俺は荷物の中に合った世界地図を広げながらサーシャの前に置いた。


「……日本はどこだ?それにこの地図でたらめすぎるだろ」


「ニホン?東洋地方ではないのですか?それにその地図は正しいですよ。何を言ってるんですか?」


そう言われて改めて暗い中地図を凝視する。

確かに似てはいる。

アメリカの感じとか、ロシア方面とか……。

だけど俺の知っている世界地図ではない。

それに空飛ぶ島なんて俺たちの時代には存在しない。

そして何よりも……地図上に日本が存在しない。

似たような島国はあるが、かなり小さい。

サーシャはこの島国をさしながら東洋地方はここですよ、ここの出身じゃないんですか?と言ってきているのでこの場所がおそらく俺と同じ日本語を……この時代に合わせるのなら東洋語を話す人がいるのだろう。


「俺たちが今いる場所はこの大きな島だよな?」


大きな大陸とは離れたところにある大陸の三分の一くらいのかなり大きめの島。

それを指さすとそうですよと返事が返ってきた。


「というか、貴方どうして何も知らないんですか?私にはそちらの方が不思議です」


そりゃ知るわけねえだろ!?と心の中では思っていたがそんなこと口に出すわけにはいかない。

ライやラフィナたちにすら、俺がこの時代とは違う人間だとは言っていないのだ。

簡単に口に出すわけにはいかない。

だが、下手に嘘をつけば疑われるだろう。

……なら嘘を交えた真実を言えばいい。

そうすれば、下手に怪しまれることもないだろう。


「……気づいたらあの場所にいたんだ。話を聞いた限りでは空から落ちてきたみたいだけど……。俺自身もどうしてそうなったのかは知らない」


「……空から落ちてきた?ならあなたはスカイピアの人間ですか?」


「いやスカイピアってどこだよ」


「これですよ。……スカイピアすら知らないってどんだけ非常識なんですか?」


そう言いながらサーシャがさした先は、地図上で空を飛んでいる島国だった。


「なぁ、本当にここ人が住んでるのか?」


「当然じゃないですか。……何言ってるんですか?」


………なんか、うん。何とも言えないな、この感情は。

知らないところに来るとよく放心状態になるあれだ。

今まさにそんな感じだ。

……ラフィナたちに聞かされてから思ってはいたけれど、地図や人を見て改めて感じてしまう。

俺は本当に知らない場所に来てしまったんだなぁ、時代も、場所も、人も、何もかも。

……きっとあの時に触れてしまった機械が何かしら関係あるのだとは思うけれども、今すぐにあの場所に戻れるわけでもない。

なら深く考えても意味がない。……とりあえず今夜は寝よう。サーシャに変な目で見られながらも、俺たち二人は焚火の近くで眠りについた。



かなり周囲に気を使いながら睡眠をとったので、完全に熟睡することはできなかったが、それでも最低限動けるくらいに睡眠をとることはできた。

そんな中で唯一の救いだったのが、朝日がこの霧の中でも差し込んでくれたということだった。

おかげで大体の方角を把握することができ、とりあえずの進路が朝から決まった。

サーシャは俺と同じくらいに目覚め、まだ寝こけているジャルをたたき起こし準備を整えてからすぐに出発した。


「そういえば、どこに向かってるんだ?」


「説明していませんでしたっけ?今向かっているのは、この島の中でも大きなフリーテという街です。そこにこの荷物持ちが属していた軍の基地があるんです。そこへ今回のことを報告しに行くのが今回の目的です。私の目的は別にありますけれど。……まぁ今向かっている場所はその中間地点ともいえる場所です。ちなみにもう入ってます。昨日荷物持ち君に言われるまで気づきませんでした」


「……魔女の森?」


「そう言うことです。ただタイミングが悪かったみたいですね。おそらくは……」


サーシャがその続きを言おうとした時、霧の奥の方で何かが動いたのが見えた。

とっさに左手で刀を抜き放ち身構える。

サーシャも気が付いたようで、俺とほぼ同時に武器を構えた。


「荷物持ち!そこから離れるんじゃないわよ!!」


そう言うと、サーシャは俺が見た影に向かって走っていってしまった。


「おい!どこ行くんだよ!!」


そう声をかけたが、時すでに遅くサーシャは霧の中に消えてしまった。

だが、周囲から魔物の気配は消えていない。


「――――――――――――――――ッッ!!!!!!」


近いっ!!

この方向は……ジャルの方!!


「ジャル!!伏せろ!!」


俺はジャルの方に振り返りながら、刀を振るう。


「うわぁ!?」


俺の言葉を受けて、ジャルは頭を両手で抑えながらその場にうずくまるように伏せた。

そこにウルフが一匹飛びついてきていた。

伏せているジャルの前に出て、口を開きジャルを噛みつこうと考えていたそのウルフの開いた口に向かって刀を振るう。

その刀は何の抵抗もなく、飛びついてきたウルフの体を真っ二つに切り裂いた。


「……あいつ、やるじゃねぇか!!」


ライの作ってくれた刀に感謝しながら、その後つぎつぎと襲い掛かってきた小型の魔物を一刀両断していった。

ようやくあたりが静まったころには、魔物の死体の山ができており、自分で言うのもなんだがそれはひどい有様だった。

それを見てジャルは恐怖で腰が抜けてしまったらしく、その場でずっと震えていた。

……こんな有様でよく戦場で生き残ってこれたなと思いながらも、ジャルの手を引いて体を引き上げる。


「男だろ?いつまでも震えていたら護りたいもんも護れなくなるぞ」


ひどい顔をしたジャルにそう語りかける。

でも俺の言葉は耳に入っていない。

それくらいひどい顔をしていた。

……こいつに戦闘なんて無理なんじゃないか?

それなのに軍に入れられた理由って……。

そんなことを考えていると霧が少しだけ薄れて周囲が軽く見渡せるようになった。

すると奥からサーシャが両手を叩きながらこちらへやってきた。

その横には魔法使いのような人がいて、俺たちを見てからなぜか申し訳なさそうな顔をしていた。

サーシャは俺たちの近くにできている魔物の山を見てから


「……流石ね」


若干引きながらそう言った。


「サーシャが勝手に一人で行くから俺が戦うしかなくなったんじゃねぇか」


「説明してる時間がなかったからね。まぁその話も魔女の集落についてから話すわ。とりあえず、私とこの魔女っぽい人から離れないで」


そう言ってすぐさまサーシャは先程走っていった方へと体を向けてから、ずんずんと進み始めた。

俺はため息をつきながらジャルに肩を貸して、荷物を半分ほど持ってから俺たちを待ってくれていた魔女のような人と共に霧の中を進んだ。

しばらく歩いていると、霧がうっすらと晴れ、全体が見渡せるようになった。

目の前には人工的な建物と門。

どうやら、雰囲気から察するにここが目指していた場所のようだ。

門をくぐり案内されるがまま俺たちはその建物に入ると、その魔女の人にある部屋へ案内された。

その先でサーシャと椅子に座ったおばあさんのような人が何かを話しており、俺たちが入ってきたのをおばあさんやサーシャが気づくと……。


「ようこそ……神が作った黒の神器に選ばれし者よ………」


しゃがれた声でおばあさんは俺に語り掛けた。

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