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32 幼馴染の幼女達のボケはツッコミが追いつかないらしい

「ごめーん、待った?」

「そういうのいいから……」


 俺が待ち合わせ場所に着いてから数分後、彼女のテンプレをほざきながら心愛と雪もここへ戻ってきた。


 幼女二人はカップルのようにしっかりと腕を組んでいた。ずっとこのまま回ってたのかな……


「……百合だな」

「客観的に見たらそういう風に見えるのはもう仕方無いわ」


 割り切っていらっしゃった。まあ、子供の姿だから割合不自然ではないんだけどな。仲の良い仲間とじゃれ合う猫を観るような微笑ましい気持ちを覚える光景だ。


 でもこれ多分元の姿だったらすっげぇ目立つし、微笑ましくもないだろうな。もっと需要が狭まりそうだ。


「で、良さそうなのは見つかったのか?」

「世の中色んな商品があるものね……布製2WAYショルダー/ハンドバッグなんてあるとは……」


 そう言って彼女は手に持ったビニール袋を小さく掲げた。成程、条件全部盛りだ。


「雪は何を買ったんだ?」

「はんどくりーむ! ふゆのときしあよくつかってたから!」


 おお、なんかすげえ女子っぽい……


「じゃあ帰……っと、もう六時過ぎてたな。なんか夕食食ってくか?」


 今日も山田さんは外で済ませてくるようだし、今から家に帰ってからとなると少し遅くなってしまう。手間もかかるしな。


 なので、多少値が張ってもここで食べて行くのが良かろう。


「何食べるの?」

「逆に、何が食いたい?」

「私は特に……」

「わたしらーめんがいー!!」


 ハンドクリームの女子力を消していくスタイル。


 しかし、出不精といい食べ物の好みといい所々俺に似た感性を持ってるよな、雪って。


「俺は別にそれでいい」


 ていうか寧ろ、それがいいまである。


「私もそれでいいわよ」

「やったあ!!」


 心愛も取り分け拒否する理由は無いようだ。なら、それで決定という事で良いだろう。


 このショッピングモールにもラーメン屋は三店舗出店していて、俺達はその内の一つに入った。


「えっと……三名様でよろしいですか?」


 あー……しまった……なんか探るような目で見られている……


 うっかりしていたが、今の俺は「幼女二人を連れた成人男性」だった。不用意に店なんかに入るんじゃなかった。


「あ、はい……」

「…………かしこまりました。こちらへどうぞ」


 良かった、とりあえずは通報されたりとかはないみたいだ。


 席に着くなり雪がメニューを開き目を輝かせる。


「おにーちゃん! おにーちゃん! これがいー!」

「おう、高くなきゃ何でもいいぞ」

「ん? 今何でもって……」

「これっ! とくじょうふぃれすてーき! ていかにせんさんびゃくえん!!」

「高えよ!」


 何でそんなものがラーメン屋にあるのだろう。謎である。あと心愛が何か言っているが黙殺する。


「ご注文はお決まりですか?」


 とかやっていたらいつの間にか隣に先程案内してくれた店員さんが立っていた。てか、どう見てもお決まりじゃないと思うんですが……


「うさぎでっ!」

「かしこまりました」

「雪! そんなものは(うち)では飼えません! 元の場所に返して来なさい!」

「会話文と地の文総動員してもツッコミが追いつかないからもうやめてくれ……」


 店員さんまでボケ派だった。かしこまるな。


 とりあえず、隙あらばボケようとする三人を上手く軌道調整して注文を済ます。一苦労だまったく。


 …………あれ、今は店員さんにあまり探るような目をされなかったな。何でだ?


 …………あ、もしかして、雪が俺の事「おにーちゃん」って呼んだのが聞こえたから俺らの事三人兄妹だと思ったのか。歳離れてるから初見ではそう見えなかったと。


 やっぱり雪が俺をお兄ちゃんと呼ぶのは一定の効果があるようだ。雪に感謝。


「ていうか、山田さんの誕生日っていつなんだ?」


 濃厚煮干し醤油ラーメンを待つ間、俺は心愛達に尋ねた。


「九月十九日ね」

「えっと今日が九月二日だから……再来週の水曜か」


 少し間が空くな。


「それまでちゃんとかくしとかなきゃ」

「そうね、誕生日前にバレちゃったら興醒めよね。でも、どこに隠そっか……」


 そう呟くと、心愛は顎に手を当てて悩みだした。あいつのプレゼントは俺達と違って小物じゃないから、隠すのは少し苦労しそうだ。


「タンスの冬服入れてる段にでも入れとけばバレねえだろ」

「入る?」

「入らなきゃ他の段に服移す」

「そっか……ごめんね? 私のおっきくて……」


 そう言って、彼女は微笑を浮かべながら少し頭を下げた。


「別に……」


 謝らなくてもいい、と続けようとして、やめた。今言うべきは……


「喜んでくれると良いな」

「うんっ!」


 これで正解だろう。


―――――――――――――――――――――――


 このショッピングモールは家から約2km程の場所に建っている。


 今のご時世これが非常に近いと言えるのかは俺には見当がつかない訳だが、それでも徒歩で訪れる事の出来る距離にそのような施設があることは、やはり幸運な事なのではないかと思う。


 という訳で帰りの交通手段は徒歩だ。てか行きも徒歩だった。引きこもりには結構ハードな運動である。


「少しは暑さマシになったわよね」

「このまえまでよるでもあつかった……」


 二人は気温的にも体力的にも涼しそうだ。若いね〜(同い年)


 そこから更に数十m進み、曲がり角を曲がった所で、心愛が何かに気付き俺に声を掛けた。


「ん……? ねえ、あれ……」

「あ? あれは……山田さん?」


 そこに立っていたのは、よく見慣れたロングヘアーの美少女。


 そしてもう一人……彼女と親しげに会話する初老の男性。


 ……あの男も俺は見た事がある。


 確か、つい最近。


 いや、この違和感。前に見た時も感じたこの感覚。


 ――――恐らく、俺はあいつを、ずっと昔にも一度見ている。

アニメ見まくってたら更新遅れてしまいました。違うんです! アニメが面白いのが悪いんです!(テンプレ言い訳)

ここ一週間で60話程見てました。ゲームもしてました。さぼってました。ごめんなさい。

これからも頑張ります。応援がいつも励みになってます。これからもよろしくお願いします。

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