28 わたしはどーきゅーせーのゆーじんだとおもってたひとにかんきんされたらしい
きがついたら、そこはしらないへやだった。
うすちゃいろのふろーりんぐと、しろいしんぷるなかべがみのへや。そのかべとゆかは、びにーるでますきんぐされている。そのうらがわには、いくつかのかめらもみえた。
ちゅうおうはいちめんのがらすでふたつにしきられていて、わたしはすっぱだかでそのへやのうちのかたほうにすわっている。
てくびにつながれたてじょうがつめたい。そこからのびるくさりのさきにはかべがあり、わたしはここからじゆうにうごくことはできなかった。かんたんにいえばかんきんだね。
そしてもうひとり、がらすのむこうがわにも、おなじようにぜんらでかんきんされたじょせいがしずかにねむっていた。
「また……か……」
とぎれとぎれにつぶやく。
そう、まただ。
わたしがかんきんされるのはこれがはじめてじゃない。さいしょは、うろおぼえだけど、たぶんにさいくらいのときのはずだ。たぶんね。
そのときをさかいに、わたしはなんども、ちじんのふりをされてらちされるようになった。
おもいだしたくもないかいそうをしていると、がらすごしのじょせいがめをさました。
「な……何!? ……ここどこ!? なんで裸なの!? あなた……誰!?」
わたしはたんそくして、そのすいかにこたえることなく、めをとじた。
……もうなにも、みたくないから。
やがて、どあのひらくようなおとと、ひとりのあしおとがきこえてきた。
「な……何? あなた……誰?」
おびえるような、ふるえたといかけ。しかしにかいめのそれにも、へんとうするこえがはっされることはなかった。
「…………それは……何? 何をする気なの? やめ――――」
そのつづきは、「ドンッ!」というにぶいおとと、かのじょのひめいでかきけされた。かんだかい、なまなましいこえにおもわずみみをふさぎたくなるが、てをしばられているためそれもかなわない。
「きゃあああああぁぁぁ!!!! 爪がぁ!! 私の爪がああああああ!!!!」
ひとのひめいというのは、なんでこんなに、なんどきいてもなれないんだろうな。
そんなことでもかんがえていなければ、とてもしょうきをたもっていられなかった。
ここでおこなわれるのは、ぎゃくさつだ。さつじんとしょうすることすらなまぬるい、じんたいじっけんとさえいえるほどむごいころしがおこなわれるのである。
なぜひとがころされるのかも、なぜわたしがこんなものをみせられているのかもわからないが、おそらくどちらも、りゆうなんてないんじゃないかとおもう。
……だって、なにかりゆうのあるさつじんなら、そうなんどもしないでしょ。
「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ!!!! ああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ひめいはつづく。わたしはまぶたをきつくとじながら、それでもなみだをこぼさずにはいられなかった。
……いや、このじょうきょうでなみだをこぼすだけなわたしも、もうそうとうこわれているのかもしれない。
ひめいをききつづけていると、やがてそれはこえにならなくなり、わたしのみみにとどくのはおしころしたようなおえつと、おとこがなにかをするたびにきこえてくるものおとのみになった。
きのとおくなるほどのじかん、それをきいていると、どあのひらくおとともうひとつのあしおとがきこえ、やがてわたしのからだにやわらかいぬのがなげかけられた。
「着ろ」
そして、りょうてがじゆうになるかんかく。
まぶたをもちあげると、なみだでしかいがぼやけた。みぎてでそれをぬぐうと、がらすのこちらがわにぼうじんふくをまとったひとりのおとこが、むこうがわにもうひとりおなじようなおとこと、さきほどまでとおなじにんげんとはおもえないほどかたちのかわったじょせいがしかいにはいった。
なげつけられたふくをきる。わたしがきょうきていたふくだが、なにかでせんたくされたようで、いつもとちがうにおいだ
がらすのむこうでじょせいがうめいているのをいちべつし、おとこにはなす。
「……ころさないの?」
「お前には関係ない」
そうつげられると、めかくしをされ、どあのむこうへとひっぱりだされた。
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いちじかんくらいあるかされたのちわたしがほうりだされたのは、こうじょうあとのようなところだった。ぜんしんにようしゃなくうちつけるあめがつめたい。
めかくしをときかえるぼうじんふくのおとこを、こんかいもつけてみたのだが、やはりまかれてしまった。あのかっこうでだれからもふしんにおもわれないわけがないので、ひとめをさけたみちをえらんだのだろう。
あきらめてぽけっとからすまほをとりだしていちをかくにんする。そして、おにーちゃんのいえにむかってゆっくりとあるきだした。
けいさつにれんらくはしなかった。ずいぶんとまえ、いまのようにさらわれたときになんどもれんらくしたのだが、さいしゅうてきにはもうげんとしてしょりされた。
それはわたしがおさなかったからというのもあるだろうが、いちばんのりゆうは、わたしがかがいしゃのかおもひがいしゃのかおもおぼえておらず、そして――――
――――どれだけしらべてもまったくしょうこや、てがかりがなかったことだろう。
思ったより長くなりますね。もう一回続きます。
なんと前回で二万PV達成&恋愛(現実世界)日間ランキング乗り&評価頂いちゃいました! とても嬉しいです、ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします。




