第2話 勇者は勝負師
「おい」
「お呼びですか、マイロード」
「何でカーテンの裏から出て来るんだよ!普通にドアから入って来いよ!」
「雰囲気は大事です」
「はぁ…まぁいい…勇者は?」
「は。キナリ大陸に配備しておりますあばれかかし達の報告によりますと、サリサの村です」
「あばれかかしってのも微妙に強そうだけどなぁ…ってか、もう5日目だぞ!何でまだ最初の村に居るんだよ!」
「報告によれば、勇者はカジノにどっぷりとの事です」
「おい‼ちょっと待て!カジノって普通は中盤辺りの施設だろう!何でいきなりスタート地点にそんなもんがあるんだよ!しかもそこは村だろうが!」
「は。よっちゃん@匂いフェチ様のお言葉通り、勇者を精神的にも強くしようと思い、村の隣に建設させました」
「名前違う‼ってか、余計な事するな‼」
「勇者は先程装備品の棍棒も現金化したようです。ついでに道具屋でロープを買ったとの報告がありました」
「ドン底じゃないか!今日ダメだったら死ぬ気じゃないか!モンスターにボコボコにされた腹いせにギャンブルにハマる勇者なんかいるか!」
「笑えますよね」
「笑い事じゃない!裸じゃ序盤のモンスターにだって苦戦するだろ!」
「一応裸でも3発は耐えられるはずですが。」
「耐えても瀕死じゃないか!手持ちの装備品まで売り払うようはヤツが薬草なんか買うわけないだろう‼」
「ナイス推察、マイロード」
「お前が原因だよ‼あ…そうだ‼そのカジノって、勝率とか景品はいじれるのか?」
「勝率は大丈夫ですが、景品は我々魔族の中古品なので限界があります」
「中古の景品目当てに命懸けて裸でギャンブルとは…勇者もとことん憐れだな…景品には装備品とか無いのか?」
「新品同様でしたら、鉄の武具一式が用意出来ます」
「お!いいじゃないか!それちょっと先じゃないと買えないボチボチ高いやつだろ?」
「順番で言えば5番目のマリの町の最高級品です」
「よし!勝率をMAXまで上げて勇者に勝たせろ!で、その装備品渡したらすぐにカジノは取り壊せ!」
「えぇ〜…カジノ建てるの結構大変だったんですよぉ?」
「知るか!このままじゃ勇者が本来の目的を忘れるぞ!ってか、本編と全然関係無い理由で死ぬぞ‼」
「わかりました。では、勇者がカジノに到着したようなので早速」
「絶対勝たせろよ!変な遊び心とかいらないからな!」
「り、了解、マイロード」
「おい!今何でちょっと笑ったんだよ!戻って来い!おい!」
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