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魔王様は苦労人   作者: 銀さん
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第1話 魔王様は帰りたい




「おい」


「お呼びですか、マイロード」


「うおっ!何で俺の後ろから出てくんの⁈」


「いや、魔族だし」


「ビックリするからドアから入って来いよ!」


「へいへい…」


「お前一応部下のポジションだろ!まぁいいや…今勇者はどこに居る?」


「はい。キナリ大陸に配備しておりますカイザードラゴン達の報告によりますと、サリサの村です」


「それどこ?」


「最初の町です」


「はぁぁ⁈⁈おい‼俺がこの世界に来て何日目だ⁈」


「3日目です、マイロード」


「勇者が旅立ったのは⁈」


「3日前です、マイロード」


「あいつ3日も最初の町で何してんの⁈寝てんのか‼」


「カイザードラゴン達からの報告によりますと、一応町から出ようとはしているようですが、全滅が52回なので、一日に約17回のペースで教会送りです。もう常連ですよね」


「笑い事じゃない!町から出ないと進まないじゃん!終わらないじゃん!」


「そんなの勇者に言ってくださいよ。あいつ回復魔法も使えないクセに、逃げずに棍棒で応戦するらしいので。まるで山賊ですよね」



「何笑ってんだよ!俺はさっさとこのゲーム終わらせて帰りたいんだよ!大体何で俺魔王なの?」


「おそらくこの体感型RPG、よっちゃんクエストを製作された創造主であり、貴方様のご友人であるミッチー@風邪気味様のイタズラ心かと」


「確かに最初はちょっと面白いかもって思ったよ!でもさ、勇者に倒されないと終わらないってどういう事⁈」


「この世界で勇者のみの特殊能力、プログラムリセットの力でしか、このゲームは終わりません」


「で、その勇者が何で全然進まないんだよ‼」


「カイザードラゴン達からの報告によりますと、ボチボチ町から出るのを諦めた感じっぽいです」


「おいおい…勘弁してくれよ…」


「ドンマイ、マイロード」


「諦めつくか‼歳も取らないし、時間も過ぎないし、こんなとこで永遠に暮らせってか‼」


「それにはまず勇者に頑張ってもらわなければ」


「その勇者が全然進まないじゃないか‼」


「カイザードラゴン達の報告によりますと、今教会でセーブをして宿に向かったようです」


「もう今日の冒険投げてるじゃないか‼まだ昼だぞ‼」


「そりゃあれだけコテンパンにやられたら、いくら勇者でもハートがポッキリですよ」


「そりゃそうだよな…勇者ってレベルいくつ?」


「1です」


「え?全然上がってないの?」


「カイザードラゴン達の報告によりますと、討伐数はゼロですので」


「ちょっと待てよ…お前レベルいくつ?」


「私は魔女ダークサキュバス。さっちゃんです。レベルは42です」


「やかましい。俺は?」


「貴方様は大魔王よっちゃん@生きるって何だろう…。レベル85です」


「恥ずかしいからその名前で呼ぶなよ…あのさ、ちょっと聞いていい?」


「何なりと。マイロード」


「さっきから気になってたんだけど、そのカイザードラゴンとかいうえらく強そうな名前の奴って、レベルいくつ?」


「覇王竜カイザードラゴン、レベル70です」


「お前より強いじゃん!で、そのカイザードラゴン達の、「達」ってどういう意味?」


「は。キナリ大陸に配備しておりますモンスターは、約9割がカイザードラゴン、残り1割がジェノサイドゴーレムです」


「おい‼‼お前馬鹿か‼いきなり魔王の側近より強いモンスターがゴロゴロ居るのに、町から出られるか‼ってか、町ごと滅ぶぞ‼」


「は。よっちゃん@デベソ様に少しでも長く楽しんでいただけるようにと配慮いたしました。そんな怒るとかマジ心外です」


「怒るわ‼名前違うし‼」


「せっかく裏ダンジョンから呼んだのに?」


「群れで出たら俺でも勝てないようなヤツら相手に、棍棒一本でどうやって勝つんだよ‼」


「会心の一撃が決まれば、あるいは…」


「ノーダメージだそんなもん‼さっさと弱いのと入れ替えろ‼で、勇者のレベルに合わせてモンスターを強くしろ‼これから先絶対余計な事するなよ‼」


「は〜い…」


「拗ねてもダメだ‼ちなみに、そのジェノサイドなんとかのレベルは⁈」


「は。機神ジェノサイドゴーレム、レアモンスターなのでレベル95です」


「俺より強いじゃないか‼ついでに勇者に謝って来い‼」


「それは何か嫌、マイロード」


「はぁ…ちょっと勇者に同情するよ…」


「ドンマイ、マイロード」


「お前のせいだ馬鹿‼」



→セーブして中断する

冒険を続ける


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