第1話.僕はこうして蘇った!
私が高校生になって初めて作った作品となっております!もしよろしければ評価の方をしてくだされば幸いですっ!よろしくお願いします。
今年最後の真冬日は、記録的な最低気温となった。
日が出ているのにかかわらず、いっこうに温かくなる気配がない。
制服の上に水色のダッフルコートを着て、更にマフラーを巻くが、体が凍りつくほど寒い。
極寒地獄にいるようなこの状況に屈することなく、学校に行く。
僕は私立純聖高校一年生の明津諒。高校は鹿児島県の北部にあり、現役での大学合格に力を入れている進学校だ。
ちなみに将来の夢は弁護士。だから、法科大学院に行こうと思っている。
裁判官・検察官・弁護士の「法曹三者」を養成することを目的とした専門職大学院であり、進学するためには、共通で実施される法科大学院統一適性試験を受験し、それぞれの法科大学院が実施する入試を受験するというのが一般的な流れだ。
そこに向かって勉強を頑張り続るのが、今すべきこと。
暫くして学校近くの横断歩道前につくと、
「おーい! りょうくーん、おはよー!」
空に響き渡る元気な声とともに道路をまたいだ向こう側から幼馴染の工藤萌亞が白い息を吐きながら、僕に手を振る。
「おう! おはよう」
同じように手を振り返し、今日という一日が始まろうとしていた。
が、一瞬、目の前の空間が歪んだ。そこからでてきた謎の手に首元を捕まえられて
キキーーーーーーーッ、ボンッ........
少年の体が宙を舞い、地面に強く叩きつけられ、後頭部にできた傷からでてきた鮮血が真っ白い地面を紅に染め、若き人間の人生がこの世から去った。
気が付くと目の前にはチャラチャラしたブルーの短パン、白のロングTシャツに勾玉らしきものを首にかけた白髭を伸ばしたおじさんが一人、俺の顔を覗き込んでいた。
「「うわぁ~~~~~~~~~っ!」」
二人同時に顔を向い合せながら叫んでいると、どこからか女性の声が聞こえてきた。
「お二人そろって何をされてるんですか? スサノオさま」
え、スサノオ? スサノオってあの神様の? 嘘だろこの変なおっちゃんがそんなたいそうな名前を使ってるの? いや、そんなことより学校に行かないと……
「少年よ。学校へ行く必要はないぞ? お主先ほど死んだからのぉ」
……このおっちゃんなんて言った? いや待て。俺の心を読んだ!?
「うぬ。神通力といったところじゃな。相手の思考を覗き込むこともできるし、その思考にワシが話したい事を入れて、頭のなじゃで会話することができるんじゃ。神の力はまだまだこんなものじゃないぞ?」
神様すっげー。と感心しているところ、あの女声の主が現れた。黒髪に赤い瞳、バストは見たところC……いや、D。上向きな胸に美しいくびれ。健康的な体はまるでモデルのようだ。
さらに、長い後ろ髪は三つ編みで結い、着物姿である。……可愛いその姿に一目ぼれしてしまう。
「あら、かわいい男の子やわ~!! 可愛いの神様や~!!」
「あ、ありがとうございますっ! あのー、名前教えてもらっても?」
「キミヨだよ。 おねーちゃんって呼んでくれてらうれしいなぁ~~!」
「き、キミヨおねーちゃん……」
「可愛い~~~~~~~っ!!」
スサノオのおじさんが羨ましそうに僕を見てくる。
「……ちっ」
「いま舌打ちしましたね?」
「してないわい。……ええのぉー……」
若さが欲しいと思い浸っているスサノオのおじさんを横目に、僕はふと思ったことを話してみる。
「ねえ、僕さ、死ぬ前になんか空間が歪んだような感じがしたんだ……」
「うぬっ!?」
スサノオのおじさんの声が上ずる。これは何か引っかかることがあるのか?
「多分じゃが、何者かがお主を意図的に殺したんじゃないかの」
「えっ」
「確証はないが、人外の力を操る者の仕業かもしれぬ。.....キミヨ」
「はい」
と言ってキミヨさんは紙を持ってきた。そして、僕に渡す。
「貴方には、転生してもらって殺した相手を探してもらいます。私たちが下界に降りることは規定があって出来ないのです。ですが、それは神様であればの話。死亡者であれば、転生の権利で下界で生まれ変わってもらうため、同じ神様になることができます」
「……」
「つまり、下界で、神様として活動してもらうことになります。人間の体を持って」
なんかすごいの来たよ。……えっ、まじでっ!?
「それでは、この誓約書に名前を書いてください」
「は、はい」
この名前の欄でカッコよさを出すために一筆書きっ! そして提出。
「それでは、下界での活躍を楽しみにしています。 犯人を見つけ出して、私たちに神通力で報告してください。そのあと、処置してもらいます」
「処置……ですか」
「はい。痛めつけるなり、何なりと」
「了解です!」
そして僕は、神様になった。