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蛍火鳥と東雲  作者: 朝憑 真
7/40

美少女


「おいおいおーい!大変だ!聞いてくれ!!事件事件!!」


次の日の朝、なんでか大智の大声で目が覚めた。


「うわああ!!俺ん家に上がり込むのマジでやめろ!」


「親公認だぜ?」


部屋の外で母さんがピースしてる。何してくれてんだ!



「それよりやべえよ!手前公園あるだろ?そこで昨日の帰りさ!」


それにしても、昨日の最後の蔵野の笑顔は不意打ちだった。初めて見たし。


「そしたらそこにあるブランコが!!片方だけ揺れてんの!!」


でもその瞬間魔法で保健室まで飛ばされたから、学校サボったのバレないように遠回りして帰ったんだった。


「俺、なんか霊に囲まれてる気がしてさ!怖くて走って逃げちゃった!」


保健室からの夕日は綺麗だった。

昨日は半分蔵野に怯えながら登校したけど、友達になれたっぽいしもう大丈夫だな!


「よし、準備完了!張り切って学校に行こう!!」


「創!!聞いてねえだろ!!」







教室につくと、俺たち二人はいきなり委員長に詰め寄られた。


「創くん!昨日は急に早退して、大丈夫だった?」


委員長とは前一緒のクラスで、名前は山本勇樹。見た目は完全な脳筋なのに勉強しかできない人間だ。

うんうん、俺と同類だな!

そして面倒見と人柄が良く、みんなに好かれている。


「あと、篠原くんだっけ。はじめまして。」


「おー、よろしく!大智でいいぜ」



ガラガラ


「…あ!虎石くんおはよう」


うおっ


教室に入ってきたのは、入学式の日に見た例の大男だった。

虎石、って言うのか。こいつが入ってきて空気が変わったのに、委員長だけは変わらないあいさつをした。


「…」


「あいつどっかで…?まあ委員長、いつかは心開いてくれると思うぜ」


「ありがとう…大智くん」


ガラガラッッ


続けて、教卓側の扉が大きく開かれる音がした。


「こらー!先に行くんじゃない!始業のチャイムまで待たんか!あとなんだその服装はー!!!」


「あら?いいのよ!最終的にどうせ会うんだから」



周りがざわめき始める。


悲鳴をあげる者もいた。


そしてその女がスラリと細く長い足を動かし、教卓に立った。


「初めましてーー、有栖川美綛よん!」


その風貌は、とんでもなく綺麗な顔に、大きなリボンを付けた金髪。黒インナーが丸見えの胸元が空いたシャツ、リボンも付けずにブレザーを羽織り、長いネックレスを付けている。

…おそらく学園史上最短のスカートを履いて…


そう、この女は、現在失踪中のハズだった超スーパーアイドル兼モデル兼女優のーー


『Alice』だ。



「うっ、うおおおおおおおおおおおおお!!」


大智から聞いたこともない声が上がる。

教室が今までにないくらい盛り上がっている。あの虎石さえも、驚きで目を見開いているほどだ。


「大智、録画してたもんな、ファンだったのか?」


「おお!!おおおお!おお!」


「会話出来なくなってる!?」


「おお…、この前テレビの再放送見てから、めっちゃ好き!!一目惚れ!曲とか知らねえけど!」


「そこは聞いとけよ!」


先生は呆れ返っているが、その頬は赤かった。『Alice』は満足そうに胸をはっている。

有栖川が本名なのか…なるほど、わかりやすい。







授業中、というか授業はAliceトークで3時間連続で潰れている。

隣の大智から紙が回ってきた。



お前、どっち派?



返信を返す。



足です



すると、また返信が帰ってきた。



俺も



そこで俺達は、一時の強い友情を感じた。

紙はシュレッダーにかけて捨てた。




ご観覧ありがとうございます!

この女の子は、有栖川美綛(ありすがわ みかぜ)ちゃんです。

きっと貧乳ですよ。


そしてクラス委員長は山本勇樹(やまもと ゆうき)くんです。


今後ともよろしくおねがいします!

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