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波原刑と私の関係  作者: 也麻田麻也
第1章 波原刑と私
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第15話

 常に険悪な雰囲気で睨み合っている、三つの組が合同で作った?


「じゃあ三つの組は裏で手を結んでいると言うことなんですか……」


「手を結んでいるとは違うかな。仲が悪いのは間違いないし、殺し合いを続けてきた歴史は、そう簡単に無かったことには出来ないしね。けれどその殺し合いの渦に、未来ある若者を巻き込みたくないでしょ?」と言うと、「まぁこの場合は自分の子や、組員の子供なんだけれどね」と、付け足した。


 やくざとは言え人の親、自分の子供達まで危険にはさらしたくないと言うことなんだろう。


「そこで姫路叡山の号令の元、組同士が手を取り合って、聖域を作った。それが応法学園なんだよね。互いに手出しはご法度で、他の組も手を出したら、三つの強大な組を敵に回すことになる。組の子にしたら、正に聖域だね」


 私は、「なるほど」と呟く。


 三つの組の子の身の危険を守るだけでなく、他の組のけん制にもなると言うなら、聖域と言っても過言ではなさそうだ。


「大筋は分かりました。安全であるはずの聖域で大量殺人が起こってしまった。その犯人を探し出して殺せ。そう言う事ですね」


 私の答えに、「概ね正解だねー」と、答えた。


 概ねと言う事は、百点ではないのか。


「今の説明だけじゃ、なんで組織の殺し屋や、自分達の組で片付けられないかの理由は分からないでしょ。刑ちゃんが実行役で、エリちゃんが頭脳係なんだから、ちゃんと情報を集めてから、答えを出さないとダメだよー」


 早合点してしまったようだ。話半分で答えを出してしまうのが私の悪い癖だ。


 落ち込む私をよそ目に、日向子さんは話を続けた。


「聖域を作っても、血の気の多い子供達が揃っているから、口論から殴り合いの喧嘩や、斬り合いまで起きたみたいだよ。このままじゃ死人もでると思った姫路の爺様は中立な立場の人間を学園に送ることにしたんだよね。その中立な立場の人間とは、NESTの若手の殺し屋なんだよ」


 NESTは殺し屋の派遣だけではなく、兵隊から護衛の派遣まで行なうと聞いている。今回は護衛の派遣と言うところだろうか。


「今回の事件のあったクラスには組織の殺し屋が四人在籍していて、うち三人が殺されたみたいだから、犯人を殺すのに組織の力は借りれないんだよ。そりゃそうだろうね、組織の子供も殺されているとは言え、生き残ったその一人が犯人じゃないとは言い切れないからね」


 NESTが身内を庇う可能性もゼロじゃない。

 確実に処理するならば、第三者の介入しかないのかもしれない。


 そう考えていると、私は重大な事実を聞き流していた事に気づいた。

「……NESTの殺し屋も……殺されている?」



 それも三人も

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