39.2度の誓い【道下シリーズ】
掲載日:2026/05/30
「もしもし先生?道下ですけど」
「また道下か。今日はどうした?」
「親戚のおばあさんが—―」
「親戚のおばあさんが亡くなるのはこれで5回目だなぁ。学校にこい」
「……なんか身体がおかしいなと思って。今から測るんで見ててください」
「見てといわれても電話越しだぞ」
「……ピッ。ほら、39.2もあるんです」
「やけに速いな」
「……最新式なんです」
「嘘はついてないんだな?」
「もちろんです。親戚のおばあさんに誓います」
「……まあいい、そんなに具合が悪いなら病院にいくように。お大事に」
「はぁい〜」
「ったく。道下のやつ本当に体調不良なんだろうな。さて、あいつが休んで困ることといえば……ええと、内科検診は終わってるんだっけ。記録表によれば……身長……ん?」
「ふわぁ~先生どうしたんですか?また連絡してきて。寝るところだったんですけど」
「道下、知ってるか?」
「……知らないことにはできないですか?」
「この世の中にはな、単位というものがあるんだ」
「……学校に行きます」




