全知神明のゲーム人間

宝探し大冒険!

ランディルス、エスランド大陸最南端の都市。

ある吟遊詩人はかつてこう賞賛した。

「この街の至る所に海の香りが漂い、まさに海の都だ！」

ランディルスは三方を海に囲まれた崖の上に位置し、崖の上の建物は海面から約80メートルの高さにあり、一般的な内陸都市と変わりない。そして崖の両側には、エスランドで最も優れた港と魚市場があり、すべての旅人を歓迎している。

上記の紹介文を読み終えた後、私は軽く咳払いをした。

「前方がランディルスです。この街で3日間自由に活動できます。十分な遊学資金を提供します。ここで特に強調しておきますが、もしどのチームが集合前に資金を使い果たした場合、たとえ餓死しても私と欹先生は一切助けません。」

まるで一枚の黒い岩礁から切り出されたような四角いホテルの中で、欹が各チームのリーダーに宿泊証明を配布していた。

リカたち5人を見て、欹は額を押さえた。

「君たち、リーダーは誰なの？」

入学当初からこの4人はリーダーを決められず、私と欹、そして以前彼女たちを教えていた先生たちも彼女たちを放置していたため、この問題は今まで引きずられていた。

しばらく耳打ちした後、リカは嬉しそうに欹に言った。

「欹！決まったよ！」

欹は腕を組んでいた。

「おや？」

「私は勇者リーダー！」

「私は…牧師リーダー！」

「私は魔法使いリーダー！」

「イナは戦士リーダー！」

「私は後から加わったので、唯一の隊員です。」

インファンは目を細めて笑った。

欹は完全に言葉を失い、証明書をセリーヌに投げた。

「本当に君たちには手を焼くよ。セリーヌ、君が一番しっかりしているから、ちゃんと保管してね。」

私はすべての生徒の前に立った。

「ここは街の最高地点です。3日後のこの時間に、ここで集合します。自由行動の前に、いくつか注意事項を言っておきます。

ランディルスの人々は崖の中に四方八方に通じるトンネルを掘り、街のほとんどの施設も崖の中にあります。ですから、外出する際は必ず地図を持ち歩き、迷ってホテルに戻れなくならないようにしてください。

また、ランディルスは大陸の重要な港として、南方諸島に関する多くの情報や、海にまつわる様々な物語や伝説が伝わっています。もし遊学が終わるまでにあなたたちの記録にそれらの情報がない場合、その結果は自己責任でお願いします。

さて、最後に、あなたたちは遊学に来たのであって、遊びに来たのではないことを覚えておいてください。解散。」

欹は私の部屋のベッドに横たわっていた。

「いったい何がしたいの？」

私は窓際に立ち、海の上に広がるこの街を見下ろしていた。

「たまにはリラックスするのも悪くない。この先、こんな余暇の時間がなくなるかもしれないから。」

点々と灯る明かりが私の顔を微かに黄色く染め、私は欹にキャンディを投げた。

「君も散歩に行ってみたら？何か面白いものに出会えるかもしれないよ。」

「うん、昔魔族がここを攻めたとき、彼らはすぐに降伏したから、私はここに来たことがなかったんだ。」欹はキャンディを噛みながら、気にせずに言った。

「そうだ、私に食べ物を買ってきてくれ。ここの海鮮は絶品だから。」

「君は神様だよ…」

「あら、神様だってどうしたの？行ってらっしゃい、私もお勧めするよ。」

尖った耳のエルフ、しっぽを振る獣人、ひげを生やした背の低いドワーフ……ほとんどが人間の町に比べて、もともとエルフの領地にあるランティレスは、まさに多種族が集まる場所だ。

黒い石で舗装された通りを歩いていると、普通の人間はここでは目立つが、特に注目されることはない。

エランドとすれ違う魚人を見て、リカは前方の屋台を指さし、セリーヌを引っ張って走り出した。インファンは微笑み、長いスカートを少し持ち上げて後を追った。イナは焼き魚を抱えて夢中で食べており、通り過ぎる獣人の毛が服に付くことなど気にしていない。メラはため息をつき、イナを押しながら追いかけた。

五人組は賑やかな人混みに紛れて地下へと入り、いくつかの曲がり角を過ぎた後、広々としたホールにたどり着いた。老若男女がジュースや酒を手に取り、賑やかで和やかに楽しんでいた。

自分の勇ましさを自慢する老船乗り、深い感情を込めて演奏するが誰も聞いていない若い音楽家、よろめきながらもカップを高く掲げる酔っ払い……これらすべてが淡い酒の香りと混ざり合い、自然と酔いが回ってくる。

出口が見つからずにうろうろしているうちに、五人組は壁際のカウンターにたどり着いた。そこではひげを生やしたおじさんがグラスを磨いていた。

「星の海へようこそ、ここの店主です。お酒をお求めなら、あちらのカウンターへどうぞ」

おじさんは下を向いてグラスを磨いていた。

セリーヌは聞こえるように大きな声で言った。「すみません、迷ってここに来てしまったのですが、どこから出られるか教えていただけませんか？」

店主は頭を上げ、セリーヌの後ろにいる四人を見た。

「君たち……人間か？」

リカがうなずいた。

「私たちは冒険者学校の学生で、大陸の東からここに遊学に来ています」

店主のひげがピンと立った。

「すごい、すごい、こんなところで同窓生に会えるなんて、もう何も言うな、一杯おごらせてくれ！」

店主は五つのグラスを取り出し、青い濃厚なジュースを注いで五人に渡した。イナは目を輝かせて一気に飲み干し、セリーヌは早くここを出たいと思っていたが、店主の好意を断り切れず、満杯の大きなグラスを受け取った。

インファンは少しだけ口をつけ、軽くうなずいた。

「この品質のスカイブルージュースは、王室に献上されるものに匹敵するわ。甘すぎず、冷たすぎず、原料も手法も完璧だわ」

店主は親指を立てた。

「お嬢さん、目が高い！こんなに目が高いお客さんには久しぶりだ、今日は飲み放題だ！」

「イナ、もう一杯ちょうだい！」

飲みながら話しているうちに、店主の話も少しずつわかってきた。店主は学校のある町で生まれ、学校を卒業した後、故郷を離れて一人でランティレスに来て、機会を求めた。海で三十年船乗りをした後、力が及ばないと感じ、ここでバーを開いて以来、海に出ることはなくなった。

「ランティレスには異郷の人が多いが、私のように故郷に帰れない異郷の人はもっと多い。見ての通り、私の店の客はほとんどが人間で、この星の海は彼らがこの街で唯一『故郷』に関連するものを見つけられる場所かもしれないな」

店主はピカピカに磨かれたグラスを拭いていた。

雑談の中、店主は突然何かを思い出し、一枚のボロ紙を取り出した。

「そうだ、今日君たちに会えたのも何かの縁だ。これは海で手に入れたものだ。もう年を取って、いろいろなことができなくなったから、君たちにあげよう……」

「だからなんで私を引っ張り出してきたの？！ただ道に迷って通りかかっただけなのに」

欹は腰に手を当てて言った。

リカはそのボロ紙を取り出した。

「あのおじさんが言うには、これはある代の魔王が残した財宝で、それを見つければ魔王の力の秘密がわかるんだって。欹ならきっと手伝ってくれるよね？」

欹は手を広げた。

「しょうがないな、でも私たちはこの辺りに三日しか滞在しないつもりだ。どうやって行くつもりなの？」

メラは地面から立ち上がり、額の汗を拭いた。

「私が描いたこの転送陣で、宝の近くまで送ることができるけど、みんなが一緒にいられるかは保証できない……」

イナはグライダーをセリーヌに装着した。

「店主のおじさんが飛べる道具を貸してくれたよ！」

インファンは宝の地図の魔法コピーをみんなに配り、リカは勇者の剣を掲げて笑いながら転送陣に踏み込んだ。

「出発だ、今回の行動は『宝探し大冒険』と名付けよう。誰が一番最初に宝を見つけられるか競争だ！」

転送された五人を見て、欹はしばらく考え、最終的に転送陣に踏み込んだ。紫色の光が消え、複雑な紋様が灰となって散り、神秘で危険な海の深くに、六人の勇敢な冒険者が静かに降り立った。

果てしなく広がる海の上、セリーヌは片手に宝の地図を持ち、もう片方の手でグライダーを操りながら前に飛んでいた。店主が貸してくれたこのグライダーは浮遊し続ける魔法の道具だったが、セリーヌの操縦はあまり上手ではなく、速くもなれなかった。ゆらゆらと前にゆっくり飛びながら、セリーヌは何か危険に遭わないように祈っていた。

地平線に見える土色の影を見て、セリーヌは目を細め、力いっぱいそこに向かって飛んだ。

魚の群れがうごめく深海の上、イナは両手で大きな葉っぱをつかんで空を飛んでいた。この葉っぱはセリーヌのグライダーと同じく、浮遊する魔法の道具だった。

飛んでいくうちに、イナは何かおかしいことに気づいた。なぜ前に進むほど、周りの魚の群れが少なくなっているのだろう？まるで彼らが私の後ろに逃げているかのようだ……

メラはおそらく一番気楽だった。召喚した雲の上に座り、メラは雲を操って占いで出た宝の方向に飛んでいった。

魔法でコーヒーを出し、メラは淡々と一口飲んだ。しかし、彼女が気づかなかったのは、彼女の真正面の海域に黒い旗が翻っていることだった。

インファンは小さなボートに座り、プロペラが水中に波紋を立てていた。手にした宝の地図を見ながら、インファンはボートを操り波を切って進んだ。

リカは宝の地図をひっくり返したりしていた。

「これに描かれているのは何なの？」

しばらくいじった後、どうしても地図が理解できないリカは地図を捨て、勇者の剣を空に投げた。水に落ちる前に長剣を拾い、リカは剣の先が指す方向に飛んでいった。

欹に関しては、彼女は最初からトラブルに巻き込まれた。濃い霧が周りを包み込み、手を伸ばしても、欹は自分の指さえ見えなかった。この状況では、欹は方向を識別することができず、まず霧から抜け出す方法を考えなければならなかった。

巨大な触手を見て、イナは目を輝かせた。

「これはイナとリカが捕まえたあの……なんていう名前だっけ、イナ思い出せない。」

しかし明らかに、この海の怪物は以前のものとは全くレベルが違う。巨大な触手がゆっくりと伸びて、まるで空を突き破ろうとするかのようで、巻き起こった気流と波がイナを吹き飛ばした。

たった一本の触手がこれほど巨大なら、海中に隠れている本体がどれほど大きいか想像もつかない。しかしイナはそんなことを考えず、直接海水を踏んで走り寄り、触手に噛みついた。

「美味しい！」

重い砲弾がメラの雲を砕き、メラのコーヒーが服にこぼれた。

隻眼の海賊船長が湾曲した刀を振り回す。

「そこの魔法使い！自ら金を残せば命は取らないが、反抗しようとするなら金と一緒にここに残れ、ははは！」

隻眼の側にいる奇抜な格好の手下たちも大笑いし、その傲慢な笑い声は波の音さえもかき消した。

コーヒーの染みがゆっくりと消え、メラは杖を手に空中に立ち、彼女の青い髪は狂乱の気流の中で自由に舞っていた。

メラはゆっくりと杖を黒い旗の上の骸骨に向けた。

「おい、忌々しい奴ら！私のコーヒーをこぼすとは、自ら死を招くようなものだ。聞け、今お前たちは私に包囲されている。全ての財産を差し出せば、まだ少しは怒りを抑えるが、そうでなければ誰もここから立ち去ることはできないぞ。」

海賊たちはさらに大声で笑い、近くの二十門の大砲と無数の矢がメラに向かって怒号を上げた。

空を覆う矢の雨と堅固な砲弾を見て、メラは軽蔑して笑った。

「へえ、そんな古い大砲でエスランド最優秀の魔法使いに傷をつけようというのか？帰ってそのガラクタに何百層もの魔法陣を刻んでから出直してこい！」

その巨大な触手はすでにぼろぼろで、イナが力いっぱい引き上げると、触手の下はがらんどうで、海の怪物が腕を切って逃げたのか、それとも本体がたった一本の触手だけなのかわからない。

目の前の巨大なカニを見て、イナは口角を舐めた。

「これは生では美味しくない。ふふふ、ちょっと待って、イナがすぐに赤いコートを着せてあげる……」

島に降り立ち、セリーヌはがたがたの木の扉を押し開けた。ひげが地面に届きそうな老人が揺り椅子に横たわり、屋根の穴から差し込む日光を楽しんでいた。

老人は目を開け、濁った眼球には歳月の哀愁が漂っていた。「ようこそ、ああ……久しぶりに客が来たね、何か必要なものはありますか？」

セリーヌは老人に自分の来意を話した。

老人はひげを撫でながら、「あなたを望む場所に転送することはできますが、そのためには十個のココナッツを私に摘んでくれなければなりません……」

リカは嬉しそうに叫んだ。「宝を見つけたよ！」

セリーヌはチェス盤から顔を上げ、仕方なく手に持っていた駒を置いた。

イナは口を動かしながら、大食いの幻想に浸っていた。

メラはため息をついた。

「残念、あと少しだったのに。」

「なんでインファンとリカのあの二人は何の危険もなくて、私は家の外にも出られないんだよ？！」

店主は笑いながら欹の頭を軽く叩いた。

「私が発明したこのゲームはまだ完成していないんだ。だからこそ、君たちにテストを手伝ってもらっているんだよ。さあ、お嬢さん、ジュースを飲んで気を落ち着けて。皆さん、何か提案があれば遠慮なく言ってください。このゲームをより良く改善するために。」

インファンが手を挙げた。

「私は、進むマス目を決めるのに一つのサイコロを使うのは遅すぎると思う。二つのサイコロにしたら、リカに追いつけるかもしれない。」

欹は冷たく笑った。三つのサイコロでもリカの異常な運には勝てないだろう、あれ、彼女の運もそんなに悪くないかも……

しばらく考えて、欹は悲憤に満ちた声で言った。「私は、4以上を出さないと抜け出せない霧のトラップを削除することを強く提案します……」

メラは顎に手を当てて考えた。

「私はそのトラップのデザインがとても良いと思う。そうだ、このゲームに魔力値を加えて、地図を一つの輪に繋げたらどうだろう。魔力を使って道路上に建物を購入し、他の人がその建物のマスに止まったら魔力を支払うようにする。

さらに、魔力を使って建物をアップグレードできるようにし、レベルが高い建物ほど多くの料金を徴収し、異なる建物が異なる効果を提供できるようにする……魔力がなくなったら自動的に脱落……それに、もっと多くの魔力を得る方法やランダムなイベントをデザインすべきだ……」

メラのアイデアを聞いて、欹は礼儀正しい微笑みを浮かべるしかなかった。考え込んでいる店主のおじさんを見て、欹は何か忘れていることに気づいた……

私は何層もの岩を貫く視線を引き戻し、無力にため息をついた。