真夜中の再会
書架から『史記』がなくなって、長恭は泥棒が入ったのではと疑った。深夜に泥棒を待っていると、その正体は・・・。
★ 真夜中の出会い ★
侍中府から戻った長恭は、普段着の葡萄色の長衣に着替えると榻に座った。
青蘭が掖庭宮を出てから半月、鄭家や学堂、市中の茶房に何度も出掛けたが、手がかりは掴めなかった。浣衣局にいたときは、延宗を使って呼び出すという手立てがあったのに、今は再び霧の中に消えてしまった。宣訓宮に戻る長恭に、どうしようもない徒労感が襲った。
質素を旨とする宣訓宮の夜は長い。『史記』を手にしていた長恭は、蝋燭が燃え尽きると榻牀に入った。青蘭は、今ごろどこで何をしているのだろう。凍てつく寒い夜に、病にはなっていないか・・・。長恭は暗闇の中で溜息をついた。
それにしても、ちゃんと整頓しておいた『史記』は、どこへ行ってしまったのか。泥棒でも入ったのか。
長恭が榻牀に入り灯火を消すと、臥内は紫色の闇に包まれる。夜の飲酒の習慣のない長恭は、早く眠ろうと目をつぶった。すると、臥内の東の蔀戸が小さな音を立てて開いた。空耳か?いや冷たい夜の外気が流れ込んでくる。
トンと軽い音がして、何者かが入ってきた。やっぱり、泥棒が忍び込んでいたのだ。ふざけている。皇宮のしかも皇子の居所に侵入し、書冊を盗んでいくとは・・。長恭は全身を耳にしながら、泥棒の気配を追った。
『ふてい奴、手討ちにしてやる』
泥棒は軽い足取りで書房に入ると、何と書架の傍に立ち、書冊や竹簡を物色している気配がする。次は飾り物の壺などを物色するものと思ったが、泥棒は榻にすわりこんだ。ここで休憩しているのか?肝の太い奴。捕まえてやる。
長恭が気配を消して起き上がろうとすると、泥棒もいきなり立ち上がった。剣は壁際の剣架に掛けてある。長恭は寝返りを装って、背中を向けた。捕まえてやろうと身構えていると、何と泥棒は、榻牀に座った。まずい、背後から刺すつもりなのか。長恭は身を固くした。
泥棒が近付く。長恭は辱の上で素早く身を翻すと、泥棒の腕を握り、榻牀に押し倒した。
「何者だ、この長恭の居所に忍び込むとは、許せん」
反撃できないように、泥棒の胸元を腕で締め付ける。泥棒は、あっけないほど非力だ。長恭は泥棒が身動きできないように衾で巻き付けた。
「貴様は、何者だ」
長恭が蝋燭の灯りを点けると、燭台を泥棒に近づけた。泥棒は亀のように首をすくめている。
「顔を見せろ」
灯りの中で、泥棒の顔を上げさせる。
せ、青蘭、何故ここに?長恭は思わず燭台を取り落としそうになった。
「青蘭、どうしてここに」
燭台を枕元の小卓に置くと、長恭は衾に包まれた青蘭を抱きしめた。
「し、師兄、く、苦しい・・・」
長恭が慌てて衾を解くと、薄紅色の襦裙姿の青蘭が現れた。これは夢か?闇の中に消えてしまいそうな幻に長恭はすがりついた。横たわる青蘭から立ち昇る茉莉花の香が、長恭の胸を打つ。
「ああ、青蘭。なぜ、私に連絡せずに雲隠れしたのだ」
長恭は、青蘭の存在を確かめるように、額に唇をつけた。
「あっ・・それは・・」
青蘭は口ごもった。皇太后のことを悪く言う訳にはいかない。
長恭は起き上がると青蘭を抱き寄せた。
「青蘭、どこに行っていた?」
皇太后には、師兄と会ってはならないと言われたが、こうなっては隠しておく訳にはいかない。
「ここの近くに、正殿の北に」
青蘭は、長恭の腕の中で呟いた。
「正殿の北にあるのは、御祖母様の祠堂だが・・・」
祠堂は、皇宮の廟堂に行かない皇太后が一人持仏に祈る殿舎だ。鄭家に帰したと言ったのは、嘘だったのか。自分に会わせないために、青蘭を自分の居所の近くに軟禁していたのか。
「今、『女誡』と『烈女伝』を書写している。それが終わったら、鄭家に帰れると皇太后と約束したの」
青蘭は、自分と関わった罰として、女徳を著した書籍を視写させられているのか。
「御祖母様が、君を軟禁しているなんて、・・・辛い思いをさせている。すまない」
長恭は、青蘭の首を支えると桃花のような唇に口づけをした。
「御祖母様に、解放してもらう・・だから、もう少し辛抱してくれ」
長恭は、唇を下に添わせると青蘭の首筋に至った。やっと会えた青蘭が愛しい。長恭の唇が上襦の衿の奥に進もうとしたとき、青蘭は襟を掻き合わせて身体を離した。
「師兄、やめて」
学堂を離れてから、何度も青蘭の夢を見た。掖庭を出てから初めて会えたので、我を忘れてしまったのだ。
「す、すまない。つい・・・」
長恭は、青蘭の手をとると両手で包んだ。
「行方が分からなくて、心配したんだ。こんな酷い目に遭っているなんて知らなかった」
長恭の自分への想いこそ、皇太后の怒りの根源なのだ。
「新年には、ここを出られる。だから、心配しないで・・・」
学堂に戻れば。再び学問に精を出す生活が待っているはず。
「師兄が私のために懇願すればするほど、皇太后様の怒りが増すだけ・・・だから、何もしないで」
皇太后を恐れる青蘭は、必死な顔で長恭に言った。このまま宣訓宮を出せば、青蘭はきっと自分に愛想を尽かすにちがいない。そして、地位も財力も無い自分には、青蘭を引き留める術もないのだ。
「愛している、君を失いたくない」
長恭は、頬に掛かった青蘭のほつれ髪をかき上げると、優しく抱きしめた。
早く戻らなければ、・・・。自分の不在を小玉が知ったら、監視が厳しくなり過酷な罰が科せられるに違いない。外に出ようと扉の内側に立つと、後ろから長恭が抱きしめてくる。
「帰したくない」
長恭が耳元で囁いた。誰かに見られたら、皇太后の怒りを買ってしまう。
感情に流されてはならない、戻らなければ。
「御祖母様の怒りが解けるように、話してみるから・・・私を信じてくれ」
青蘭は振り返ると、笑顔を作った。
「師兄、大丈夫・・・心配しないで」
青蘭は、そう言うと扉を開けて外を見回した。夜明け前の冷たい風に吹かれる前庭には誰もいない。青蘭は灌木の陰を通って持仏堂に戻った。
「長恭に、気付かれるなんて・・・何ということだ」
青蘭は懐の『史記』を取り出すと、持仏堂の榻牀に横になった。
奴卑同然の扱いの自分と、皇子の長恭の間には、何と大きな身分の隔たりがあるのだろう。
好きな学問をしながら、好きな人と寄り添いたい。ただそれだけなのに、なぜその前途には常に困難がつきまとうのだろう。
長恭に気付かれたからには、もう書冊を探しに清輝閣には行けない。いずれ、師兄は皇太后の説得を試みるだろう。・・・だめだ、皇太后からの罰は早く片付けて、ここを出なければ・・。
青蘭は次の日から、休みを取りながらやっていた『女誡』の書写に専心するようになった。
「青蘭さん、慣れたら早くなりましたね」
監視の小玉は、笑顔で茶杯を差し出しすと、横に座り墨を擦り始めた。
青蘭が筆を滑らせると、料紙の上に端正な文字が並ぶ。それはむしろ手本よりも美しい。
「学堂に通いたときは、毎日夜中まで学んだ詩経を書写していた」
「女子なのに、学堂に?」
「女子だって、道理を学んでも悪くないでしょう?」
小玉は、流麗な筆蹟に溜息をついた。皇太后は、青蘭を皇子をたぶらかした妖女であると言っていた。しかし、小玉から見ると青蘭は化粧もせず、単なる学問好きの風変わりな女子のように見える。
「小玉も、書いてみる?」
「私なんて・・・」
小玉は、困惑顔で頭を振った。
「宮女だって、千字文ぐらい読んだほうがいいわ。・・・その気になったら、言ってね」
青蘭は、しばらく無言で書写すると、声を出して読み始めた。
「女子は卑しくか弱げに振る舞うべき」
何というくだらなさだ。後漢で最も優秀な曹大家(斑昭)の代表的な『女誡』がこのような内容だとは、書写して苦痛になるほどだ。
内容をどうこう言っていられない。ただ書写するのみだ。
青蘭は溜息をつくと、筆を走らせた。
★ 長恭の策略 ★
長恭は袋から琴を取り出すと、卓の上に置いた。香炉からは、甘い沈香の香が立ち昇る。
正殿の北にある小さな祠堂に、青蘭が閉じ込められている。皇太后の居所である正殿に隣接しているだけに、尋ねていくことはできない。
せめて、琴の音だけでも青蘭の耳に届けたい。長恭は琴の弦に指を滑らせると、右手の指で弦をはじいた。
『龍朔操』の幽玄な琴音が、指先から紡ぎ出され、西の窓から流れ出た。この清廉な琴音に自分の想いが乗リ移って、青蘭のもとに届いて欲しい。
浣衣局にいたときは、情にすがって青蘭の解放を懇願したが、結局青蘭は禁足にされてしまった。
青蘭は学問にも長け、その文字の美しさは、皇宮の秘書官にも負けないだろう。自分の想い人でなかったら、きっと祖母にも気に入られていたはずなのだ。どうすれば、青蘭の良さに気付かせることができるだろうか。
祖母を動かせるのは、やはり梁と斉との関係だ。そうだ、明日には、顔師父を訪ねて訊いてみよう。自分には見えていない策があるかも知れない。
★ 永嘉王の訪問 ★
『女誡』がおわって『烈女伝』に入ろうとしていた頃、小玉があわてて、持仏堂に入ってきた。
「青蘭さん、明後日、梁の永嘉王が帰国御礼の挨拶に来るんですって」
永嘉王と言えば、長恭と二人で梁への帰還を説得した十歳の簫荘皇子である。
やっと、許しが出て父上の元に行くのか。自分が侍女の格好をして、南院で謁見したなんて、まるではるか昔の出来事のようだ。
青蘭は顔を上げて、見えない南の空を思った。
「青蘭さん、何を落ち着いて居るのですか。房の引っ越しです。皇太后様の命で、紫雲閣への引っ越すのです」
「紫雲閣に引っ越しを?」
紫雲閣は、後苑の築山の傍らに立つ瀟洒な客殿のはず。いったい何があったのだ。今まで、居所を移動させられる度に、状況が悪くなってきた。突然の移動には悪いことしか思い浮かばない。
青蘭は筆硯と銀子の入った櫃を嚢に入れると、追い立てられるようにして紫雲閣に移動した。
紫雲閣には、長恭の兄弟たちが泊まっても可笑しくないぐらいの立派な客殿である。青蘭が室内を見回していると、婁氏の側仕えである秀児が入ってきた。
「青蘭殿は、本日より皇太后に仕えることになりました。身仕舞いをなさってください。じきに、お呼びがあります」
秀児はそれだけ言うと、質問は受けつけないというようにバタバタと出て行った。
永嘉王の来訪と関係があるらしい。
盆の上の着替えを手に取ると、上等な衣装である事が分かる。簫荘の手前、王琳の娘を奴卑として拘束していると具合が悪いからなのか。
まさか、侍女と偽って南院に行ったことを永嘉王の面前で詰問され、またどこかへ幽閉されるのか。それとも、死ぬときぐらいは立派な衣装を着せようとする婁氏の温情なのだろうか。
小玉のされるまま着替えると、鏡台の前に連れて行かれた。ここ数ヶ月の労働で疲れた顔が、銅鏡に映る。
「化粧をなさったことはないのですか?」
鏡台に広げられた化粧道具を黙ってみている青蘭に、小玉が声を掛けた。南朝では戦乱つづきで、化粧の暇もなかった。
いつの間に現れた緑衣が、青蘭の髪をくしけずる。瞬く間に高い髷が結われ、眉を剃り落とそうとする。
「眉は、整えるだけで結構よ。白粉は少し、口紅だけ」
この頃は、眉を落として蛾眉を描くのが善とされていた。しかし、男装の長い自分には不似合いな気がする。皇太后は、何を考えているのだろう。青蘭は、鏡を覗きこむと溜息をついた。
秀児の後に続いて、正殿に入る。婁氏は何を考えているのか・・・。青蘭は緊張で唇を噛んだ。
正面の榻には皇太后が座り、その右には長恭が控えている。ここで、長恭への未練を悟られてはならない。青蘭は丁寧に跪いて拝礼した。
「面を上げよ」
皇太后の冷たい声が響く。
「『女誡』の書写は、ご苦労だった。・・そなたを見込んで、・・・祐筆として仕えよ」
祐筆として皇太后に仕える?・・・皇太后は、自分が長恭に会ったのを知って、近づかないように監視したいのだろうか。
「私のような未熟者は、祐筆として相応しくないかと・・・」
青蘭は固持した。皇太后に近侍することは、危険である。長恭が礼を述べよと目配せをする。
「感謝いたします」
皇太后の怒りを買ってはならない。青蘭は頭を擦り付けて礼を述べた。
「明後日、永嘉王が帰郷の挨拶に来る。そなたたちは功労者なので、顔を見たいそうだ。・・・明後日のことについて、話をするが良い」
皇太后は、そう言うと堂を後にした。
永嘉王が挨拶に来るのか。様々な不幸に見舞われた青蘭は、事情が飲み込めない。いったい長恭は何をしたのだろう。
長恭は手を差し伸べて青蘭を立ち上がらせた。
「青蘭、打ち合わせを許された。一緒に行こう」
長恭は笑みを浮かべると、青蘭を連れて堂を出た。
★ 長恭の上策 ★
清輝閣に入ると、長恭がいきなり抱きついてきた。その勢いに青蘭は思わず倒れそうになった。
「これで、御祖母様から、解放されたぞ」
歓喜のあまり、長恭は青蘭の頬を手ではさむと唇を近づけた。
「師兄、あれは何?何をしたの?」
いったい長恭はどんな妖術を使ったのであろう。いきなりの祐筆には納得がいかない。きっと長恭が皇太后に何かと引き換えに頼み込んだに違いない。
「皇太后と、どんな取引をしたの?」
「特別、御祖母様に何もしていない。永嘉王の帰還が正式に決まったのだ。ゆえに、永嘉王から世話になった皇太后と青蘭と私に挨拶に来たいと申し出があった言ってきたのだ。何子元や梁の旧臣たちも同行するらしい」
何子元は、梁の旧臣にして史学の大学者として知られている。斉の皇太后として、王琳や何子元との関係は良くしておきたいに違いない。
「現在、何子元はお父上の家臣だ。まさか、主の息女である青蘭を、奴卑として扱っていたと紹介できないだろう?」
外聞を気にしての宮女からの解放なのか。永嘉王へ青蘭の扱いを糊塗するためで、自分を許したわけなのか。
「『女誡』と『烈女伝』を仕上げれば鄭家に戻れる約束だったの。祐筆になったら、いつここを出られるか・・・」
「祐筆になったからこそ、大手を振って会えるのだぞ」
長恭は、青蘭の怒りが理解できない。祐筆になれば、青蘭の特技を発揮できるのに・・。
「これが、師兄の策だと見破られたら、反って皇太后はお怒りになるわ。師兄が、私のために尽力する度に、皇太后の怒りを買って、遠くへ追いやられるのよ」
青蘭は横を向いた。
「今度こそ、君を守る。決して余所には行かせない・・・」
長恭は意気込んで言うが、これこそが危険なのだ。
「お願い、師兄は私に関わらないで。それが一番の上策だわ」
「お前を無視するだなんてできない」
長恭は、両手をにぎると青蘭の顔を覗き込んだ。
「皇太后様の、怒りを買いたくないの」
青蘭にとっては、祖母は恐ろしい存在なのだ。この数ヶ月、青蘭はどれほど過酷な経験をしたのだろうと想像もできない。
「分かった、君がここを出るまで見守るよ。だから、君も無理をしないで・・・」
長恭は青蘭の結い上げた髪を優しくなでた。
★ 永嘉王との謁見 ★
王琳よりの要請に応えて、来年一月に永嘉王簫莊が帰還することになった。
このことにより青蘭の父であり梁の遺臣である王琳の斉への臣従が定まった。王琳は、じきに斉の臣下としての爵位や官職を賜るに違いない。すると、王青蘭は、斉の貴族の息女ということになる。しかも、王琳の輿望は、南朝だけでなく斉でも極めて高いのだ。
母親が、豪商の一族の鄭桂瑛となれば、青蘭は嫡子でなくとも有力な後ろ盾をもつ娘となったのである。
二日後の永嘉王簫荘が、何子元などを伴って現れた。八月に訪ねたときには、頼りない子供だと思った簫荘が、今日は君主の威厳を身につけ何子元や臣下を従えている。
「簫荘にございます。皇太后様のご助援に御礼を申します」
簫荘は、拝礼をした。
「永嘉王、立つが良い」
鄴都に来たときには、わずか五歳で、頑是ない幼児であった。こんなに大きく成長したのかと、婁氏は簫荘を笑顔で眺めた。
「こちらの礼物をお納めください」
侍女の礼児が黒塗りの櫃を差し出した。中からは霊芝の香りがする。
乏しい財政の中でこれほどの礼物がよく準備できたものだ。鄭家の援助に違いない。
「高長恭殿や王青蘭殿には、大変世話になった。二人にも、ぜひ礼を言いたいのだが」
「それは、それは、皇太后府の者が役にたって何よりだ」
簫荘が辺りを見回すと、婁氏が右手を挙げた。長恭と青蘭が、小玉に導かれて現れた。
長恭の姿を見ると、簫荘の顔がぱっと輝いた。
「まだ未熟な私ですので、長恭殿と青蘭殿には、梁に戻るまで学びたい事がたくさんあるのです。また時々遊びに来ていいでしょうか?」
簫荘は、何心ない孫が祖母に懇願するように笑顔を作った。
「おお、そなたは我が孫と同じ、いつでも来るが良い」
婁氏は、懐の深さを示すように快諾した。
散騎侍郎の職にある長恭は、時々しか相手ができない。結局は、青蘭が簫荘の話し相手をすることになるのだ。いつ何時、簫荘が訪ねてくるかも知れないとすれば、青蘭のこれからの身分も保障されると言うことだ。
長恭が簫荘の方を見遣ると、何子元はわずかにうなずいた。
永嘉王一行は、しばらく皇太后や長恭と語らうと南院に戻っていった。
皇太后府の持仏堂に閉じ込められていると知った長恭は、青蘭を解放させるために永嘉王簫荘の力を借りることにした。