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質問

「それでは、今日はここまでにしましょうか。」

「はい。今日もありがとうございました。」


ジュードが私の家庭教師代理になって、数週間が経った。

相変わらず彼の教え方は上手く、毎回少しだけ授業が楽しみになっているほどだ。

けれど私は、基本的に授業中も授業以外でもジュードと話さないようにしている。もちろん、分からない事があった時に質問したり、ジュードから話しかけられたりしたら返してはいるが、なるべく無駄話しない作戦だ。

そのおかげか、いつもニコニコで優しい腹黒さのかけらもないジュードの状態を保っている。


(うんうん。いい感じだよね。私の事は何の興味も引かれない、ただの一生徒という認識でしょ!)


テキパキと授業の後片付けをして、帰る支度をしているジュードを見ながら、心の中で満足気に頷く。


ふと、先程授業終わりにジュードから渡された、復習用の問題が書かれている用紙に目を落とす。


(あれ?この問題だけ、授業内で説明受けてないな……。……ジュードに聞いておくべきかな?)


もうそろそろ、帰り支度が終わりそうなジュードを見ながら私は悩む。


この数週間、私がこのタイミングで彼に話しかけた事はない。話しかける必要も無かったし、授業が終わったら挨拶以外の言葉は極力話さないようにしていたからだ。


(……まあ、勉強に関する事だし聞いても問題ないよね。この問題だけ分からなくて、もやもやするのもなんか嫌だし。)


そう思って、私はジュードに呼びかける。


「ジュード先生。」

「はい。なんでしょうか?」

「少しお時間よろしいですか?」


私が声をかけると、いつもの優しい笑顔で振り向くジュード。そんな彼に私は少し近づき、一応尋ねる。そんなに時間がかかる質問ではないが、この後彼に急ぎの予定があっては申し訳ない。


「……はい。もちろん、大丈夫ですよ。」


……何か返答に一瞬間があった気がするが、気のせいだろう。そう思って私は、ジュードに問題用紙を見せながら質問する。


「ここの問題だけまだ習っていないと思うんですけど、簡単にでもいいので教えて頂いてもよろしいですか?」


私の質問の内容を聞き、少し驚いた表情を見せたジュードだが、すぐに笑顔に戻る。

……今の質問に驚く要素あっただろうか?


「ああ、ここですか。確かに今日は時間がなくて教えてあげられなかった所ですね。わかりました。じゃあちょっとだけ、解説しましょうか。」

「ありがとうございます。」


ジュードは持っていた荷物をもう一度置いて、私の質問に丁寧に答えてくれる。


「ーーーで、ここの答えはコレになるわけです。」

「なるほど、理解できました。ありがとうございまーー!」


問題用紙の方に向けていた顔をジュードの方へと向けると、思いの外ジュードの顔が近くにあった事に少しだけ驚く。


(びっくりした。……いやまあ、2人して1枚の紙を見ていたら距離は近くなるか。)


私はゆっくりと1歩後ろに下がると、改めてお礼を言う。


「お時間頂きありがとうございました。」


そんな私に、ジュードはまた少し驚いた顔をする。……私は何か驚くような事を、知らず知らずのうちにしているのだろうか。


「本当にキミは……ふふふ、とても真面目ですね。」

「はあ。ありがとうございます?」


とりあえず、褒められたのでお礼は言っておくが、何か裏がありそうで嫌な予感がするのは気のせいだろうか……。

読んでいただいき、ありがとうございました。

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