初授業
「ーーーと、こういう経緯でこの魔法が誕生し、さらに派生していく事になるんだ。例えばーー」
(………やばいジュードの授業、めっちゃ分かりやすいんだけど!教えるの上手いな……。)
授業が始まってしばらくジュードの事を警戒していた私だが、彼の授業の上手さに思わず感心してしまう。
今のところジュードの本性が出てくる気配はない。
(まあ、ゲームの中でも彼の好感度が上がっていくにつれて本性が見えてくる感じだし、何もしなければ真面目に勉強を教えてくれる、普通にいい先生なんだよな。………そうか、この状態を保つには好感度を上げなければいい?)
ゲームでは、ジュードルートに行くには彼に関する全てのイベントを見なくてはいけない。その為には積極的に先生に話しかける必要があった筈だ。
(つまり、積極的にならなければいいのか!)
先程ジュード本人が言っていたのだが、私以外にも家庭教師として教えている子が何人かいるらしい。つまりその複数いる教え子の中の1人としてこちらからは何もしないで、ただ授業を受けるだけでいい。
目指せ!目立たない生徒!
簡単に解決策が思いつき、私は心の底から安堵する。
その時、突然ジュードに問題を出される。
「それでは、ここの答えはなんでしょうか?私の話をちゃんと聞いていれば、解るはずですよ?」
あ、やばい。この質問のされ方は授業をちゃんと聞いてなかったと、疑われているヤツだ。
……まあ、正解なんだけど。
しかし、その問題の答えは解る。
何故って?前に本で読んだ事があるからです!
「水魔法です。」
私があっさり答えた事に、少し驚いた顔をしたジュードだがすぐに笑顔に戻る。
「正解です。ふふふ、クロエお嬢様は私の授業をちゃんと聞いてくれてるみたいですね。」
(正直、今ジュードが教えてくれているところは既に自分で本を読んで理解しているんだよね。)
だから授業をちゃんと聞いていなくてもわかってしまう。
けれど、腹黒いジュードの機嫌を損ねるのは何か嫌な予感がするので、この後私は真面目にジュードの授業を受けるのだった。
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