僕の気持ち
リオン視点のお話です。
夕食を食べた後、僕は自分の部屋へと戻ってベッドへ仰向けに倒れ込んだ。
頭の中は先程、兄様が言った言葉でいっぱいだ。
『クロエの事が好き』
まさか兄様が姉様の事を恋愛感情として好きだとは思わなかった。
……いや、思い返せば思い当たる節はある。基本的に無表情な兄様だが、時折姉様へ向ける優しげな表情は、愛おしさに溢れていた気がする。
「はぁ……」
もしも大好きな2人が結婚するのなら、僕にとってとても嬉しい事のはずなのに、何故か胸の辺りがモヤモヤする。素直に喜べない。
しかも姉様に兄様の事をどう思ってるか聞いた時、姉様が兄様の事を好きかわからないと言った事に、僕はホッとしてしまった。
何でこんな気持ちになるんだろう。瞳を閉じて考える。
「兄様にも、姉様を取られるのは嫌だな……」
無意識にそんな言葉が出ていた。そんな自分に驚き、ふと、気づく。
「僕も姉様が好き、なんだ……」
好き、という言葉を口にした瞬間、胸の奥がギュッとなる。けれど、よく分からなかった自分の気持ちはハッキリとした。
……ああ、いつから僕は姉様に恋をしていたのだろう。
姉様と出会った時から今日までのことを思い出す。
「………きっと、あの時からだ。」
あの日、僕が部屋で1人で泣いていた時。優しく抱きしめて、大丈夫だと言ってくれた、生きていても良いと、僕の存在を初めて肯定して微笑んでくれた姉様に、きっと僕は恋に落ちたんだ。
だってそれからというもの、姉様の笑顔を見るたびに嬉しくて自分も笑顔になって、できればずっと一緒にいたくて、姉様が傷つけられたら守りたいと思うようになったのだから。
「ははは………そんな出会ってすぐの頃から好きだったなんて……どうして気づかなかったんだろう。」
自分の中で答えが出たけれど、どうしたらいいのかわからない。
もし、僕が兄様と同じ気持ちを姉様に持っているなんて、兄様に知られたら嫌われてしまうかもしれない。……それは嫌だ。
だって僕は、兄様の事も尊敬していて家族として大好きなのだから。
「……どうしよう」
姉様の事は好き、でも兄様との関係も悪くはしたくない。……心の中がぐちゃぐちゃで泣きそうだ。
そんな時、扉をノックする音が聞こえてきた。
僕はゆっくりとベッドから体を起こし、ノックの主に声をかける。
「……どうぞ。」
扉が開き僕の部屋に入って来たのは、兄様だった。
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