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お祖父様

「確かに、これはアリスがいつも身につけていたブルーダイヤのネックレスに間違いない。……それに、ここに描かれているのアリスだ。」


お父様に言われ持ってきた、お母さんの形見のネックレスとおじさんが描いてくれた絵をクロイツ公爵に見せると、彼は嬉しそうに、けれど少しだけ悲しそうに微笑みながらそれらを見つめる。


「生きている間に会えなかったのは本当に残念だが、アリスが眠っている場所もわかったし、それにこんなに可愛らしい孫がいたなんて……私がとても嬉しいんだ、グレースが生きていたら大喜びしていただろうな。」


そう言いながら、笑うクロイツ公爵。


「あの、クロイツ公しゃーー」


私が彼の口から出てきた人物が気になって、思わず質問しようとすると、クロイツ公爵は眉を下げ首を横に振る。


「クロエ、私の大切な可愛い孫よ。クロイツ公爵、なんて他人行儀な呼び方はやめてくれ。」


そう言われて、たぶんおじいちゃんとかお祖父様と呼べば良いんだろうなとすぐに理解するが、なんだか恥ずかしい様な嬉しい様な、なんとも言えない気持ちになる。

そんな私が口を開くのを、ニコニコとしながら待つクロイツ公爵、もとい……お祖父様。


(……流石に公爵を人前でおじいちゃんとは呼びにくい。うん、お祖父様と呼ぶ事にしよう。)


そう、心に決めて改めてお祖父様に尋ねる。


「お祖父様、グレースさんというのは誰ですか?」

「ああ、グレースというのは私の妻。つまりアリスの母親で、クロエの祖母だ。……5年前に亡くなってね。とても明るく優しい人だったよ。……アリスの性格はグレース似だったな。」


その言葉に、そうかお祖母様は亡くなってるのか、と少しだけ寂しい気持ちになる。


(…天国でお母さんとお祖母様が会えている事を祈ろう。)


私が心の中でそんな事を思っていると、お祖父様は私の頭を撫でながら微笑む。



それから、私はお祖父様と色んなの話をした。


私はお母さんと過ごしてきた日々の思い出、お父さんとお母さんがいかに仲が良かったかなど、覚えていることは殆ど話したと思う。

お祖父様はお母さんの子供の頃の話や、学生時代の話を懐かしそうにしてくれた。学生時代の話をしている時は、同級生だったお父様とお母様も混じり盛り上がった。


「そういえば、クロエは魔法は使えるのか?」


話が一段落したところで、お祖父様が不意にそんな事を聞いてきた。

ギクリとする。お父様、お母様、リオンにはもちろん、レイスにすら言っていない私の秘密。


私は本当にのことを言うべきか、脳内で瞬時に計算する。……結果。


「……私は、使えないです。」


なんとなく言わない方がいいんじゃないかと思って、黙っておく事にした。


「そうか。アリスは水魔法が得意だったからな、もしかしたら今後クロエも使える様になるかもしれないな。」


そう言いながら笑うお祖父様に、私も笑って誤魔化す。


(ごめんなさい、本当は使えるんです……。)


と、心の中で謝りながら。

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