訪問者
クロエ視点に戻ります。
お母さんがまさかの公爵令嬢だったという衝撃的な事実が判明した日の翌日、お父様とお母様は急いでクロイツ公爵家へ、お母さん…アリスが最近まで生きていた事、私という娘がいた事、そして、今アリスはアストレア領の地で眠っていること、全てを書いて手紙を送った。
……それもそうだ、身内のことだものクロイツ公爵家の人々には知る権利がある。
そして、すぐに返事の手紙は届く。その内容は、私と会って直接話がしたい、というものだった。
そんな手紙が届いて数日が経ったある日。
「レイス様、クロエ様、リオン様。旦那様と奥様がお呼びです。至急応接間へときてほしいと。」
レイスの部屋で3人のんびりしていると、メイドさんが急いだ様子でやってくる。
「誰か来たのか?」
「アシェル・クロイツ公爵様がお見えです。」
メイドさんの突然の一言に、思わず飲んでいた紅茶を吹き出しそうになる。
私だけじゃなく、レイスもリオンも驚いた表情だ。
「ゲボッゲボッ!……と、突然すぎじゃない?」
「ね、姉さま、大丈夫ですか?」
「う、うん、ありがとうリオン。……って、それより、早く行かなきゃ!」
「そうだな。」
私達は応接間へと急ぐ。
応接間の扉の前へとやってくると、レイスが扉をノックする前に私へと尋ねる。
「大丈夫か?地味に緊張してるだろ。」
「……バレた?……私からしたらおじいちゃんと初対面なわけだし、少しだけね。」
そう言って私は数回深呼吸をする。
よし、と覚悟を決めて、レイスに目で合図する。レイスは私に小さく頷き返すと、応接間の扉をノックした。
応接間の扉が開かれ、私達3人は中へと入る。
お父様とお母様が座っている向かい側に、優しそうな初老の男性。
そんな彼は私を見た瞬間、驚きで目を丸くした。
「閣下、私達の子供たちです。……ほら挨拶をして。」
そう、お父様に促され私達は順番に挨拶をする。レイス、リオンと挨拶して行き、最後は私の番。
「お初にお目にかかります。クロエと申します。」
私が挨拶し終わると、クロイツ公爵はぐっと涙を堪えたような顔を一瞬だけして、すぐに笑顔で私達へと挨拶をしてくれる。
「はじめまして、レイス、リオン。それにクロエ。私はアルシェ・クロイツ、よろしく。」
挨拶し終わると、クロイツ公爵は改めて私へと向き直り視線を合わせるようにしゃがむ。
「……ああ、手紙に書かれていた通り。本当にあの子に、アリスにそっくりだ。」
そう言って一度は堪えた涙が、クロイツ公爵の頬を濡らした。
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