再会
「私に手紙?」
月日が流れ、私は8歳になっていた。
そんなある日、私宛に一通の手紙が届いた。
メイドさんから手紙を受け取り確認する。差出人は孤児院で大変お世話になった、ナタリアさん。早速封を開けて手紙を読む。
手紙には、私の心配から始まり、孤児院の近況などが書かれていた。他の人から見ればとても他愛のない内容だろうけど、私を懐かしい気持ちにさせるには十分だ。
孤児院にいた時の事やそれよりももっと前の事、色んな思い出が蘇る。
だからなのだろう、ふと、もうすぐ大切な日だという事を思い出す。
「ああ、もうすぐ、お父さんとお母さんの命日だ。」
数日後。
私はポーラの街へと来ていた。変わらない街並みに懐かしさを覚える。
今日の目的は、お父さんとお母さんのお墓参りだ。本当はレイスとお母様もくる予定だったけれど、2人共どうしても外せない用事ができてしまい、結局私だけが来ることになった。
とは言え、まだ子供の私を1人で外出させるのを心配したお父様が、メイドさんと護衛の騎士を1人づつ付けてくれた。
馬車を降り、お父さんとお母さんが眠っている墓地へと向かう。
正直当時の事は朧げにしか覚えていないので、墓地を管理している人に場所を聞き、ようやく両親のお墓を見つける。
どうやら、誰かが定期的に掃除してくれているのだろう、思っていたよりもお墓は綺麗だった。
持ってきていた花を供えて、墓前に膝をつき手を合わせる。
「今まで来れなくてごめんね、お父さん、お母さん。でも今年はちゃんと、命日に来れたよ。……私ね公爵家の養子になったの。びっくりでしょ?それに弟もできたの。……公爵家の人達はみんないい人で、私は今、ちゃんと幸せだよ。だから、安心してね。」
伝えたい事はまだまだいっぱいある。けれどそれを全部伝えていたら日が暮れてしまいそうだ。
「絶対、また来るから。今度は、そうだなー、今の家族を紹介できたら良いな。……それじゃあまたね、お父さん、お母さん。」
立ち上がり両親に別れを告げた時、懐かしい声に名前を呼ばれる。
「クロエ?クロエじゃないか!」
振り向くとそこには、驚いた顔のゲルドおじさんが立っていた。
「おじさん!」
思わぬ再会に嬉しくておじさんに駆け寄ると、おじさんは私を力強く抱きしめた。
「ああ……こんなに大きくなって。元気だったか?」
「うん。おじさんも元気そうで安心した。……ところで、おじさんはどうしてここに?」
私が尋ねると、おじさんは私を抱きしめていた腕を解き、手に持っていた花に視線を向けながら答える。
「わしもお前さんの両親の墓参りだよ。」
どうやらおじさんは、定期的に私の両親のお墓参りに来てくれているらしい。
どうりでお墓が綺麗なわけだ。
「おじさん、ありがとう。」
「気にするな。……ところで、クロエ。お前さんまさかとは思うが、1人でここまで来たのか?」
「まさか!あそこにいる2人と来たの。」
私は少し後ろで控えていた、メイドさんと護衛の騎士を指差す。
その2人を見ておじさんは不思議そうな顔をする。
「クロエ、今は孤児院にはおらんのか?……もしや、あの2人は里親か?」
「あー、あの2人はその、お付きの人というかなんと言うか、里親ではないよ。」
「お付きの人?……クロエ、お前さん今どこに住んでるんだ?」
その質問に答えるのを一瞬躊躇う。別に公爵家の養子になった事を隠す気はないのだが……たぶんおじさんはかなり驚くだろう。……倒れないか心配だ。
「……アストレア公爵家、です。」
「公爵家だと⁉︎」
私の予想通り、おじさんは驚きの余り固まってしまった。
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