赤面
先程までいた場所に戻ってきた私達はそれぞれパーティーを楽しむ。
リオンとサラは飲み物を取りに行き、たぶん本人は不本意だろうけどレイスは他の参加者に捕まり話をしている。遠目に見えるレイスの顔は不機嫌そうだ。
残された私とアルバートは他愛のない会話をして、みんなの事を待ていた。
「………さっきはごめん、クロエ。」
「?何がです?」
突然の謝罪にわけがわからず、何のことかと聞き返す。
「本当は彼等に一言謝罪をさせてから帰すのが1番良かったんだろうけど……。」
「ああ、その事ですか。……私はあの対応で良かったと思いますよ?」
先程の彼等のあの様子では、心にもない謝罪で済まされるのが目に見えていた、だからアルバートの下した判断は間違っていない。
私の言葉にアルバートはホッと胸を撫で下ろす。
「そう言ってもらえてよかった。」
「それよりも、私はアルバートに驚きました。あんな怒った表情もできるんですね。」
「え?俺そんな顔してた?……参ったな。」
そんな顔見せるつもりじゃなかったと、アルバートは頬をかきながら気まずそうに視線を私から逸らす。
「クロエが酷い事を言われてるって聞いて、自分でも思ってたより余裕なかったみたい。……カッコ悪いな。」
「そんな事ないですよ。アルバートの新しい一面が見れて、何だか得した気分です。……それに私とリオンのために怒ってくれて、嬉しかったですよ。ありがとうございます、アルバート。」
笑顔でそう言えば、なぜかアルバートは口元を押さえながら下を向く。その顔は何故か赤い。
「大丈夫ですか、アルバート?具合でも悪いんじゃ……」
「い、いや、大丈夫!」
何故か焦った様子のアルバートを不思議に思っていると、サラとリオンが戻ってくる。
「姉様!」
「クロエ、殿下、お待たせしましたわ。」
「おかえり、2人共。」
「……殿下、お顔が赤いですわよ?熱でもあるのでは?」
サラもリオンもアルバートの様子が気になるようで、3人でアルバートを見つめる。
「な、何でもないんだ、本当に!あ、ああ、そうだ、他にも挨拶しないといけない子達がいたんだ!それじゃあ、俺はもう行くね!レイスによろしく!」
私達の視線に居た堪れなくっなったのか、そう言い残しアルバートは足速に私達から去っていった。
それと入れ違いで、レイスが戻ってくる。
「今アルバートが急いで向こうへ行ったけど……。どうかしたか?」
「いや、私達もよくわかんない。」
「……まあ、いいか。」
興味のなさそうなレイスの態度に思わず苦笑する。
その後は特にトラブルもなく、ガーデンパーティーは無事に終了した。
後日大量の謝罪文がアストレア家に送られてきて、今日の出来事を知ったお父様とお母様がトーマス伯爵家を没落寸前まで追い詰めたのは、また別の話である。
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