見失う
「アルバート、よくあの人数に囲まれた状況から抜け出せたな。」
「ああ、「レイス達と話があるから」と言って抜けてきたよ。」
「……俺たちをダシに使うな。」
にこやかにそう言うアルバートに、レイスは若干眉間に皺を寄せて、ため息混じりに言葉を返す。
そんな2人のやりとりに、私とサラは思わず苦笑してしまう。
「実際、レイス達と話をしたかったのだからいいだろ?……それで?この間言っていたリオンはどこかな?」
「ああ、リオンならここにーー」
アルバートに尋ねられ、リオンを紹介しようと背後を振り返る。しかし、そこにいると思っていたリオンはいなくなっていた。
「リオン⁉︎」
慌てて周囲を見渡すが、リオンの姿はない。
「さっきまでいたのに……レイス!」
「悪い、俺も目を離してた……!」
レイスも気づいていなかったらしく、珍しく焦った表情だ。
「ちょっと私、探してくる!」
そう言いながら私は駆け出す。無駄に広いパーティー会場をひたすら駆け回り、リオンを探す。
暫く探して、ようやく遠目でリオンを見つけた。
リオンがいる場所はパーティー会場の隅の方。
日陰で少し暗く、あまり人目につかない場所だ。
何故そんな所に?と思いつつ近づいて行くと、そこにいるのがリオンだけではない事に気づく。
リオンの周りに数人の男の子達。嫌な予感がする。
そう思った私は急いでリオンの元へと駆け出した。
リオン達に近づくと、彼等がリオンに何か言っているのが聞こえてくる。
「おいおい!公爵家の養子になって調子にでも乗ってるのか?何で殿下主催の格式高いパーティーに、お前みたいな呪われた奴がいるんだ?お前みたいな奴は、地下の暗い部屋に閉じ込められてるのがお似合いなんだよ。」
「お前がいるだけで空気が悪くなるし、お前と同じ空間にいたら俺達まで呪われちまうかもしれないだろ?勘弁してくれよ!」
彼等はニヤニヤと笑いながら聞くに耐えない言葉の数々を、リオンへと浴びせている。
リオンを見れば俯き震えている。
その光景に、怒りのあまり声をあげそうになるが、理性をかき集めなんとかグッと堪える。
(落ち着け、私。ここは冷静になれ。感情に任せるな。)
そう自分に言い聞かせ、私は怯えているリオンを庇うように、その男子達の前に立ち塞がった。
読んでいただいき、ありがとうございました。
ぜひブックマーク、下の評価をよろしくお願いします!
していただけると、とても嬉しいです。




