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第7話 真相



 そこで、「はいはい、人間さーん」と俺を出迎えにでてきた妖精が、驚く。


 すると、その妖精がみるみる大きくなって、成長した人間の女性の姿になった。


 その姿は、今俺が思いを寄せている彼女とそっくりの姿だった。


 混乱して彼女をみると、今度は彼女の姿は妖精に変貌していた。


 妖精になった彼女は俺に話す。


 自分は元は妖精で、人間に憧れていた。という事を。


 それで、彼女は幼いころから人間と入れ替わっていたのだと。


 けれど、俺の言葉をきいて入れ替わりをやめる事にしたのだ。


 入れ替わられていた少女は、子供の時に妖精と入れ替わったその当時の姿のままだった。


 つまり、俺の知っている少女の姿だった。


 妖精に戻った方は「今まで騙していてごめんなさい」


 そういって、彼女は姿を消してしまった。


 俺は、その後も何時間も彼女の姿を探したが、とうとう見つける事ができなかった。


 人間に戻った少女は、「久々にお母さんとお父さんに会える!」家に帰ったようだった。


「あの子は妖精の中で虐められてたみたいだから、可哀そうだなって思ったんだけど。もういいのかな。なんでだろう」と最後に首をかしげながら。


 けれど、俺はこれからどうしていいのか分からなくて、家に帰る事も忘れ、秘密基地でぼうっとし続けていた。







 何時間も経った頃、俺は決断した。


 俺が初めて好きになったのは、あの妖精にされた少女だ。


 けれど、今好きなのは、人間になっていた妖精の女性なのだ。


 ある事を決意した俺は、何日も秘密基地の付近を探し回った。


 気が触れたと言われてもかまわなかった。


 そして、俺はとうとうその目当ての存在を見つけたのだった。


 彼女は好きな人には幸せでいてほしいと言っていた。


 だから、俺もそう考えて、行動し続けるだけだ。


「俺を妖精にして入れ替わってくれ」


 あの世界で、一緒に生きられないなら、一緒にいられる場所まで行くだけだ。

 そう決意した俺は妖精と取引をした。






 それから月日は流れたが、俺はとうとう彼女を見つける事ができた。


 一人ぼっちでいた彼女を。


「恋の為に人間をやめるなんて馬鹿げてるわ」

「幸せになるために、妖精をやめていた貴方のセリフではないですよ」


 そして、俺は彼女に告白したのだった。


 家族には悪いが元の世界にもどることは考えていない。


 たとえ生きる世界が異なっていても、好きな人が幸せならばそこにいたいのだ。



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