表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

第6話 好きな人には



 屋敷を抜け出した彼女と俺は、一緒に町をめぐる事にした。


 彼女はそうとうな箱入りらしくて、色々な物を見ては目を丸くして驚いていた。


 とある店の前で、買い物をするのにお金が必要だと聞いて納得した彼女は、以前無銭飲食してしまった事があるらしい。


 一つ一つの事柄に大仰に驚いては目を丸くするさまは、まるで子供のようだった。


 普段とは違う無邪気なその様子に俺は心が惹かれていった。


 そんな俺は、その次も彼女と屋敷を抜け出す事に決めた。


 屋敷にいる時と違って、彼女と変装して下町を歩いたり、観光名所を巡っていくのは楽しかった。


 そんな月日を積み重ねる事で、俺と彼女は徐々に仲良くなっていった。


 しかし、事態は思わぬ方向へめぐっていく事になる。


 それは俺がある時、初恋について話した時だ。


 彼女は沈んだ表情になった。


 そして、「今でもその子の事が好きなの?」という。


 俺は恥ずかしい思いになりながらも、「ええ、まあ」と返事をした。


 その言葉を受けた彼女は、なぜか「そう」と暗い表情のままだ。


「俺、好きな人には幸せになってほしいんです。何か悩み事があるなら俺に相談して下さい」


 俺は、彼女の性格が変わってしまったのは、何か家の事で問題があるのではないかと考えた。

 

 だから、彼女に打ち明けてほしかったのだ。


「そうよね、好きな人には幸せになってほしいわよね。分かったわ。真実を話す」


 彼女は決心したような表情で、俺をある場所へとつれていった。


 そこは、あの秘密基地だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ