第2話 悪女に
貴族の家の子供として、結婚相手に自由できない事は分かっていた。
けれど、それも多くの人のため、家のためとのみこんでいた。
たとえ好きでなかったとしても、できるだけ妻となった相手と一緒にがんばっていこうと思っていた。
けれど、奇跡が起きたのだ。
お見合い相手として提示された写真の中に、初恋の女性がいた。
心の底から好きになれるかもしれない相手と巡り合う事ができた。という幸運に、胸が弾まないなんてありえないだろう。
だから、どきどきしながら会いに行ったのだが。
そこからの、ゴミ発言。
地獄に落とされた。
落下地点は、天国だったのに、
落差で死ねる。
俺は思わず地面につっぷしてしまった。
俺が何をしたというのだ。
幼い頃はかわいくて、素直で、かわいくて、天然で、とってもかわいかったのに。
そんな彼女が、(どんな事があったのか知らないが)悪女になりはてていた。
彼女のお世話をしている使用人にが飲み物をもってくれば「好きなお茶じゃないわ」と淹れなおさせる。
お茶受けにゴミが入っていたとなれま「こんなもの食べられるわけないじゃない」と目の前で捨てる。
極めつけは、オロオロしている使用人に「失敗が多いからクビよ」と解雇を宣言。
悪女街道をこれでもかというくらい、突き進んでいた。