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第1話 初恋の少女
初恋の少女は俺にとって特別な存在だ。
何しろ初恋はその名の通り、初めての恋だからな。
その時の事は、強く覚えている。
とても記憶に残っていた。
あの少女の事は、大人になった今でも鮮明に思い出す。
思い出のとある場所で出会ったその彼女の姿は、目の前にいるかのように思い浮かべる事ができる。
仲良くなって色々遊んで、妖精のおとぎ話を聞いたり、積み木をしたり、お絵描きをしたり色々やったな。
だから、久々にそんな少女と会えるとなった俺は、とてもドキドキしていたのだ。
両親が紹介したお見合い相手の屋敷へと向かう。
けど、そんな俺のドキドキはすぐに別の感情にとってかわられた。
「誰が来るかと思ったら、お見合い相手? 何だ、ただのゴミじゃない」
俺の事忘れられてる。
しかも何があったのか、初恋の少女は性格の悪い悪女に変貌していた。