黄色の線の内側へお下がりください
電車乗る前によく聞くけど、文字にすると何か変だな…
サブタイトル・・・
何か、話し合って解決しようっつってもダメっぽい雰囲気だね
当たり前じゃない。対等に話そうったって、あたしとあんたが初めから対等なワケないじゃない
そうだねぇ、ゴメンネ、遥か上の立場で
ざけんじゃねぇよ!! 逆だっつのっっ!!
ガッシャーン!!!
「あーあ、器物損壊だよ。警察呼ぼうかな」
相手のオカマちゃんが握った金属バットは、手近にあったバイクを破壊した。
つか、どんだけ力あんだよ・・・。
ニヤリ、と笑ったソイツの顔は完璧オトコだった。
それこそよくある恋愛映画の、低俗で卑しい敵役の男みたいな顔だった。
「あたしに文句言おうモンなら、このバイクと同じ目に遭わされるってのが分かってんのよ。物分りの悪い誰かさんとは違ってね」
「あれ、それって私のこと?」
「当たり前じゃない!!」
「んー、どっちかってと頭の回転の方はあんたらの方が悪いんじゃない?」
!!!
身の危険を感じて思わず飛び退くと、今まで立ってた所に鉄パイプやら石つぶてやらが転がっていた。
随分と命中精度高いんですなー。
「ホラ、そういうトコ。分かってる? 力で全て片付けようとするところ、そーゆーのが頭悪ぃって暴露してるようなもんなの」
ガシャンっっ!!
「痛っ……」
背中にフェンスが食い込んでいる。
それより目の前の鬼の様な形相の方が、ヤバイ。
「ざっけんじゃねぇよ!!!! チビで弱えくせして、ちまちま言って咆えてんじゃねぇよ!!!」
唾が顔にかかってくる。
胸倉を締め上げられて言葉に詰まる。
早く、早く、早く、来てよ、ねぇ
そろそろ、本気でヤバイ
力が・・・抜ける・・・・・・
ガッ
相手が拳を振り上げたとき、相手の額を蹴り飛ばした靴があった。
いつもレールを越えて来るから、さび色だらけの古ぼけたスニーカー。
シャンッ
目の前に降り立った灰色のパーカー。
穿いているジーンズは所々鉄条網で引っ掛けた破れ目がある。
「よう、珍しいじゃねーか。お前がオレに助けを求めるなんて」
ずっと通話状態にしておいたケータイから、彼は鋭くこの状況を把握したようだ。
まぁ、私も慶ならそれが出来ると思って電話かけたんだけど。
「やむにまれない事情でね、何とかできなかったもんで。まぁ、二人でも何とかできるとはあんまり思えないんだけど」
唇の端を切ったオカマちゃんの憎々しげな目つきを目の端で捕らえながら、淡々と状況説明してみる。
「いや」
……へ?
「オレだけで何とかできる」
本気?
「だ、だってあんな人数・・・」
ざっと見て20人以上は居ますが──…。
「分かったから、大人しく待ってな」
言い終わる前に慶は走り出していた。
一番前の鉄パイプを振り上げていた男を、体を沈めて鉄パイプをかわしてから鳩尾に拳を叩き込んであっさり倒した。
それからの快進撃は留まる事を知らなかった。
あっという間に20人あまりが道路に転がっていた。
仕掛けた張本人のオカマちゃんは、慶の前で腰を抜かしてへたり込んでいた。
そいつを見る慶の目に、激しい憎しみの炎がちらついて、まるで慶じゃないみたいだった。
「ダメッ、手を上げちゃ・・・そいつと同じになっちゃうんだよ!! そんなの…私がイヤっっ!」
口が、勝手に言葉を紡いでいた。
ピタッと動きが止まった慶に駆け寄り、そっと手を握った。
いつの間にか、あのオカマちゃんは姿を消していた。
次回このお話の最終話です。
今まで読んでくださった方、本当にありがとうございますm(_)m
でも、まぁ二人のその後が気になるので番外編、やっちゃいますvv