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タロウの帰る場所
ボクはもう体が痛くない状態で気がついた。
大好きなハナ先生の前足の中に居るらしいボク。
なんか匂いがぜんぜん無いのが生まれて初めてかもしれない。
とにかくボクはハナ先生の傍に帰ってきたようなんだけど、目を赤くして苦しそうなハナ先生の前足の中から離れたところにボクの居場所が出来た。
ボクとボクの体が離ればなれ。
変なの。
ハナ先生、ボクは此所に居るよ。
二本足のタロウのことを考えなくてもボクがずっと傍に居るから、そんな苦しそうな顔しないで。
ボクのことを撫でてくれるハナ先生の手の感触が遠くなった感じするけど、ボクはずっとハナ先生の群れの一番。
ボクはハナ先生が大好きです。