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ハナ先生と一緒  作者: トキオリオン
6/7

タロウの居場所

嫌な臭いの二本足に身体の自由を奪われたボクは、めちゃくちゃ眠くなった。


この場から逃げないと危険な感じが強くなる。


でもボクは逃げることができない。


お腹が痛くて仕方ないのも手伝って、ボクは逃げることを諦めた。


ボクがボクじゃなくなった感じと言うか、ボクは何もできなくなって、怖くなってハナ先生の姿を探したけど、見当たらないし、大好きなハナ先生の匂いが無い部屋で、お腹にギラギラ光るものを押しつけられた。


ボクの牙より鋭いそれはボクのお腹の皮膚に当たった。


痛くないけど怖かった。


ボクはもう助からないと思った。


ボクはハナ先生のところに帰りたいと願ったけど、それは叶わない願いだと感じた。


どれくらい経っただろうか。


長いような短いような怖い時間が過ぎて、ボクのお腹の痛みは酷くなった気がする。


やがてハナ先生がボクを迎えに来た。


ボクはハナ先生の温かい腕の中に飛び込みたかったけど、足がボクに逆らったように動かない。


嫌な臭いの二本足がハナ先生に何か伝えたら、ハナ先生の顔色が悪くなった。


「タロウ。ごめんね。先生ありがとうございました」


「ハナさん。医師として手の施しようが無くすみません。ここまで内臓に癒着していると町医者の手ではなんとも」


「私は諦めませんことよ。タロウおいで」


ハナ先生の腕の中で、ボクはボクである時間が残り少ないなんて知らなかった。


お腹の痛みが酷くなった。

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