釣りをしよう
こんにちは!
ひさしぶりの投稿になります。
日常系というかほぼ体験談です笑
楽しんで頂けたら作者の励みになります!
「釣りに行こう」
ある日、ポツリと一人の男がそんなことを言った。
1LDKのアパートに思い思いにダラけている4人の男がいる。
そんな中、釣りに行こうと言った男、京川 真哉はいつも一緒にいるメンバーを遊びに誘ったのだ。
「オレらもう今年で23歳になるのに家の中に引きこもってるなんてもったいない! 外に出よう!!」
「釣りいいね~。 てか実はたまに釣り行ってるからみんなもやろうな! いいポイント知ってるよ~」
スマホでゲームをやっていた廃ゲーマーの岡達 十也が意外にも話に乗っかってきた。
どうも会社の先輩とたまに釣りに行っていたらしい。
「他の2人はどうする?」
真哉はそういってリビングの方を向いた。
そこにはリビングの机に突っ伏して今にも寝そうな男、成瀬 千代佐は首だけを真哉に向けて口を開きかけた。
が、何も言わずに目を瞑ってしまった。
「って何も言わんのかい! 起きろ千代」
真哉は千代佐にツッコむが反応は薄い。
「眠い。 ダルい。 動きたくない・・・。 まぁ行くならついてく」
「今日14時まで寝てただろ・・・。 まぁ出発は夜だからいいけど~」
「夜か~。 ならオレはパスだな」
机で紙にイラストを描いている眼鏡男子、社 長次はどうやら行きたくない様子だ。
「釣りに興味ないし絵描いてた方がいい」
「彼女が欲しくないのか?」
「彼女は欲しいが釣りは行かない。 てかどうやって知り合うんだ?」
「そりゃ目についた女子に声をかけるんだよ」
「んなこと出来たらとっくの昔に彼女できてるわ」
「確かに・・・。 んじゃ社長(社のあだ名)は不参加ね~」
とりあえず3人で行くことに決定したので話を詰めることにした。
「とりあえず何時に出発しようか?」
「んん~深夜の1時くらいじゃね?」
「あいよ~」
「あと5時間くらいか。 ちょっと寝とくかな」
「千代まだ寝るのかよ」
「服はどうする?」
「ラフな格好でいいと思うよ~」
「・・・今日分の絵描き終わったからやっぱオレも行くわ」
3人でわいわいやっていたら長次がこっちの話に入ってきた。
真哉がチラリと机の上を見てみると、そこには描きかけのイラストがあった。
どうやらみんなでわいわいしてるとこに混ざりたかったらしい。
真哉は長次のことをツンデレだと内心で思っているが、本人に言うと「違うわボケ」と一蹴されるので言わないようにしている。
そんなこんなで出発の時間になった。
真哉の運転で車に乗り込み目的地に向けて出発したのである。
「んでどこに行くん?」
真哉は行き先を十也に聞いた。
「まずお店に向かおう。 色々と揃えんとね!」
ということで案内されること数十分。
車はあるお店の駐車場に到着した。
ちなみに看板にはこう書かれている。
『釣り具・エサあります。 金・土・日は24時間営業中!』
「「釣りって『魚釣り』かよ」」
見事に千代佐と長次の声がハモった。
「我々が女釣りなんぞできると思うか? いやできるはずがない」
「なぜ反語?」
「言ってみたかっただけ!」
「とりあえず釣り竿と仕掛けとエサ買うぞ~」
「あいよ」「おk」「うぃ~」
「真哉は竿持ってるんだっけ。 今回は簡単な『サビキ』やるつもりだから仕掛け揃えといて~。 千代と社長は竿からだね」
「なんかあっちでこんなん見つけた。 これでいい?」
そう言って千代佐が見せてくれたのは『エサさえあればすぐ始められる!初めてのサビキセット』¥2980だった。
このセット、竿と仕掛けだけでなく、なんとリールとコンパクトになるポリバケツまで付いているのだ。
「お! それいいね~。 ワイもそれにするわ。 ちなみにお前らの竿はいくらだったん?」
長次もそのセットにするようだ。
そして何気なく真哉と十也に持っている竿の値段を聞いた。
「オレのは一万前後の竿を2本だな。 サビキ用とルアー用」
「自分もそんなもんだな。 まぁ3本持ってるけど」
「なんでそんなに持ってるんだよ!? なんなのバカなの?」
長次は全く理解できないとツッコミを入れてくる。
そんな長次に真哉と十也はやれやれというジェスチャーをしながら言い返す。
「わかってないな~。 竿を使い分けないと釣れるものも釣れなくなるのさ!」
「どんな竿でも釣ってこそ一人前じゃないのか?」
「用途の違う竿使うとルアーとか飛ばんしっ! あと大物とかが掛かったら最悪竿折れるしっ!!」
「でも大物掛かったことないんだろ?」
「うぐっ、ま、まぁとりあえず今回はサビキだから!」
長次の冷静なツッコミに堪えられなくなった真哉は慌てて会話を切り、サビキに必要な物を買い物カゴに入れていく。
因みに十也は「でも大物・・・」の辺りから千代佐の方に逃げていっている。
「んじゃまぁ買うものはこんなもんでいいか~」
十也のチェックで必要な物は粗方揃えた。
店を出て車に乗り込み十也お薦めの釣り場に向かう事にする。
「なんやかんやで一万円くらいかかったな」
「まぁ道具揃えるとこからだったからね~」
千代佐と長次は買った道具を見ながら話している。
真哉と十也もルアーやら小物類を買っているので結局一万円近くかかっているのだ。
「まぁでもこんな金額がポンと出せる辺りやっぱ大人というか社会人だよな~」
「ちゃんと仕事してるからね! 彼女さえいればそっちに金使うのに・・・」
「言うな真哉、虚しくなるだけだ」
「釣りも楽しいぞ! プロフィール書くとき趣味欄にやっとまともなやつ書けるようになるよ!」
「待て十也、まともなやつってなんだ」
「読書(漫画)とか映画鑑賞(アニメ劇場版)とかじゃないのが書けるってこと」
「ちょい待てやこら」
「睡眠は趣味に入るんだろうか」
「本当に千代は寝ることにパラメーター全振りしてるなぁ!?!!」
「社長そんなにツッコむと釣り前に疲れるよ?」
「お前らがボケなければいいだけだろうが!!」
これがこの4人の通常運行。
みんなでワイワイガヤガヤして最終的にまたいつもの部屋でダラける。
これはそんなお金を持ってる大人の遊び方のお話。
とまぁこんな感じのお話です。
ちまちま更新していきますのでよろしければ暇潰しにでも見てくだされば嬉しいです!
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