シーカー用語メモ
シーカー用語メモ。
【異世界アリエリード】
様々な世界からの転生者たちの世界。前世持ちよばれ、前世の記憶がある者たちが暮らす魔法と剣、モンスターがはいびこっている。前世を思い出すことはまれではあるが、一定数いてそれぞれの記憶から繁栄したり、しなかったりをしている。近代的なスチームパンクの町があったり、ファンタジー世界のような中世ヨーロッパの町があったり、狩猟民族がつくる集落があったり、獣人やエルフ、ドワーフといった亜人の町があったり、宇宙人の停泊地があったりとかなりめちゃくちゃだ。
僕のパーティー(リクス・ファミリー)が拠点をおくのは中世ヨーロッパ然とした牧歌的な交易都市ゴールド・ラッシュ。なぜこの名前がついているかといえば、冒険者ギルドの本拠地があり、はじまりの町として様々な重要拠点となった歴史がある。いまは本拠地という名前だけで基本的に他の支部よりもうらぶれている。この辺は遺跡が開拓されきってしまったのだ。残っているのは豊かな農耕地。そのため食事の物価が安くて初心者パーティーには嬉しい場所だったりする。比較的危険なモンスターもいないしね。
【冒険者ギルド】
いわゆるお約束のギルド。モンスターや盗賊あるいは悪い魔術師が出没するのでその傭兵とやとわれた戦士たちが、遺跡の財宝を掘り当てて設立したギルド。
創立者が偉大な人で、ノーベル賞のアルフレッドノーベルよろしく、冒険者基金を設立して彼らの支援のためにギルドを作った人だ。
冒険者ギルド加入の特典は、一部の商品の割引、冒険者基本保険、宿舎などの予約手配、クエストの案内、各職業ギルド運営、職業別相談窓口、冒険者教育、家庭教師手配、身分保証人請負、冒険者ネットワーク、各種申請書類代行といったものになる。まあそれらすべてが無料になるわけではないが、かなり便利なギルドだ。町の人たちも冒険者を当てにして依頼をするので冒険者ギルド登録証を提示すると基本的に割引になったりする。
まあ、問題を起こせば冒険者としては食っていけなくなるので下手なことはできない。しかも、一年に一度(この世界では一年が地球での二年分)に更新手続きをして冒険者としての実績がないとすぐさま再講習を受けないといけないのがめんどくさいところではある。登録証には個人情報とレベル(モンスターのとどめを刺したときに得られる魔力の残滓の蓄積なので本人の強さには直結しない)が記入されて、とても丈夫なのでタグプレートのように志望したときの身分証となるので常時身につけることが義務化している。
【冒険者職業】
これまたお約束のジョブというヤツ。昔は職業なんてなかったらしいのだが、ギルドが大きくなるにつれて派閥ができ、その中でジョブができたらしい。
基本的には前衛後衛で大まかに分けられて、本人の希望で職業教育を受けることができる。希望がなければギルドの窓口で適正判断のカウンセリングも可能。
職業にあった鎧や武器を集めるだけでも大変なので基本的には転職はあまりない。うなるほどの金があればいろいろな職業について自分の適性を調べる、なんて贅沢はできるのだが僕にはそのお金がないのでシーフのまま。
ソードファイターやシーフ、アーチャーといった職業は簡単になることができるが、クレリックやウィザード、マーチャントはそれなりに才能や修行が必要になる。ウィザードは魔力量や魔術の才能がなければそもそも不可能で、クレリックは少なくとも8年は修道院や教会で真面目に修行を積まなくてはならない。マーチャントは読み書き、算術といった教養が必要だし。
職業には一次職業、二次職業、特殊職業なんかがあり、アーチャーは猟犬、鷹、モンスターなどをテイムしてある程度の経験があればハンターになることができる。ほかにも二次職業以上は浪漫あふれる職業が目白押しだ。
僕のシーフなら攻撃主体の暗殺者、妨害主体の悪漢、奇襲主体の隠密なんてものもある。二次以上はスキルもかなり強力になり、楽になってくれるが、その職業専門の場所で認可状を貰いけっこう戒律に厳しかったりする。噂ではアサシンはベッドで寝てはいけないらしい。浪漫だな。
【パーティー・ファミリー】
【パーティー】は基本的にフリーの冒険者が四人以上集まってクエストに出るものを指す。冒険者ギルドはクエストでのソロ死亡率の高さを杞憂していて、最低四人以上、推奨六人でないとクエストを受けさせてくれない。まあ、モンスターも生死をかけているのでかなり本気になってかみついてきたりするのでこの処置は当然といえば当然になる。なぜ、四人かといわれたら昔魔王(この世界には無数に魔王がいるので魔王等級なんてものが存在する)を倒した勇者のパーティーが四人だかららしい。
基本的にパーティーでの取り分はリーダーの采配にもよるのだが公平な分配(僕の前のパーティーでは完全に搾取されていた)で、クレストごとに募集をかけて最適なメンバーでクエストに望む。気楽な集まりと想像するのがいいかな。
で、【ファミリー】というのはパーティーの発展系で最低六人から結成することができる。ファミリーの場合は冒険者ギルドへの登録が必要で、常時パーティーみたいなもの。
一番の利点は、株式会社みたいなことができるということだ。
ファミリー設立者は加入者の保険をファミリー保険でまとめて入ることができ、さらにその掛け金は個人よりも安くなる。特に、ファミリー内にレリックなどの回復役がいれば25%は安くなるって寸法。条件としては、レリックが必ずいて、六人以上のファミリー加入者で構成されたパーティーでクエストをこなす必要があるが、常時パーティーなので問題ない。100人を超すファミリーなんてものもあったりするのだが、これはウチみたいな貧乏初心者ファミリーには関係ない話なので割愛。保険だけではなく宿舎もかなり割り引きがきき、住宅の賃貸にもかなり幅がきいたりと嬉しいことがたくさんある。
あと、すごいのは支援者からの投資が受けられるのだ。
つまり株だ。ファミリーがこなすクエストによって支援者を募集して、クエストへの準備資金を集めたり、装備の購入資金にしたりできる。たとえば、未知の大陸を探す高レベル冒険者が船を必要とした場合、冒険者ギルドの立ち会いの下で契約を交わして資金を集め、帆船をゲット、なんてのが夢ではなくなるというわけだ。もちろん、大陸を見つけた場合の権利(開発や持ち帰った物)を支援者と分配するのは必要だけど、一から船を買う資金を集める必要がないってだけでかなり楽に冒険ができてしまう。ま、今は関係ない話だけどね。
【クエスト】
冒険者ギルドが冒険者に依頼するものをクエストと呼ぶ。
これもすごい種類があって、モンスターを討伐する、魔王を倒す、囚われた姫を取り戻す、宇宙人をやっつける、神様と一緒にゲームをする、悪い魔法使いを懲らしめるとか色々ある。まあ受諾するにはレベルが必要で、レベル以上のものをしようとすると保険が下りなかったり、そもそも受けさせてくれなかったりと低レベル冒険者には無理な物も存在する。
リクス・ファミリーがおもに受けるのは【お使い】と呼ばれる冒険にもならない雑用。アルバイトに近いものばっかりだ。どこどこの薬草を~、どこどこのなになにを~、とか単純にその場所に行って何かして、戻るっていうのが主体。酷い物になるとおばあさんの面倒を見てほしいとか介護レベルの話にもなるのでギルドの手広さには開いた口がふさがらない。いちおう、クエストに応じた経験値(お使いでは微々たるもの)と達成料が入ってそれで糊口をしのいでるのが現状。
パーティーレベルが10を越えたらちょっとはマシなクエストに手を伸ばせることができるのだが、問題児のロッドさんがレベル3なのでしばらくは無理だろう。
レベルはレベル7~8あたりを境に一気に上がりにくくなる。一年に1レベルということもざらなので結構頻繁にお使いをしないと再講習という事態になりかねない。
いまでもぎりぎり最低限の衣食住ができているからまあのんびりでもいいか、というのが我がパーティーの多数意見だったりする。ミリヤだけは猛反対だけど。あの子はあの子なりに転売をして地味に儲けているのも知っているんだけどね。
あと、ギルドを通さない野良クエストと呼ばれる物が存在する。
これはまだ問題視されてはいない問題(魔族の暗躍など)やお家事情でギルドを通せないもの、あるいは忘れ去られていてギルドも管理できていない昔のクエストといったものだ。ギルドは野良クエストの摘発をしたいらしいが、現実問題なくならないので目をつむっているのが現状。達成したときの経験値はもらえないが、依頼者側は手数料が掛からないので嬉しいらしい。やり過ぎるとギルドに睨まれるので細々と野良クエストが貿易商人達に売られている。本当に危機を救った場合は、正式なクエストに格上げされて表彰されるといったこともあるのであなどれない。
【野良クエスト売り】
ギャンブルクエストと呼ばれる野良クエストを売る人たちのことを指す。
貿易商人が持ち寄ったよもや話、酒場で笑い話になるような都市伝説。それを本や冊子にして売り歩く人のことを言う。
どちらかというと娯楽本を売る商人に近い。真偽のほどは分からないが試しに読んでみるか、でクエストに出た冒険者が巨万の富を築いたなんてことも実際にあるのでギャンブルクエストと言われている。
多くが貿易商人が噂話を書き付けたり、冒険者と飲んだときに出た話題をまとめているので貿易商人達の商品に混じって売られている。
ミリヤがこのギャンブルクエストが好きで、たまーにあやしい本を買ってきては試してみるが、だいたいは空振り。当たっても本の代金(40コル)ぐらいにしかならなかったりする。
あの守銭奴のミリヤも意外と夢見るんだなと驚いたものだ。息抜きにはいいだろう。
【スキル・魔法】
ファンタジーお約束の不思議な力だ。
僕もいちおう魔法が使える身としてはいろいろと話すことも多そうに見えるが、基本的には何も分からない。理屈じゃない、感じるんだ的なノリの力とでもいうのかな。
魔法と魔術は、理論的に解明されているのが魔術で、魔法はあまり解明されていないものを言う。固有は僕の鍵魔法みたいに特殊な系統なのでよくわからない
今のところ知っているのは、元素魔術、精霊魔術、神聖魔術、黒魔術という四つの魔術があるらしい。元素は火、水、風、土の四属性をもとに自然的な力をだす魔術で、精霊は生命に宿る魔力の総体を操る魔術、神聖はレリックのような神に仕えるものが使う魔術、黒魔術は悪魔を召喚したり力を借りたりする魔術。ちなみにロッドさんは元素魔術と黒魔術を使える。あと精霊もちょっとならできるそうだ。
スキルは一種の魔法のようなもので、体が覚えたことを速度を速めたり威力をましたりできる。ドワーフのルーティが種族的に力が強いのは常時発動する固有魔法らしい。ならマリアの身体魔法はなんだろうなと思ってしまう。種族的なものなのだろうか?
魔術は魔術屋で呪文書を買ったり、教えて貰ったりすると使えるようになる。才能が必要だけど。
スキルの場合は職業を選択した時点でその神様の祝福を自動的に受けるらしく、お金を払って教えてもらったら使える。教えることができるのは職業ギルドの中でも助言者(その神に仕える者)のみで、実践で使っていれば反射的に使えるようになりスキルレベル(それを判断するのが職業ギルドの助言者)が上がる。
僕の習得済みシーフスキルは、
【盗賊の目】(2)―――遠目、動体視力、夜目が向上
【砂まき】(1) ―――砂をまいて相手を怯ませる。目を持つモンスターに暗視効果あり。条件、砂地。
【スリングショット】(3)―――持ち物を投げつける。命中率向上
【バックステップ】(2)―――回避運動向上。
【忍び歩き】(3)―――気配を断って歩く。
【盗賊流剣技】(1)―――剣技。シーフ流の二刀流。
これらの初心者盗賊スキルセット1000コル。【背後取り】をそろそろほしいが400コルは高い。悩みどころだ。
【通貨コル】
アリエリードには様々な大陸があって、すごくひろい。流通する硬貨は地方によって様々あるが、すべて単位をコルとしている。
たとえば、ゴールドラッシュのあるモルガナ地方ではギリニエス金貨、銀貨というものがあるのだけど貿易商人ギルドが毎月レートを提示してコル表示にする。まあほとんど変動しないから誰も気にしないけど。戦争があったり、飢饉があると一気に変わってしまう。モルガナ地方は平和そのものでまったくその気配がないので一律。
合銀貨(不純物の多い銀貨)一枚あたりおよそ1コル(日本円で100円ぐらい)、小銀貨10コル、大銀貨40コル、金貨1200コルといったぐあいだ。
最安値の宿屋一泊(ギルドカード無提示六人の大部屋)60コル、外食の一食平均5コル、安い短剣一本300コルみたいな感じ。収入はお使いクエスト(六人案件)平均500コル。
お金がないときは野宿で済ますのでなんとかやっていけるってレベル。冬場の野宿は地獄なので秋口らへんは初心者パーティーが血眼で仕事をする時期になる。秋の収穫もあるので仕事には事欠かない。