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世界を繋ぐお仕事 〜キヒロ鳥編〜  作者: na-ho
しろいつき
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5 長短

一時間後にチャーリーの出番です。

 ◯ 5 長短


 女の子でいる事の抵抗が無くなった僕は、自分で月夜神の姿を取る事にも成功して休みの日は時々その姿でいる。ちなみに十五、六の見た目である。(胸? C〜Dかな)幽霊やら精霊の成長は無かったせいだろう。

 しかし、あれだけ胸に触れないのが残念だったのに今はそんなに気にならないし、自然なのは女の子なせいだろうか。普通にそこにあると言う感じだ。

 マリーさんは変身後は狂喜乱舞し、せっせと僕の服を作っていた。スカートが多いのにはこだわりがあるみたいなので突っ込まないであげた。トロ爺さんと組合長はミニスカートが揺れる度に鼻の下を伸ばしているが、気持ちは多少分かるので放置している。しかし、あれだけのあからさまなエロ視線は正直嫌だ。


 女の子の方の温泉はいい匂いがして天国だった事は確かだ。女性優位なこの世界では女性の為のグッズは完璧に揃えられていた。美少女姿のレイと一緒にお肌を磨いて綺麗を保つメニューをしっかりと体感しておいた。


「後はピピュアの姿でも大人になれれば良いんだけどな……」


「どうして?」


「アキの姿だと、死んで生まれ変わったことになっているあれこれがややこしいからね。出来ればもう二、三年、出来ればそうだね、十年くらい置いてくれても良いくらいだよ」


「そんなに?」


「そんなに、じゃないよ。実際アキの借金は死んだ事で組合のポイントは消えたし、管理員としても再出発なんだ。と言っても神見習いについては引き続きだからややこしいんだけどね……」


 神力ポイントの借金の引き継ぎはピピュアになってもあったりするが、アキとしての管理員は死亡扱いになっている為、管理ポイントの借金に関しては僕を殺した暗殺犯と、切っ掛けになった二人組、指示を出したタキとエミーナルとあの四人組が負っている。しかも新人時代にこんなややこしい事になったのは稀な事で、どう処理するのか今まで検討していたらしい。

 取り敢えずは新人は新人でも普通は異世界間管理組合での暦の一年と半年、アストリュー世界での三年をどうするかで話し合われた結果、新人をもう一度やり直すという厳しい処置がとられる事になったのだ。どのみち姿が変わるし、新人でこれだけ借金を作ったまま死んだ罰則も入るらしい。真っ当にやり直せというお達しだ。


「はあ、半分過ぎてたのに……」


「管理神としての功績はのけられているからね?」


「そっか。プライベートだって事なんだ。そういえば夢縁は?」


「そっちはアキの死亡が通達されてるからね……その辺りはあの姉妹に聞くしかないね。月夜神としても交流をしているのだし、無茶は言わないと思うよ?」


 その事にはホッとした。それに伴って地球でのもう一つ大事な事を聞いた。


「か、家族は?」


「見習い神としてのアキなら大丈夫、会いに行けるよ。心配しなくて良いからね?」


「うん。ありがとう」


 死神としての僕はというと、生まれ変わったぐらいじゃ除名はされないのが闇のベールの良い所だ。登録はベールの持つ力で登録されているのだ。アイスはそのまま引き継がれる。だからこそ(あざな)で呼ぶのだと知った。

 ピピュアの大人バージョンは、月夜神の白色バージョンだとのマシュさんの助言で成功を収めた。膝裏まである長い髪を肩下辺りから三つ編みにしているが、マリーさんは地味過ぎると不満を言ってくる。獣守達の意見ではそのままおろして風になびかせておくのが良いとの意見が圧倒的だったが、キヒロ鳥特有の残光が時々出てしまうので神域か聖域の中だけに限定された。

 鏡を見れば何処の国のお姫様かと言わんばかりの美少女だ。自分じゃなかったら一目惚れしそうだ。ビューラー要らずの睫毛は髪色と同じだし、全体で見れば品を損なわないくらいの控えめな華やかさだ。日本人的なスタイルでなくて手足の長い外人仕様のスタイルは何処のモデルだと聞きたいくらいだ。

 ピピュアとしての神官デビューは近い。というか資格も取り直しとか聞いてないよ……あんなに、あんなに苦労したのにっ!!


「くやしい〜!!」


「人生の積み重ねを奪うのが死だよね。世知辛さを体感しとくと良いよ?」


 借金は無くなったのは良いとしても、資格を全部なしにされたのは堪えた。しばらく起き上がれずにベッドの中で泣いた。


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