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世界を繋ぐお仕事 〜キヒロ鳥編〜  作者: na-ho
やみのとびら
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25 姿移し

 ◯ 25 姿映し


 しばらく神殿に通って聖水を作ったりと懐かしい活動をしながら過ごしたので、しばらくお休みにした。休みの日に何をするのかと言えば、紫月との約束をやらねばならない。

 飴玉作りに協力して貰ったのだから、今度は一緒に神力酒造りだ。紫月も僕とやってみたかったのだそうだ。きっと、他の皆と造っているのに自分だけが一緒に造って無い事に気が付いたんだと思う。焼き餅かな?


「ピア。ピンクの力を入れてね?」


「ピンクの力?」


 紫月の要望だ。


「一緒にいたい気持ちだよ?」


「うん。良いよ」


 そんなの簡単だ。思いやりと寄り添う気持ちを込めて力にすれば良いんだ。カシガナの花と実に僕の神力の籠った草花にむずむずする羽根を一枚入れて造ってみた。ちゃんと消毒したぞ。

 最後に感謝の気持ちを込めて仕上げれば、二人の愛を育てるお酒の出来上がりだ。多分だけど。


「出来たの?」


 レイが興味津々で出来上がりを聞いてくる。一週間もかけて毎日力を注いだ力作だ。勿論、時間待ちの合間にはカフェに卸す新作のケーキを作ったり、獣守達の毛のお手入れをしたり、紫月と一緒に神域の散歩に行ったりと充実した休日を送った。


「出来たよ」


 紫月が出来上がったお酒を大瓶からグラスに入れて持って行った。レイは神力の見極めは確かだと思う。マシュさんが見る感じで感覚ではっきり分かるみたいだ。香りを楽しんで口に含み味を確かめついでに効果を確かめているみたいだ。


「気持ちの穏やかさをあげる感じだね。寄り添えば心が温まる妖精とか精霊のあの暖かさが、肉体越しでも感じ取れると思うよ?」


「愛のお酒?」


 紫月が期待を込めて聞いている。


「そうだね。燃え上がる恋のお酒じゃなくて、愛を育てるお酒なら、こんな感じだよ」


「成功?」


 レイに尋ねたら、少し微笑んでから、


「そうだね。成功と言えるよ。幼鳥ならこんなくらいかな?」


 と、レイは微笑んだ。まあ良いだろう。いつか、愛の約束とやらの羽根を、作れる迄にならないとならないしね。多分、事象を操る力と強く引かれる念いを捉える力を閉じ込めないと作れないと思う。それの力を操るのはちょっと難しい。でも何となく、紫月とのお酒である『心温伝酒』が出来たのだから、その内に創れる気はする。

 グラスの中では透明な液体の中で幻のカシガナの花が咲き、小さな幻のピンクの羽根が舞う可愛いお酒になっている。


「見た目も好いし、早速『みかんなバー』に持って行かないとダメだね。これは飴にしたらダメだよ? この可愛い幻が台無しになっちゃうよ」


 僕と紫月は顔を見合わせた。実はもう創ってしまったのだ。


「……それは仕方ないね」


 気が付いたレイが溜息を付いた。


「飴も綺麗だよ」


「すごく可愛いよ」


 僕達はそれを出して並べた。カシガナの実のように仄かに紫に光る中に、小鳥が羽ばたいているのが見えるのだ。


「うわあ。可愛いね」


 レイはお酒の事は放置して飴玉に夢中だ。


「どうかな?」


「全部飴でも好いくらいだよ。ピアの姿が綺麗に出てる」


 声が興奮しているので、余程気に入ったみたいだ。早速、レイから注文が入った。と言っても三つだ。ここに三つあるから皆で持つと言っている。


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